冒頭の直接回答
カゴヤVPSを使ったARKサーバー構築は、月額660円から可能で、Linuxの知識があれば30分程度で完了します。推奨スペックはメモリ8GB以上、ストレージ50GB以上で、友人と遊ぶ小規模サーバーなら2コア・4GBプランでも運用可能です。公式のSteamCMDを使用してARK: Survival Ascendedのサーバーを構築する手順を解説します。
要点
- カゴヤVPSの最小構成は月額660円から、ARK推奨構成は月額3,300円から利用可能
- Ubuntu 22.04 LTSとSteamCMDを使用した構築が主流の方法
- メモリ8GB以上のプランが安定稼働には必須、人数に応じてスケールアップ可能
- 初期設定後はゲームアップデート対応とバックアップが運用の要
- ゲーム特化型VPSと比較して自由度が高く、カスタマイズ性に優れる

カゴヤVPSでARKサーバーを構築する理由
ゲーム専用VPSとの違い
カゴヤVPSは汎用型のVPSサービスですが、ARKサーバー構築において十分な性能と柔軟性を提供します。ゲーム専用VPSと異なり、OSレベルからの完全な管理権限を持つため、細かいパフォーマンスチューニングやMOD導入が自由に行えます。SSD標準搭載で読み書き速度が速く、ARKのような大容量ゲームデータの処理にも適しています。
カゴヤVPSの特徴として、国内データセンター運用による低遅延、24時間365日のサポート体制、従量課金制ではなく定額制のため予想外の高額請求がない点が挙げられます。また、スナップショット機能により、サーバー構成のバックアップと復元が容易です。
公式サイト:KAGOYA CLOUD VPS
ARK: Survival Ascended対応状況
2023年10月にリリースされたARK: Survival Ascended(ASA)は、Unreal Engine 5で再構築された最新版です。従来のARK: Survival Evolved(ASE)と比較して、グラフィック要求が大幅に向上しており、サーバー要件も高くなっています。カゴヤVPSでは、8GBメモリ以上のプランでASAサーバーの安定稼働が確認されています。
ASAサーバーは専用サーバーソフトウェアとして提供され、SteamCMD経由でインストール可能です。定期的なアップデートが配信されるため、サーバー管理者は更新作業を継続的に行う必要があります。
カゴヤVPSのスペック選びとプラン比較
ARKに必要なサーバースペック
ARK: Survival Ascendedの公式推奨スペックは以下の通りです:
| 項目 | 最小スペック | 推奨スペック |
|---|---|---|
| CPU | 2コア | 4コア以上 |
| メモリ | 4GB | 8GB以上 |
| ストレージ | 30GB | 50GB以上(SSD推奨) |
| 帯域幅 | 10Mbps | 100Mbps以上 |
カゴヤVPSで選ぶべきプランは、プレイ人数によって異なります。友人2〜3人なら2コア・4GBプラン(月額1,540円)、5〜10人規模なら4コア・8GBプラン(月額3,300円)、10人以上の大規模運用なら8コア・16GBプラン(月額7,700円)が目安となります。
カゴヤVPSの料金プラン詳細
| プラン | CPU | メモリ | SSD容量 | 月額料金 | ARK適合度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1コア/1GB | 1コア | 1GB | 25GB | 660円 | × 不可 |
| 2コア/2GB | 2コア | 2GB | 50GB | 979円 | △ テスト用 |
| 2コア/4GB | 2コア | 4GB | 100GB | 1,540円 | ○ 小規模向け |
| 4コア/8GB | 4コア | 8GB | 200GB | 3,300円 | ◎ 推奨 |
| 6コア/12GB | 6コア | 12GB | 400GB | 5,500円 | ◎ 中規模向け |
| 8コア/16GB | 8コア | 16GB | 800GB | 7,700円 | ◎ 大規模向け |
※2025年11月時点の税込価格
初期費用は無料で、日割り課金に対応しているため、月途中からでも無駄なく利用開始できます。最低利用期間の縛りがなく、スペック変更も柔軟に対応可能です。
カゴヤVPSでARKサーバーを構築する手順
STEP1:カゴヤVPSの契約とOS選択
カゴヤVPSの公式サイトから申し込みを行います。OSは**Ubuntu 22.04 LTS(64bit)**を選択してください。ARKサーバーのインストールスクリプトはUbuntuとの互換性が高く、トラブルシューティング情報も豊富です。
契約後、コントロールパネルからSSH接続情報(IPアドレス、ポート番号、rootパスワード)を確認します。WindowsならTeraterm、MacならターミナルでSSH接続を行い、初回ログイン後は必ずrootパスワードを変更してください。
STEP2:サーバーの初期設定とセキュリティ対策
SSH接続後、以下のコマンドでシステムを最新状態に更新します:
sudo apt update && sudo apt upgrade -y
次に、ARKサーバー専用のユーザーを作成します(rootでの運用はセキュリティリスクが高いため):
sudo adduser steam
sudo usermod -aG sudo steam
ファイアウォール設定で、ARKが使用するポート(デフォルトは7777/UDP、7778/UDP、27015/UDP)を開放します:
sudo ufw allow 7777/udp
sudo ufw allow 7778/udp
sudo ufw allow 27015/udp
sudo ufw enable
STEP3:SteamCMDのインストール
SteamCMDは、Steam用ゲームサーバーをコマンドラインから管理するツールです。まず、必要なパッケージをインストールします:
sudo apt install software-properties-common
sudo add-apt-repository multiverse
sudo dpkg --add-architecture i386
sudo apt update
sudo apt install lib32gcc-s1 steamcmd -y
steamユーザーに切り替えてSteamCMDを起動します:
su - steam
steamcmd
STEP4:ARK: Survival Ascendedサーバーのインストール
SteamCMD内で以下のコマンドを実行し、ARKサーバーファイルをダウンロードします:
login anonymous
force_install_dir /home/steam/ark-server
app_update 2430930 validate
quit
※2430930はARK: Survival AscendedのApp IDです。ダウンロードには30〜60分程度かかります。
インストール完了後、サーバー起動スクリプトを作成します:
cd /home/steam/ark-server
nano start-server.sh
以下の内容を記述します:
#!/bin/bash
./ShooterGame/Binaries/Linux/AsaApiLoader TheIsland?listen?SessionName=MyARKServer -server -log
実行権限を付与して起動します:
chmod +x start-server.sh
./start-server.sh
STEP5:サーバー設定ファイルのカスタマイズ
ARKサーバーの詳細設定は、GameUserSettings.iniで行います:
nano /home/steam/ark-server/ShooterGame/Saved/Config/LinuxServer/GameUserSettings.ini
主要な設定項目:
- ServerPassword:サーバーパスワード(空欄で公開サーバー)
- ServerAdminPassword:管理者パスワード(必ず設定)
- MaxPlayers:最大同時接続人数
- DifficultyOffset:難易度(0.0〜1.0)
- XPMultiplier:経験値倍率
- TamingSpeedMultiplier:テイム速度倍率
設定変更後はサーバーを再起動して反映させます。
STEP6:自動起動とバックアップ設定
systemdを使用してサーバーの自動起動を設定します:
sudo nano /etc/systemd/system/ark-server.service
以下の内容を記述:
[Unit]
Description=ARK Survival Ascended Server
After=network.target
[Service]
Type=simple
User=steam
WorkingDirectory=/home/steam/ark-server
ExecStart=/home/steam/ark-server/start-server.sh
Restart=on-failure
[Install]
WantedBy=multi-user.target
サービスを有効化します:
sudo systemctl enable ark-server
sudo systemctl start ark-server
バックアップは、カゴヤVPSのスナップショット機能を活用するか、cronで定期的にセーブデータをコピーする方法があります。
ARKサーバー運用時のトラブルシューティング
サーバーに接続できない場合
最も多いトラブルは、ファイアウォールやポート設定の問題です。カゴヤVPSのコントロールパネルから、ファイアウォール設定でARKに必要なポート(7777、7778、27015)が開放されているか確認してください。
また、ARKクライアント側から接続する際は、Steam→表示→サーバー→お気に入りタブで「サーバーを追加」を選択し、カゴヤVPSのIPアドレス:7777を入力します。パスワード設定している場合は入力が必要です。
サーバーログを確認するには:
tail -f /home/steam/ark-server/ShooterGame/Saved/Logs/ShooterGame.log
メモリ不足によるクラッシュ
ARKサーバーはメモリを大量に消費するため、スペック不足だとクラッシュします。現在のメモリ使用状況は以下で確認できます:
free -h
メモリ使用率が常に90%を超える場合は、プランのアップグレードを検討してください。カゴヤVPSはコントロールパネルから簡単にスペック変更が可能です。
一時的な対処として、スワップ領域を追加する方法もあります:
sudo fallocate -l 4G /swapfile
sudo chmod 600 /swapfile
sudo mkswap /swapfile
sudo swapon /swapfile
アップデート時の注意点
ARKは頻繁にアップデートが配信されます。サーバーをアップデートする際は、必ず事前にバックアップを取得してください。
アップデートコマンド:
cd /home/steam
steamcmd +login anonymous +force_install_dir /home/steam/ark-server +app_update 2430930 validate +quit
アップデート後はサーバーを再起動します:
sudo systemctl restart ark-server
クライアント側のバージョンとサーバー側のバージョンが一致していないと接続できないため、アップデート情報は公式Discordやフォーラムで確認することを推奨します。
ARKサーバー構築に適したVPSサービス比較
ARKサーバーを運用する際、カゴヤVPS以外にも選択肢があります。それぞれの特徴を比較して、自分の用途に最適なサービスを選びましょう。
ConoHa for GAME
ConoHa for GAMEは、ゲームサーバー構築に特化したVPSサービスです。ARK: Survival Ascendedのテンプレートが用意されており、クリック操作だけで約10分でサーバーが立ち上がります。Linux知識がない初心者でも簡単に構築できる点が最大の魅力です。
料金プランは2GBメモリで月額1,065円から、ARK推奨の8GBプランは月額7,348円です。時間課金にも対応しており、テストプレイ時は1時間単位で利用できます。管理画面が日本語で直感的に操作でき、サーバー起動・停止・再起動がワンクリックで実行可能です。
デメリットとしては、カゴヤVPSと比較して若干料金が高めである点、カスタマイズ性がテンプレート範囲に限定される点が挙げられます。ただし、技術的なサポートが充実しているため、初めてゲームサーバーを立てる方には最適な選択肢です。
Xserver VPS for Game
Xserver VPS for Gameは、エックスサーバー株式会社が提供するゲーム特化型VPSです。ARK、Minecraft、Rust、Palworldなど主要タイトルのテンプレートが豊富に用意されています。
料金は2GBメモリで月額1,150円から、8GBプランは月額7,800円です。国内最大手のレンタルサーバー企業が運営しているため、回線品質と安定性に定評があります。管理パネルは初心者向けに設計されており、サーバー設定の変更もGUI操作で完結します。
また、ゲームアップデート時の自動更新機能や、MOD管理ツールが標準搭載されている点が特徴です。技術サポートは24時間365日対応で、電話・メール・チャットから問い合わせ可能です。本格的な運用を考えるゲーマーコミュニティに適したサービスと言えます。
さくらのVPS
さくらのVPSは、老舗のVPSサービスで、コストパフォーマンスに優れています。512MBメモリプランが月額643円から利用でき、ARK推奨の8GBプランは月額5,500円とカゴヤVPSより安価です。
さくらのVPSは汎用型のため、ARK専用テンプレートはありませんが、Ubuntu環境での構築実績が豊富で、ネット上に日本語の構築ガイドが多数存在します。スタートアップスクリプト機能を使えば、初期セットアップを自動化できます。
ストレージはSSD標準で、全プランに無料のバックアップ機能(スナップショット)が付属します。ただし、カゴヤVPSと比較するとコントロールパネルのUIがやや古く、サポート対応も基本的にメールのみです。技術に自信があり、コストを抑えたい中〜上級者向けのサービスです。
ConoHa VPS
ConoHa VPSは、GMOインターネット株式会社が提供する汎用型VPSです。ConoHa for GAMEの兄弟サービスで、ゲーム以外の用途にも柔軟に対応できます。
料金は512MBメモリで月額792円から、8GBプランは月額7,348円です。時間課金制を採用しており、使った分だけ支払うシステムのため、短期間のテスト運用に向いています。KUSANAGIやDockerなど、多様なアプリケーションテンプレートが用意されています。
ARKサーバーを構築する場合は、Ubuntu 22.04テンプレートを選択して手動でセットアップする必要があります。初心者には少しハードルが高いですが、ConoHa for GAMEより安価で、将来的に他の用途にも転用できる柔軟性があります。
シンVPS
シンVPSは、エックスサーバーのグループ企業が2022年に開始した新サービスです。最新のハードウェア構成で高速処理が特徴で、NVMe SSDを全プランで採用しています。
料金は512MBメモリで月額620円から、8GBプランは月額4,400円とコストパフォーマンスに優れます。Xserver VPS for Gameと同じ企業グループですが、シンVPSはゲーム特化ではなく汎用型のため、ARKサーバーは手動構築が必要です。
コントロールパネルはシンプルで使いやすく、スナップショット機能も標準搭載されています。サポート体制はメールのみですが、公式マニュアルが充実しており、基本的なLinux操作ができれば問題なく運用できます。新しいサービスのため情報は少ないですが、コスパ重視の選択肢として注目されています。
サーバー診断ツールの活用
ARKサーバー構築前に、どのVPSサービスが自分に最適か迷う場合は、サーバー比較診断サイトを活用することをおすすめします。このサイトでは、利用目的(ゲーム、Web、開発環境など)や予算、技術レベルを入力すると、最適なサーバーサービスを診断してくれます。
ARKサーバーの場合、「ゲームサーバー」カテゴリで「メモリ8GB以上」「プレイ人数5〜10人」などの条件を指定すると、具体的なプラン推奨とコスト試算が表示されます。複数のサービスを横断比較できるため、初めてVPSを契約する方でも判断しやすくなっています。
また、各VPSサービスの最新キャンペーン情報やクーポンコードもまとめられているため、お得に契約したい方は事前にチェックしておくと良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. カゴヤVPSでARKサーバーを立てるのに必要な最低スペックは?
最低でもメモリ4GB、CPU 2コアのプランが必要ですが、安定運用には8GB以上を強く推奨します。ARK: Survival Ascendedは従来版より要求スペックが高く、4GBプランではプレイヤー数が3人を超えると動作が不安定になります。快適に遊ぶなら4コア・8GBプラン(月額3,300円)を選択してください。ストレージは最低50GB必要で、MODを導入する場合は100GB以上確保しておくと安心です。
Q2. ゲーム専用VPSとカゴヤVPSの違いは何ですか?
ゲーム専用VPS(ConoHa for GAMEなど)はワンクリックでサーバーが立ち上がり、管理画面も日本語で直感的に操作できます。一方、カゴヤVPSは汎用型のためLinux操作が必要ですが、OS レベルからカスタマイズできる自由度があります。技術に自信がない初心者にはゲーム専用VPS、細かい設定を自分で管理したい中級者以上にはカゴヤVPSが適しています。料金面では、同スペックならカゴヤVPSの方がやや安価です。
Q3. ARKサーバーの運用に月額費用以外にかかるコストはありますか?
基本的には月額料金のみで運用可能です。ただし、カゴヤVPSのバックアップサービス(自動バックアップ)を利用する場合は追加料金が発生します。また、帯域幅は基本的に無制限ですが、極端に大量のトラフィックが発生する場合は制限がかかる可能性があります。通常のプレイ人数(10人程度)であれば追加費用は発生しません。ドメイン名を取得する場合は年間1,000円程度の費用が別途必要です。
Q4. サーバーのバックアップはどうすればいいですか?
カゴヤVPSにはスナップショット機能があり、コントロールパネルから手動でサーバー全体のバックアップを取得できます。ARKのセーブデータは /home/steam/ark-server/ShooterGame/Saved/SavedArks/ に保存されるため、このディレクトリを定期的に外部にコピーする方法も有効です。cronを使って毎日自動バックアップするスクリプトを設定すれば、データ紛失リスクを最小限に抑えられます。重要なのは、大型アップデート前には必ずバックアップを取ることです。
Q5. カゴヤVPSでMODは導入できますか?
はい、カゴヤVPSならMOD導入が可能です。Steam WorkshopのMOD IDを GameUserSettings.ini に追記することで、サーバー起動時に自動ダウンロードされます。ただし、MODの数や規模によってはメモリ消費が増加するため、大量のMODを導入する場合は12GB以上のプランが必要になることもあります。人気MODの情報や導入方法は、ARK公式Wikiやコミュニティフォーラムで確認できます。
まとめ
カゴヤVPSを使ったARKサーバー構築は、Linux基礎知識があれば誰でも実現可能です。推奨スペックは4コア・8GBで月額3,300円から、初期費用無料で日割り課金対応のため、気軽に始められます。ゲーム専用VPSと比較して自由度が高く、細かいカスタマイズが可能な点が魅力です。
サーバー構築後は定期的なアップデートとバックアップを忘れずに実施し、トラブル時は公式フォーラムやコミュニティの情報を活用してください。友人とプライベートサーバーで遊びたい方、自分だけのルールでARKを楽しみたい方は、ぜひカゴヤVPSでの構築にチャレンジしてみてください。
まずはカゴヤVPS公式サイトでプランを確認し、自分のプレイスタイルに合ったスペックを選択することから始めましょう。

