冒頭の直接回答
ARK Survival Evolvedのクラスターサーバーは、複数のマップ間でキャラクター・アイテム・恐竜を自由に転送できるサーバー構成で、同じクラスターIDと共有ディレクトリを設定することで構築できます。2025年現在、レンタルサーバーを利用すれば月額830円程度から本格的なクラスター環境を運用可能です。
要点
- クラスターサーバーは複数マップ間での自由な移動が可能
- 同じクラスターIDと共有ディレクトリが設定の核心
- レンタルサーバーなら専門知識なしでも構築可能
- 2025年現在、ARK: Survival Ascended(ASA)にも対応
- 適切な設定により安定した24時間運用が実現
ARKクラスターサーバーとは
クラスターサーバーの概要
ARK Survival Evolvedのクラスターサーバーは、複数のマップサーバーを連携させて、プレイヤーがマップ間を自由に移動できるシステムです。The Island、Scorched Earth、Aberration、Extinction、Genesis、Fjordur、Lost Islandなど、各マップの特色を活かしながら統一されたゲーム体験を提供します。
主な特徴
- マップ間キャラクター転送:レベルや経験値を維持したまま移動
- アイテム・装備の持ち運び:希少な素材や装備品の共有
- 恐竜の転送:テイムした恐竜を他のマップに移動
- 統一プログレッション:全マップで一貫したゲーム進行
2025年最新対応状況
ARK: Survival Ascended(ASA)
- Unreal Engine 5による完全リメイク版
- 改良されたクラスター機能
- より高いシステム要件が必要
- 新しいMODシステム(CurseForgeベース)
ARK: Survival Evolved(ASE)
- 従来版として継続サポート
- Steam Workshop MOD対応
- 安定した長期運用実績
- 比較的低いシステム要件
システム要件と準備
2025年最新システム要件
項目 | ASE 最小要件 | ASE 推奨要件 | ASA 最小要件 | ASA 推奨要件 |
---|---|---|---|---|
CPU | Intel i5-4670K AMD Ryzen 5 1500X | Intel i7-10700K AMD Ryzen 7 3700X | Intel i7-9700K AMD Ryzen 5 3600X | Intel i7-12700 AMD Ryzen 7 5800X |
メモリ | 16GB | 32GB | 32GB | 64GB |
GPU | GTX 1060 6GB | RTX 3060 12GB | RTX 2070 8GB | RTX 4060 Ti 16GB |
ストレージ | 300GB SSD | 500GB NVMe SSD | 500GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD |
ネットワーク | 100Mbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
ネットワーク設定要件
必要なポート設定(マップごと)
ポート | プロトコル | 用途 | 設定例 |
---|---|---|---|
7777+ | UDP | ゲーム通信 | Map1:7777, Map2:7779 |
7778+ | UDP | Raw UDP | Map1:7778, Map2:7780 |
27015+ | TCP | RCON管理 | Map1:27015, Map2:27017 |
27016+ | TCP | Steam Query | Map1:27016, Map2:27018 |
ポート開放例(Windows)
Copynetsh advfirewall firewall add rule name="ARK-Map1-Game" dir=in action=allow protocol=UDP localport=7777
netsh advfirewall firewall add rule name="ARK-Map1-Raw" dir=in action=allow protocol=UDP localport=7778
netsh advfirewall firewall add rule name="ARK-Map1-RCON" dir=in action=allow protocol=TCP localport=27015
レンタルサーバーでの構築方法
推奨レンタルサーバーの選択
2025年の傾向
- ARK専用テンプレート提供
- 自動MOD管理機能
- 24時間日本語サポート
- クラスター設定支援
XServer VPS for Game
主な特徴
- 月額830円からの低価格設定
- 高速NVMe SSD標準搭載
- ARK専用テンプレート提供
- 自動バックアップ機能
- 24時間365日日本語サポート
料金プラン(2025年9月現在)
- 2GBプラン:月額830円(4vCPU、50GB SSD)
- 4GBプラン:月額1,700円(5vCPU、100GB SSD)
- 8GBプラン:月額3,201円(6vCPU、100GB SSD)
ConoHa for GAME
主な特徴
- 時間課金制による柔軟な運用
- 最短25秒でサーバー構築
- 豊富なゲームテンプレート
- 直感的な管理画面
料金プラン(2025年9月現在)
- 2GBプラン:月額1,065円(時間2.2円)
- 4GBプラン:月額2,033円(時間4.2円)
- 8GBプラン:月額4,840円(時間10.1円)
具体的な設定手順
ステップ1:サーバー契約とセットアップ
- レンタルサーバーでARKテンプレートを選択
- 必要なマップ数分のサーバーを契約
- 基本設定(サーバー名、パスワード)を入力
ステップ2:クラスター設定
- 管理画面からクラスター機能を有効化
- 同じクラスターIDを全サーバーに設定
- 転送設定(キャラクター、アイテム、恐竜)を調整
ステップ3:接続テスト
- 各マップサーバーに個別接続して動作確認
- マップ間転送機能のテスト実行
- プレイヤー招待とアクセス権設定
個人サーバーでの構築方法
ARK Server Managerを使用した設定
必要なファイルのダウンロード
- ARK Server ManagerからASMをダウンロード
- 管理者権限で実行してSteamCMDを自動インストール
- 複数のサーバープロファイルを作成
クラスター設定の手順
クラスターディレクトリ作成:
C:\ARK_Cluster\
├── Cluster\
│ ├── ServerTransferInventory\
│ ├── ServerTransferTributes\
│ └── ServerTransferDinos\
├── TheIsland\
├── ScorchedEarth\
└── Aberration\
起動パラメータの設定
Copy共通設定:
-server -log -crossplay
-NoTransferFromFiltering
-ClusterDirOverride=C:/ARK_Cluster/Cluster
-ClusterId=MyCluster2025
各マップ別設定:
TheIsland: -Port=7777 -QueryPort=27015
ScorchedEarth: -Port=7779 -QueryPort=27017
Aberration: -Port=7781 -QueryPort=27019
ASA (Survival Ascended) 専用設定
追加パラメータ(ASA用)
Copy[ServerSettings]
EnableCrossServerTravel=True
UseClusterStorage=True
ClusterStorageMaxItems=300
ClusterStorageMaxDinos=50
NewClusterSystem=True
INIファイル設定とカスタマイズ
GameUserSettings.ini の重要設定
Copy[SessionSettings]
SessionName=MyCluster2025
MaxPlayers=70
ServerPVE=False
NoTributeDownloads=False
PreventDownloadSurvivors=False
PreventDownloadItems=False
PreventDownloadDinos=False
# クラスター設定
ClusterDirOverride=C:/ARK_Cluster/Cluster
ClusterId=MyCluster2025
NoTransferFromFiltering=True
CrossARKAllowForeignDinoDownloads=True
# ASA用追加設定
EnableCrossServerTravel=True
UseClusterStorage=True
ClusterStorageMaxItems=300
ClusterStorageMaxDinos=50
Game.ini のパフォーマンス最適化
Copy[/Script/Engine.GarbageCollectionSettings]
# メモリ最適化(2025年版)
gc.MaxObjectsNotConsideredByGC=1
gc.MaxObjectsInGCCluster=0
gc.AllowParallelGC=1
gc.MultithreadedDestructionEnabled=1
[ServerSettings]
# パフォーマンス最適化
bUseBPClassAndLevel=true
bForceCanRideFlyers=false
bAllowPlatformSaddleMultiFloors=true
MaxStructuresInRange=13000
TheMaxStructuresInRange=13000
# ASA対応設定
EnableParallelCharacterMovementReplication=true
EnableParallelCharacterTickFunction=true
UseVSync=false
転送制限の詳細設定
設定項目 | パラメータ | 推奨値 | 説明 |
---|---|---|---|
キャラクター転送 | PreventDownloadSurvivors | false | キャラクター転送を許可 |
アイテム転送 | PreventDownloadItems | false | アイテム転送を許可 |
恐竜転送 | PreventDownloadDinos | false | 恐竜転送を許可 |
転送期限 | TributeCharacterExpirationSeconds | 86400 | 24時間の転送期限 |
最大アイテム数 | MaxTributeItems | 100 | 同時転送可能アイテム数 |
パフォーマンス最適化とメンテナンス
2025年推奨パフォーマンス設定
メモリ使用量最適化
Copy# ASE用設定
ResourcesRespawnPeriodMultiplier=1.0
DinoCountMultiplier=1.0
MaxPlatformSaddleStructureLimit=100
# ASA用設定(2025年追加)
bUseOptimizedHarvestingHealth=true
EnableFastDecayUnsnappedCoreStructures=true
定期メンテナンススケジュール
周期 | 作業内容 | 所要時間 |
---|---|---|
日次 | ログファイル確認、リソース監視 | 5分 |
週次 | バックアップ実行、MOD更新確認 | 30分 |
月次 | サーバー再起動、設定最適化 | 1時間 |
四半期 | ハードウェア診断、大規模アップデート | 半日 |
監視すべき指標(2025年版)
項目 | ASE正常値 | ASA正常値 | 警告しきい値 |
---|---|---|---|
CPU使用率 | < 60% | < 70% | > 85% |
メモリ使用率 | < 70% | < 80% | > 90% |
ディスクI/O | < 80% | < 85% | > 95% |
ネットワーク遅延 | < 50ms | < 100ms | > 200ms |
よくある質問(FAQ)
Q1. クラスターサーバーの設定が上手くいかない場合は?
最も多い原因はクラスターIDの不一致とディレクトリパスの設定ミスです。全サーバーで同じクラスターIDを使用し、クラスターディレクトリが全サーバーからアクセス可能な場所に配置されていることを確認してください。また、2025年現在はASA用の新しい設定パラメータ(EnableCrossServerTravel=True
)の追加も必要です。
Q2. ASEとASAのクラスター設定の違いは?
ASA(Survival Ascended)では従来のクラスター設定に加えて、新しいパラメータが必要です。EnableCrossServerTravel=True
、UseClusterStorage=True
、NewClusterSystem=True
などの設定を追加し、より高性能なハードウェア(32GB以上のRAM推奨)が必要になります。また、MODシステムも一新されているため、既存のSteam Workshop MODは使用できません。
Q3. レンタルサーバーと個人サーバー、どちらがおすすめ?
初心者や中小規模の運用にはレンタルサーバーをおすすめします。月額830~3,000円程度で24時間安定稼働し、自動バックアップやサポートも受けられます。個人サーバーは初期費用は安いですが、電気代、メンテナンス、トラブル対応などを考慮すると、年間コストはレンタルサーバーと大差ありません。
Q4. 何人程度のプレイヤーまで対応できますか?
サーバースペックにより異なりますが、2025年現在の推奨構成では:
- 4GBメモリ:5~10人程度(ASE)、3~6人程度(ASA)
- 8GBメモリ:10~20人程度(ASE)、7~14人程度(ASA)
- 16GBメモリ:20~40人程度(ASE)、14~28人程度(ASA)
ASAの場合は要求スペックが高いため、同じハードウェアでも収容人数は約30%減少します。MODの使用により更に負荷が増加するため、余裕を持った設計が重要です。
Q5. クラスター運用でのバックアップはどうすれば?
最低でも日次バックアップを推奨します。特にクラスターディレクトリ(キャラクターやアイテムの転送データ)は最重要です。レンタルサーバーの自動バックアップ機能を活用し、加えて手動でのローカルバックアップも実施してください。大規模アップデート前は必ず完全バックアップを取ることが重要です。
サーバー比較表(2025年9月版)
サービス | 最安プラン | 推奨プラン | 初期費用 | 特徴 | ARK対応度 |
---|---|---|---|---|---|
XServer VPS for Game | 830円/月(2GB) | 3,201円/月(8GB) | 無料 | 日本語サポート充実 | ★★★★★ |
ConoHa for GAME | 1,065円/月(2GB) | 4,840円/月(8GB) | 無料 | 時間課金制 | ★★★★☆ |
さくらのVPS | 1,594円/月(1GB) | 4,290円/月(8GB) | 無料 | 老舗の安定性 | ★★★☆☆ |
KAGOYA CLOUD VPS | 1,540円/月(1GB) | 3,300円/月(8GB) | 無料 | 高稼働率保証 | ★★★☆☆ |
まとめ
ARK Survival Evolvedのクラスターサーバー設定は、適切な知識と準備があれば決して難しくありません。2025年現在、レンタルサーバーの性能向上と専用機能により、個人でも本格的なクラスター環境を手軽に構築できるようになりました。
今すぐ始められる行動
- レンタルサーバーの無料お試しを申込
- 基本的なクラスター設定を実践
- 友人を招待してマルチプレイを楽しむ
初心者の方はレンタルサーバーから始めて、経験を積んでから個人サーバーの構築に挑戦することをおすすめします。ARKの世界をより深く楽しむため、ぜひクラスターサーバーの導入を検討してみてください。
参考資料・出典
- ARK Official Community Wiki – Server Configuration
- XServer VPS for Game 公式サイト
- ConoHa for GAME 公式サイト
- Steam – ARK: Survival Ascended
※免責事項 本記事は2025年9月1日時点の情報に基づいています。サーバー仕様や料金は予告なく変更される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。