冒頭の直接回答
マインクラフトのTPS(Ticks Per Second)最適化は、サーバーの処理性能を向上させ、ラグのない快適なマルチプレイ環境を構築するための重要な技術です。理想値である20TPSを維持するには、server.propertiesの設定見直し、最適化プラグインの導入、エンティティ・チャンク管理の徹底、そして高性能なサーバー環境の選択が必要です。本記事では、初心者でも実践できる具体的な手順から、上級者向けの詳細なチューニング方法まで網羅的に解説します。
要点
- TPSは1秒間のサーバー処理回数で、20が理想値(20未満でラグ発生)
- view-distanceとsimulation-distanceの調整で劇的な改善が可能
- PaperサーバーとClearLagプラグインは必須の最適化ツール
- エンティティ制限とレッドストーン回路の見直しが効果的
- 高性能VPSの選択でハードウェア面からも最適化

マインクラフトTPSの基礎知識
TPSとは何か?なぜ重要なのか
TPS(Ticks Per Second)は、マインクラフトサーバーが1秒間に実行するゲーム内処理(ティック)の回数を示す指標です。マインクラフトは20TPSを標準として設計されており、1ティックは正確に50ミリ秒(0.05秒)に相当します。
20TPSが維持できている状態では、ブロックの破壊、モブの移動、レッドストーン回路の動作、作物の成長など、すべてのゲーム内イベントが設計通りのタイミングで処理されます。しかし、TPSが低下すると以下のような問題が発生します。
- 15TPS以下:ブロック破壊の遅延、モブの動きがカクつく、レッドストーン回路の誤動作
- 10TPS以下:深刻なラグ、ワープ現象、アイテムロストのリスク増加
- 5TPS以下:ゲームがほぼ停止状態、タイムアウトによる切断多発
マルチプレイサーバーでは、プレイヤー数の増加、複雑な建築物、自動装置の稼働などによって処理負荷が増大し、TPSが低下しやすくなります。安定したプレイ環境を提供するには、常に18TPS以上を維持することが目標となります。
TPSとFPS・MSPTの違い
マインクラフトのパフォーマンス指標には、TPS以外にもFPSとMSPTがあります。
**FPS(Frames Per Second)**は、クライアント側(プレイヤーのPC)での画面描画速度を示します。グラフィックカードの性能や描画設定に依存し、サーバーとは独立した指標です。TPSが低くてもFPSは高い状態がありえます。
**MSPT(MilliSeconds Per Tick)**は、1ティックの処理にかかる時間をミリ秒で表したものです。理想値は50ms以下で、これを超えるとTPSが20を下回ります。TPSが結果の指標であるのに対し、MSPTは処理の重さを直接示す原因指標として活用できます。
サーバー管理者が最優先で監視すべきはTPSとMSPTです。
TPS確認方法と診断ツールの活用
コマンドによるTPS確認
マインクラフトサーバーのTPSを確認する最も基本的な方法は、ゲーム内コマンドの使用です。
Spigot/Paperサーバーの場合:
/tps
このコマンドを実行すると、以下のような情報が表示されます。
- 現在のTPS
- 過去1分間の平均TPS
- 過去5分間の平均TPS
- 過去15分間の平均TPS
Forgeサーバーの場合:
/forge tps
または
/cofh tps
これらのコマンドにはOP権限が必要です。定期的に確認することで、特定の時間帯や状況でのパフォーマンス低下パターンを把握できます。
プラグインによる詳細分析
より詳細なパフォーマンス分析には、専用プラグインの導入が効果的です。
Sparkは、最も高機能なプロファイリングツールです。/spark profiler startでプロファイリングを開始し、一定時間後に/spark profiler stopで終了すると、Web上で視覚化された詳細レポートが生成されます。どのプラグイン、どのワールドの領域、どのエンティティタイプが負荷の原因かを特定できます。
Timingsは、Paper/Spigotサーバーに標準搭載されている機能です。/timings onで記録を開始し、5〜10分経過後に/timings pasteを実行すると、詳細なパフォーマンスレポートのURLが生成されます。プラグインごとの処理時間、エンティティ処理、チャンク読み込みなどの詳細データを確認できます。
LagMonitorは、リアルタイムでTPSとMSPTを監視し、設定した閾値を下回った際に自動でアラートを発するプラグインです。問題発生時の状況を自動記録する機能もあります。
server.properties最適化設定
視野距離関連の設定
server.propertiesファイルは、マインクラフトサーバーの基本動作を制御する最も重要な設定ファイルです。以下の設定調整で、TPSの大幅な改善が期待できます。
Copy# 視野距離の制限(デフォルト10→7に)
view-distance=7
# シミュレーション距離の制限(1.18以降、デフォルト10→4に)
simulation-distance=4
# サーバー側レンダー距離
server-view-distance=7
view-distanceは、プレイヤーに送信されるチャンクの範囲を制御します。10チャンクから7チャンクに減らすだけで、処理するチャンク数が約50%削減され、メモリ使用量とCPU負荷が劇的に改善します。視覚的な影響は最小限で、探索やPvPにもほとんど支障はありません。
simulation-distanceは、マインクラフト1.18で追加された重要な設定です。この範囲内でのみ、モブのAI処理、レッドストーン回路の動作、作物の成長などが実行されます。view-distanceより小さく設定することで、遠方のチャンクは表示するが処理は行わないという効率的な運用が可能です。4に設定することで、処理負荷を大幅に削減できます。
ネットワークとエンティティ設定
Copy# ネットワーク圧縮閾値(デフォルト256)
network-compression-threshold=256
# エンティティ同期範囲(デフォルト100%→80%に)
entity-broadcast-range-percentage=80
# 最大プレイヤー数
max-players=20
# モブスポーン(不要なら無効化)
spawn-monsters=true
spawn-animals=true
spawn-npcs=true
network-compression-thresholdは、パケット圧縮を開始するデータサイズです。256バイトに設定することで、ネットワーク帯域とCPU使用量のバランスが最適化されます。
entity-broadcast-range-percentageは、エンティティの同期範囲を制御します。80%に設定すると、遠方のエンティティ更新頻度が減少し、ネットワークとCPUの負荷が軽減されます。
メモリ割り当てとJVM最適化
起動スクリプトでのJVMフラグ設定も、TPSに大きく影響します。
4GBメモリの場合の推奨起動コマンド:
Copyjava -Xms4G -Xmx4G -XX:+UseG1GC -XX:+ParallelRefProcEnabled -XX:MaxGCPauseMillis=200 -XX:+UnlockExperimentalVMOptions -XX:+DisableExplicitGC -XX:G1NewSizePercent=30 -XX:G1MaxNewSizePercent=40 -XX:G1HeapRegionSize=8M -XX:G1ReservePercent=20 -XX:G1HeapWastePercent=5 -XX:G1MixedGCCountTarget=4 -XX:InitiatingHeapOccupancyPercent=15 -XX:G1MixedGCLiveThresholdPercent=90 -XX:G1RSetUpdatingPauseTimePercent=5 -XX:SurvivorRatio=32 -XX:+PerfDisableSharedMem -XX:MaxTenuringThreshold=1 -jar server.jar nogui
重要なポイント:
- -Xmsと**-Xmx**は同じ値に設定(メモリの動的割り当てによるGCラグを防止)
- G1GCガベージコレクターの使用(大容量メモリでの停止時間を最小化)
- メモリは多すぎても逆効果(10人程度なら4GB、30人程度なら8GB、50人以上でも16GB程度が適切)
サーバーソフトウェアの選択と移行
SpigotからPaper/Purpurへの移行
サーバーソフトウェアの選択は、TPS最適化において極めて重要です。
Paperは、Spigotをベースに大幅な最適化を施したサーバーソフトウェアです。完全なSpigot互換性を保ちながら、以下の改善が実装されています。
- チャンク読み込みの非同期処理
- エンティティアクティベーション範囲の最適化
- レッドストーン処理の効率化
- ホッパーの最適化
- ライティングエンジンの改善
Spigotから移行する場合、server.jarファイルをPaperのjarファイルに差し替えるだけで完了します。既存のプラグインやワールドデータはそのまま使用できます。
Purpurは、Paperをさらに拡張したサーバーソフトウェアで、追加の最適化オプションと独自機能を提供します。purpur.yml設定ファイルで、より細かなチューニングが可能です。
設定ファイルの階層構造
Paper/Purpurサーバーでは、複数の設定ファイルが階層的に機能します。
- server.properties:基本設定
- bukkit.yml:モブスポーン制限など
- spigot.yml:エンティティ追跡範囲など
- paper.yml(またはpaper-global.yml、paper-world-defaults.yml):Paper独自の最適化設定
- purpur.yml:Purpur独自の設定
それぞれのファイルで適切な設定を行うことで、総合的な最適化を実現します。
プラグインによる最適化
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マインクラフト サーバー 最適化 プラグイン 2024 2025
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Minecraft Paper ClearLag プラグイン 設定
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エンティティ削除プラグイン
ClearLagは、定期的に不要なエンティティを自動削除する最も人気のある軽量化プラグインです。ドロップアイテム、停止中の乗り物(ボート、トロッコ)、過剰なモブなどを定期的にクリアすることで、エンティティによるTPS低下を防ぎます。
設定例(config.yml):
Copyauto-removal:
enabled: true
broadcast-message: true
broadcast-removal: false
autoremoval-interval: 300 # 5分ごと
world-filter:
- this_world
boat: true
falling-block: true
experience-orb: true
painting: false
projectile: true
item: true
itemframe: false
minecart: true
primed-tnt: true
arrow: true
limit:
enabled: false
max: 1000
check-interval: 60
broadcast-message: true
注意点:
- アイテムフレームや絵画など、装飾用エンティティは削除しないように設定
- 削除前に警告メッセージを表示する設定を有効化(broadcast-message: true)
- 削除間隔は5〜10分が一般的
Entity Limiterは、特定エリア内のエンティティ数を制限するプラグインです。動物の過剰繁殖やモブファーム周辺の処理負荷を防ぎます。
チャンク管理プラグイン
Chunkyは、ワールドの事前生成を効率的に行うプラグインで、プレイヤーが未生成チャンクを探索する際の負荷スパイクを防ぎます。
/chunky world world
/chunky radius 5000
/chunky start
事前生成により、探索中のチャンク生成による急激なTPS低下を回避できます。1万ブロック四方程度を事前生成しておくことが推奨されます。
ChunkMasterも同様の機能を持ち、マルチワールドに対応しています。
パフォーマンス監視プラグイン
Sparkは前述の通り、最も詳細なプロファイリングが可能なプラグインです。定期的に分析を行い、負荷の原因を特定することが重要です。
LagMonitorは、リアルタイムでTPSを監視し、設定値を下回った際に管理者にアラートを送信します。問題発生時の状況を自動記録する機能もあり、原因究明に役立ちます。
エンティティ最適化の実践
モブ上限の設定
大量のモブは、AI処理によってTPSを大幅に低下させます。bukkit.ymlファイルでモブの種類別上限を設定できます。
Copyspawn-limits:
monsters: 50
animals: 10
water-animals: 5
water-ambient: 10
water-underground-creature: 5
axolotls: 5
ambient: 10
推奨値:
- monsters(敵対モブ):50(デフォルト70)
- animals(動物):10(デフォルト10)
- water-animals(イルカ、イカなど):5(デフォルト5)
エンティティ追跡範囲の調整
spigot.ymlで、各エンティティの同期範囲(プレイヤーに情報を送信する距離)を調整できます。
Copyentity-tracking-range:
players: 48
animals: 32
monsters: 48
misc: 16
display: 64
other: 32
追跡範囲を縮小することで、ネットワーク帯域とサーバーの処理負荷が軽減されます。
エンティティアクティベーション範囲
spigot.ymlのentity-activation-range設定は、エンティティのAI処理を行う範囲を制限します。
Copyentity-activation-range:
animals: 16
monsters: 24
raiders: 48
misc: 8
water: 8
villagers: 16
flying-monsters: 48
この範囲外にいるエンティティは、AI処理がスキップされ、CPU負荷が大幅に削減されます。
レッドストーン回路の最適化
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マインクラフト レッドストーン 重い 最適化 ホッパー
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ホッパーの最適化
ホッパーは、常にアイテムの搬入・搬出処理を実行するため、大量に使用するとTPS低下の主要因となります。
Paper/Purpurでのホッパー最適化設定(paper-world-defaults.yml):
Copyhopper:
cooldown-when-full: true
disable-move-event: false
ignore-occluding-blocks: false
cooldown-when-fullを有効にすると、ホッパーが満杯の場合に処理をスキップし、負荷を軽減します。
使用しないホッパーはレッドストーン信号で停止: ホッパーにレッドストーン信号を送ることで動作を停止できます。自動装置を使用しない時間帯は、レバーやボタンで停止させることが推奨されます。
クロック回路の見直し
高速クロック回路は、毎ティック処理を発生させるため、TPS低下の原因となります。
負荷が高い回路:
- 観察者ブロックを使った高速クロック(1ティック間隔)
- ホッパークロック(アイテム移動による高負荷)
推奨される代替手段:
- レッドストーンコンパレーターとリピーターを使った低速クロック
- 日照センサーを使った時間制御
- 必要な時だけ動作するボタン式トリガー
レッドストーン回路の配置最適化
複雑な回路は、1箇所に集中させず、複数のチャンクに分散配置することで、処理負荷を分散できます。また、使用頻度の低い装置は、プレイヤーがいない時は自動的に停止するよう設計することが理想的です。
ワールド管理とチャンク最適化
不要チャンクの削除
長期間運用しているサーバーでは、未使用の遠方チャンクが蓄積し、ワールドファイルが肥大化します。
WorldBorderプラグインで活動範囲を制限:
/worldborder center 0 0
/worldborder set 10000
/worldborder fill
範囲外のチャンクを削除するには、MCASelectorなどの外部ツールを使用します。これにより、ワールドサイズが数GB削減され、バックアップやロード時間が改善されます。
チャンクローディングの最適化
spigot.ymlでチャンクの読み込み速度を調整できます。
Copyworld-settings:
default:
merge-radius:
item: 3.5
exp: 4.0
item-despawn-rate: 6000
arrow-despawn-rate: 1200
trident-despawn-rate: 1200
merge-radiusは、近接するアイテムやエクスペリエンスオーブを統合する範囲です。値を大きくすることで、エンティティ数が削減されます。
despawn-rateは、アイテムやプロジェクタイルの消失速度です。デフォルトより短く設定することで、不要なエンティティが早期に削除されます。
マインクラフトTPS最適化に関する参考動画
マインクラフトサーバーのTPS最適化について、視覚的に理解しやすい動画を紹介します。
この動画では、マインクラフトで負荷が大きいブロックの検証を行っており、どの要素がサーバーTPS低下の原因となるかを実測データで解説しています。サーバー管理者として、避けるべきブロックや配置方法を学ぶことができます。
メモリ割り当ての基本を解説した動画で、起動スクリプトの作成方法が初心者にもわかりやすく説明されています。
比較表:主要な最適化手法の効果
| 最適化手法 | TPS改善効果 | 実装難易度 | プレイ体験への影響 | コスト | 推奨優先度 |
|---|---|---|---|---|---|
| view-distance削減(10→7) | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | 小 | 無料 | 最優先 |
| simulation-distance設定(10→4) | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | 中 | 無料 | 最優先 |
| PaperまたはPurpurへ移行 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | なし | 無料 | 最優先 |
| JVMフラグ最適化 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | なし | 無料 | 高 |
| ClearLagプラグイン導入 | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | 小 | 無料 | 高 |
| エンティティ上限設定 | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | 中 | 無料 | 高 |
| チャンク事前生成 | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | なし | 無料 | 中 |
| ホッパー最適化設定 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | 小 | 無料 | 中 |
| 不要チャンク削除 | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ | なし | 無料 | 低 |
| 高性能VPSへ移行 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | なし | 有料 | 状況次第 |
サーバー診断で最適な環境を見つける
マインクラフトサーバーのTPS最適化を進める上で、どれだけ設定を調整しても、ハードウェア性能が不足していれば根本的な解決にはなりません。特に20人以上の同時接続を想定する場合、高性能なVPSの選択が必要不可欠です。
自分のサーバー規模や用途に最適なサーバーを選ぶには、サーバー比較診断サイトの活用がおすすめです。プレイヤー数、想定するワールドサイズ、使用するプラグイン数などを入力することで、最適なサーバープランを提案してもらえます。
マインクラフトに最適なVPS・レンタルサーバー
設定による最適化も重要ですが、サーバーのハードウェア性能がTPS維持の土台となります。ここでは、マインクラフトサーバー運用に適したVPSとレンタルサーバーを紹介します。
ゲーム特化型VPS
ConoHa for GAMEは、マインクラフトサーバーに完全最適化されたゲーム専用VPSです。管理画面から数クリックでPaper、Spigot、Forge、Fabricなどの各種サーバーをインストールでき、テンプレートも豊富に用意されています。時間課金制(1時間単位)のため、短期イベントやテストプレイに最適です。プランは2GB~64GBまで幅広く、プレイヤー数に応じて柔軟にスケールできます。自動バックアップ機能も標準搭載されており、初心者でも安心して運用できます。
公式サイト:ConoHa for GAME
XServer VPS for Gameは、エックスサーバー株式会社が提供するゲーム特化型VPSです。AMD EPYC™プロセッサーと高速NVMe SSDを採用し、高いシングルスレッド性能でマインクラフトのTPS維持に優れています。マインクラフト専用のテンプレートが用意されており、申し込みから数分でサーバーが起動します。4GBプランで月額2,200円から、8GBプランで月額4,400円からと、コストパフォーマンスにも優れています。国内データセンター運用で低レイテンシを実現し、日本語サポートも充実しています。
公式サイト:XServer VPS for Game
LOLIPOP! for Gamersは、ロリポップが提供するゲーム専用レンタルサーバーで、マインクラフトをはじめとする各種ゲームサーバーのテンプレートを用意しています。管理画面が直感的で、初めてサーバーを立てる方にも優しい設計です。月額料金制で安定したコスト管理が可能で、長期運用に適しています。自動バックアップやセキュリティ対策も標準装備されており、安心して運用できます。
公式サイト:LOLIPOP! for Gamers
汎用性の高いVPSサービス
XServer VPSは、ゲーム専用ではないものの、高性能なハードウェアと柔軟なカスタマイズ性が魅力です。root権限が提供されるため、上級者が細かなチューニングを行う場合に最適です。2GBプランで月額830円から、4GBプランで月額1,700円からと、低価格帯から始められます。マインクラフト以外の用途(Webサーバー、開発環境など)との併用も可能です。
公式サイト:XServer VPS
ConoHa VPSは、時間課金と月額課金を選べる柔軟な料金体系が特徴です。SSD標準搭載で、初期費用無料、すぐに使い始められます。マインクラフトのテンプレートも用意されており、ゲーム用途にも十分対応できます。2GBプランで時間課金2.5円/時、月額課金751円からとリーズナブルです。APIによる自動化にも対応しており、複数サーバーの管理にも便利です。
公式サイト:ConoHa VPS
シンVPSは、エックスサーバー株式会社が提供する新しいVPSサービスで、コストパフォーマンスに優れています。最新のハードウェア構成で、マインクラフトサーバーを快適に動作させることができます。512MBプランで月額620円から、2GBプランで月額820円からと、国内VPSの中でも特に低価格です。小規模サーバーや個人運用に最適な選択肢です。
公式サイト:シンVPS
さくら VPSは、長年の実績を持つ国内大手VPSプロバイダーです。512MBの低価格プランから選べ、小規模なマインクラフトサーバーを試験的に運用したい場合に適しています。サポート体制も充実しており、トラブル時の対応も安心です。2GBプランで月額1,738円から、4GBプランで月額3,520円からとなっています。法人利用実績も豊富で、信頼性の高いサービスです。
公式サイト:さくら VPS
大規模サーバー向けの選択肢
KAGOYA CLOUD VPSは、法人向けにも強いカゴヤが提供するVPSサービスで、高い稼働率と安定性が魅力です。マインクラフトサーバーを長期運用する場合、信頼性重視で選ぶならおすすめです。1GBプランで月額550円から、4GBプランで月額1,540円からと、価格帯も幅広く設定されています。24時間365日の電話サポートがあり、初心者でも安心です。
公式サイト:KAGOYA CLOUD VPS
ConoHa for Windows Serverは、WindowsベースのマインクラフトサーバーやMODサーバーを運用したい場合に最適です。Windowsライセンス込みの料金設定で、追加費用なしで利用できます。リモートデスクトップで直感的に操作でき、Windows環境でのMOD開発やテストにも便利です。
公式サイト:ConoHa for Windows Server
サーバー選びの重要ポイント
マインクラフトサーバーを選ぶ際は、以下の要素を総合的に判断しましょう。
- CPU性能:シングルスレッド性能が高いほどTPS維持に有利(AMD EPYC、Intel Xeon推奨)
- メモリ容量:プレイヤー10人で4GB、30人で8GB、50人以上で16GB程度が目安
- ストレージ種類:NVMe SSD > SATA SSD > HDD の順で推奨(チャンク読み込み速度に影響)
- ネットワーク帯域:同時接続数が多い場合は帯域保証型が安心(100Mbps以上推奨)
- サポート体制:初心者は日本語サポートが充実したサービスを選ぶ
- 料金体系:短期イベントなら時間課金、長期運用なら月額課金が経済的
最適なサーバーを選ぶための診断ツールとして、サーバー比較診断サイトを活用すると、利用目的やプレイヤー数に応じた最適なサーバーを簡単に見つけることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. TPSが15以下に低下する主な原因は何ですか?
TPSが15以下に低下する最も一般的な原因は、大量のエンティティ(ドロップアイテム、モブ、額縁、防具立てなど)の存在です。特にモブファームやアイテム自動回収装置周辺で顕著に現れます。次いで、複雑なレッドストーン回路、特にホッパーを多用した自動装置や高速クロック回路が問題となります。チャンク読み込み範囲が広すぎる設定や、最適化されていないプラグイン、サーバースペック不足も原因となります。TimingsやSparkプラグインで詳細な原因を特定し、ClearLagによるエンティティ削除、view-distanceの調整、問題のあるプラグインの見直しを行うことで改善できます。
Q2. view-distanceとsimulation-distanceはどう設定すべきですか?
view-distanceは7、simulation-distanceは4に設定することを強く推奨します。view-distanceをデフォルトの10から7に変更すると、処理するチャンク数が約50%削減され、メモリ使用量とCPU負荷が劇的に改善します。実測では、20人規模のサーバーでTPSが13から18に改善したケースがあります。simulation-distanceは、モブAIやレッドストーン処理が実行される範囲で、4に設定することで遠方チャンクは表示するが処理しないという効率的な運用が可能です。プレイヤーからの見た目の変化は最小限で、探索やPvPにもほとんど影響しません。
Q3. PaperとSpigotの違いは?移行すべきですか?
Paperは、Spigotをベースに大幅な最適化を施したサーバーソフトウェアで、完全なSpigot互換性を保ちながら、チャンク読み込み、エンティティ処理、レッドストーン最適化などが大幅に改善されています。同じプラグインとワールドデータを使用しながら、平均で20〜40%のパフォーマンス向上が期待できます。移行は強く推奨され、作業も簡単でserver.jarファイルをPaperのjarファイルに差し替えるだけで完了します。さらに高性能を求める場合は、Paperをベースに追加最適化を施したPurpurも選択肢となります。
Q4. メモリは多ければ多いほど良いですか?
いいえ、メモリの過剰割り当ては逆効果です。Javaのガベージコレクション処理時間が増加し、定期的なラグスパイク(一時的なTPS低下)を引き起こします。適切なメモリ容量は、プレイヤー10人程度なら4GB、30人程度なら8GB、50人以上でも16GB程度が上限です。それ以上割り当てても効果は薄く、むしろ悪影響が出ます。重要なのは適切なJVMフラグ設定で、G1GCガベージコレクターの使用と、XmsとXmxを同じ値に設定することで安定したパフォーマンスが得られます。
Q5. ホッパーがサーバーに与える負荷はどの程度ですか?
ホッパーは、常にアイテムの搬入・搬出処理を実行するため、大量に使用するとTPS低下の主要因となります。100個のホッパーが常時稼働している状態では、2〜3TPSの低下が観測されることもあります。対策として、Paper/Purpurのcooldown-when-full設定を有効にすることで、満杯時の処理をスキップできます。また、使用しないホッパーはレッドストーン信号で停止させる、ホッパー付きトロッコは使用後チェストに格納する、アイテムソーター は最小限の設計にするなどの工夫が効果的です。
まとめ
マインクラフトのTPS最適化は、快適なマルチプレイ環境を実現するための必須作業です。本記事で紹介したserver.propertiesの設定調整、PaperまたはPurpurへの移行、ClearLagなどの最適化プラグイン導入、エンティティとレッドストーン回路の管理を組み合わせることで、20TPSに近い安定したパフォーマンスを達成できます。
特に重要なのは、view-distanceを7、simulation-distanceを4に設定する基本設定の見直しです。この変更だけで、多くのサーバーが劇的に改善します。定期的にTimingsやSparkでパフォーマンスレポートを確認し、問題箇所を早期発見・対処することが長期安定運用の鍵となります。
また、ソフトウェア的な最適化だけでなく、高性能なVPSの選択も重要です。ConoHa for GAMEやXServer VPS for Gameなど、マインクラフトに最適化されたサーバーを活用することで、より快適な環境を構築できます。サーバー比較診断で自分の運用規模に合ったサーバーを見つけ、最適化テクニックと組み合わせることで、最高のマインクラフト体験を提供しましょう。

