Terraria TShock 自動バックアップ設定の完全ガイド
プレイヤーの貴重なデータを確実に保護する堅牢なバックアップシステム
Terrariaサーバーの運営において、プレイヤーの建築物や進行状況を守るために最も重要な作業の一つがバックアップです。特にTShockサーバーでは、プレイヤーデータやワールドデータの損失は致命的な問題となります。本記事では、自動バックアップシステムの構築方法から、おすすめのサーバー選択まで詳しく解説いたします。
TShockサーバーにおけるバックアップの重要性
TShock(Terraria Server Host)は、Terrariaの専用サーバーソフトウェアで、豊富な管理機能と拡張性を提供します。しかし、サーバーが停止したり、データが破損したりした際に、適切なバックアップがなければ数百時間の作業が水の泡になってしまいます。
バックアップが必要なデータ
-
ワールドファイル(.wld) -
プレイヤーファイル(.plr) -
TShockの設定ファイル(config.json) -
データベースファイル(tshock.sqlite) -
プラグインファイル
自動バックアップシステムの構築
cronを使用したスケジュール設定
Linuxサーバーでは、cronを使用して定期的なバックアップを実行できます。以下のコマンドでcronの設定を行います:
基本的なcron設定例:
0 3 * * * /home/terraria/backup_script.sh
# 6時間ごとにバックアップを実行
0 */6 * * * /home/terraria/backup_script.sh
# 毎週日曜日の午前2時にフルバックアップを実行
0 2 * * 0 /home/terraria/full_backup_script.sh
バックアップスクリプトの作成
効率的なバックアップを行うためのシェルスクリプトを作成します:
# TShockサーバーのパス
TSHOCK_PATH=”/home/terraria/tshock”
BACKUP_PATH=”/home/terraria/backups”
DATE=$(date +%Y%m%d_%H%M%S)
# バックアップディレクトリの作成
mkdir -p $BACKUP_PATH/$DATE
# TShockサーバーの停止
pkill -f TerrariaServer
# ファイルのコピー
cp -r $TSHOCK_PATH/ServerPlugins $BACKUP_PATH/$DATE/
cp -r $TSHOCK_PATH/tshock $BACKUP_PATH/$DATE/
cp $TSHOCK_PATH/*.wld $BACKUP_PATH/$DATE/
cp $TSHOCK_PATH/*.plr $BACKUP_PATH/$DATE/
# 圧縮
cd $BACKUP_PATH
tar -czf backup_$DATE.tar.gz $DATE/
rm -rf $DATE/
# TShockサーバーの再起動
cd $TSHOCK_PATH
./TerrariaServer.exe -config config.txt &
# 古いバックアップの削除(30日以上)
find $BACKUP_PATH -name “backup_*.tar.gz” -mtime +30 -delete
echo “バックアップ完了: backup_$DATE.tar.gz”
クラウドストレージへの自動アップロード
rcloneを使用したAmazon S3連携
rcloneは様々なクラウドストレージサービスと連携できる強力なツールです。Amazon S3との連携設定を行います:
curl https://rclone.org/install.sh | sudo bash
# S3の設定
rclone config
# 設定例
n) New remote
name> s3backup
Storage> s3
provider> AWS
access_key_id> YOUR_ACCESS_KEY
secret_access_key> YOUR_SECRET_KEY
region> ap-northeast-1
バックアップをS3にアップロードするスクリプト:
BACKUP_PATH=”/home/terraria/backups”
DATE=$(date +%Y%m%d_%H%M%S)
S3_BUCKET=”terraria-backups”
# バックアップファイルをS3にアップロード
rclone copy $BACKUP_PATH/backup_$DATE.tar.gz s3backup:$S3_BUCKET/
# アップロード成功確認
if [ $? -eq 0 ]; then
echo “S3アップロード成功: backup_$DATE.tar.gz”
# ローカルファイルの削除(オプション)
rm $BACKUP_PATH/backup_$DATE.tar.gz
else
echo “S3アップロード失敗”
fi
その他のクラウドストレージ連携
サービス | rclone設定名 | 特徴 | 推奨用途 |
---|---|---|---|
Amazon S3 | s3 | 高い可用性と耐久性 | 大容量バックアップ |
Google Drive | drive | 15GB無料枠 | 小規模サーバー |
Dropbox | dropbox | 簡単な共有機能 | チーム運営 |
OneDrive | onedrive | Microsoft統合 | Office環境 |
バックアップの復元手順
緊急時の復元作業
データ損失が発生した場合の復元手順を確認しておきましょう:
- TShockサーバーの停止
- 破損したファイルの確認
- 最新のバックアップファイルの取得
- ファイルの展開と配置
- 権限の設定
- サーバーの再起動
# 1. サーバー停止
pkill -f TerrariaServer
# 2. バックアップファイルの展開
cd /home/terraria/backups
tar -xzf backup_20250115_030000.tar.gz
# 3. ファイルの復元
cp -r backup_20250115_030000/* /home/terraria/tshock/
# 4. 権限の設定
chown -R terraria:terraria /home/terraria/tshock/
chmod +x /home/terraria/tshock/TerrariaServer.exe
# 5. サーバー再起動
cd /home/terraria/tshock
./TerrariaServer.exe -config config.txt &
TShockサーバーに最適なレンタルサーバー比較
Terrariaサーバーを安定して運用するには、適切なサーバー環境の選択が重要です。以下に、TShockサーバーに最適なレンタルサーバーを比較検討します。

ConoHa for GAME
ゲーム特化型サーバー
プラン比較
550円/月
980円/月
1,750円/月
特徴
- TShockワンクリック構築
- 自動バックアップ標準搭載
- 管理画面から簡単操作
- 24時間365日サポート

さくらのVPS
高性能・高コスパ
プラン比較
590円/月
980円/月
1,780円/月
特徴
- 高いコストパフォーマンス
- 豊富なOS選択肢
- スケールアップが容易
- 国内データセンター

Xserver VPS
高性能・安定性重視
プラン比較
830円/月
1,700円/月
3,201円/月
特徴
- 高性能CPU(Intel Xeon)
- オールSSD構成
- 10Gbps回線
- 99.99%の稼働率保証
バックアップ運用のベストプラクティス
3-2-1ルールの適用
データバックアップの基本原則である3-2-1ルールをTShockサーバーに適用します:
-
3つのコピー:オリジナル + 2つのバックアップ -
2つの異なるメディア:ローカルディスク + クラウドストレージ -
1つのオフサイト:遠隔地(クラウド)でのバックアップ
バックアップの世代管理
バックアップ種類 | 頻度 | 保存期間 | 保存場所 |
---|---|---|---|
デイリーバックアップ | 毎日 | 7日間 | ローカル |
ウィークリーバックアップ | 毎週 | 4週間 | クラウド |
マンスリーバックアップ | 毎月 | 12ヶ月 | クラウド |
アーカイブバックアップ | 年1回 | 永続 | 複数クラウド |
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
Q: バックアップスクリプトが実行されない
A: 以下の点を確認してください:
- スクリプトファイルの実行権限(chmod +x)
- cronの設定が正しいか(crontab -l で確認)
- スクリプト内のパスが正しいか
- ログファイルでエラーを確認
Q: バックアップファイルが大きすぎる
A: 以下の最適化を実施してください:
- 不要なログファイルの削除
- 圧縮率の高いアルゴリズム(gzip -9)の使用
- 差分バックアップの実装
- 古いバックアップファイルの自動削除
Q: サーバー停止中にプレイヤーが接続できない
A: 以下の対策を検討してください:
- バックアップ時間を深夜に設定
- プレイヤーへの事前通知
- ホットバックアップの実装
- バックアップ時間の短縮
Q: クラウドストレージの容量が不足する
A: 以下の管理策を実施してください:
- 世代管理による自動削除
- 圧縮率の改善
- 不要なファイルの除外
- 複数のクラウドサービスの使い分け
まとめ
TShockサーバーの自動バックアップシステムは、プレイヤーの貴重なデータを守るために欠かせない仕組みです。cronを使用したスケジュール実行、rcloneによるクラウド連携、そして適切な世代管理により、堅牢なバックアップ体制を構築することができます。
サーバー選びでは、初心者にはConoHa for GAMEのような専用サービス、上級者にはさくらのVPSやXserver VPSのような自由度の高いサービスがおすすめです。自分のスキルレベルと予算に応じて、最適なサーバーを選択しましょう。
重要:
バックアップシステムを構築した後は、定期的に復元テストを実施し、実際にデータが正常に復元できることを確認してください。
※本記事は2025年7月時点の情報に基づいて執筆されています。内容の正確性には万全を期していますが、最新情報は各公式サイトをご確認ください。