冒頭の直接回答
マイクラサーバーの運用では、rcloneを使った自動バックアップとストレージ管理が重要です。rcloneは多数のクラウドストレージに対応し、cronで毎日決まった時間にバックアップを取得できます。ストレージ最適化では、ワールド境界(ワールドボーダー)によるサイズ制御、MCA Selector等での不要チャンク整理、SSD/HDDの役割分担が効果的です。
要点
- rclone+cronでクラウドへの自動バックアップ運用を構築
- ワールド境界(ワールドボーダー)設定+不要データ削除でワールド肥大化を抑制
- メモリは「人数」だけでなくバージョン/描画距離/プラグイン・MOD量で変動(監視しながら調整)
- VPS選びは運用のしやすさ(管理パネル、バックアップ、復元の容易さ)がポイント
- 容量不足対策はバックアップの世代管理(ローテーション)とログ肥大化対策が鍵

なぜ自動バックアップが必要なのか
マイクラサーバー運用で最も重要なのは、大切なワールドデータを守ることです。手動バックアップでは取り忘れが起きやすく、クラッシュや設定ミス、MOD/プラグイン更新の失敗時に直前の状態へ戻せないリスクがあります。
自動バックアップのメリット
データ損失リスクの最小化: サーバークラッシュやMOD/プラグインの競合、プレイヤーの誤操作などでワールドが破損した場合でも、直近のバックアップから復元できます。
運用負担の軽減: 毎日決まった時間に自動実行されるため、管理者が手動でバックアップを取る必要がありません。
クラウド保存で安心: rcloneを使えばクラウドストレージへ自動アップロードでき、サーバー本体(ディスク故障・誤削除等)が起きてもデータを守れます。
rcloneによる自動バックアップ設定
rcloneは多数のクラウドストレージに対応したバックアップ/同期ツールです。コマンドラインで動作するため、VPSでも導入しやすいのが特徴です。
rcloneのインストール
Linux/VPS環境の場合:
curl https://rclone.org/install.sh | sudo bash
インストール後、以下のコマンドでバージョンを確認します。
rclone version
(参考動画・日本語) https://www.youtube.com/embed/Cl9nHFR-gtE
クラウドストレージとの連携設定
rcloneの設定は対話形式で行います。
rclone config
Google Driveの設定例:
n(新規リモート作成)を選択- リモート名を入力(例:
gdrive) - ストレージタイプで
drive(Google Drive)を選択 - クライアントIDとシークレットは、要件がなければ空欄でEnter(デフォルト使用)
- 案内に従って認証(ローカル環境でブラウザ認証、またはヘッドレス認証)
設定が完了したら、接続テストを実行します。
rclone lsd gdrive:
Google Driveのフォルダ一覧が表示されれば成功です。
参考:Rclone公式サイト
バックアップスクリプトの作成
マイクラサーバーのワールドデータを自動バックアップするスクリプトを作成します。稼働中のサーバーを安全にバックアップするには「ワールド保存を確実に完了」させることが重要です(可能であれば、RCON等で保存→バックアップ→保存再開の流れにします)。まずは基本形として、ファイル圧縮+クラウド転送+世代削除の例を示します。
#!/bin/bash
# マイクラ自動バックアップスクリプト
# 設定
SERVER_DIR="/opt/minecraft/world"
BACKUP_DIR="/opt/minecraft/backups"
REMOTE_NAME="gdrive"
REMOTE_PATH="MinecraftBackups"
DATE=$(date +%Y%m%d_%H%M%S)
BACKUP_FILE="world_backup_${DATE}.tar.gz"
# ワールドデータを圧縮
cd /opt/minecraft
tar -czf ${BACKUP_DIR}/${BACKUP_FILE} world/
# クラウドへアップロード
rclone copy ${BACKUP_DIR}/${BACKUP_FILE} ${REMOTE_NAME}:${REMOTE_PATH}/
# ローカルの古いバックアップを削除(7日以上前)
find ${BACKUP_DIR} -name "world_backup_*.tar.gz" -mtime +7 -delete
# クラウドの古いバックアップを削除(14日以上前)
rclone delete ${REMOTE_NAME}:${REMOTE_PATH}/ --min-age 14d
echo "バックアップ完了: ${BACKUP_FILE}"
スクリプトに実行権限を付与します。
chmod +x /opt/minecraft/backup.sh
(補足)より安全に運用する場合は、バックアップ直前に「保存フラッシュ(save-all flush)」を実行できる構成(RCONや運用スクリプト)にすると、復元時の巻き戻り/破損リスクを下げられます。
cronで定期バックアップをスケジュール
cronを使えば、指定した時間に自動的にバックアップスクリプトを実行できます。
cron設定の基本
cronの設定を編集します。
crontab -e
スケジュール設定例
毎日午前3時に実行:
0 3 * * * /opt/minecraft/backup.sh >> /var/log/minecraft_backup.log 2>&1
6時間ごとに実行:
0 */6 * * * /opt/minecraft/backup.sh >> /var/log/minecraft_backup.log 2>&1
毎週日曜日の午前4時に実行:
0 4 * * 0 /opt/minecraft/backup.sh >> /var/log/minecraft_backup.log 2>&1
cron設定の書式は「分 時 日 月 曜日 コマンド」です。
バックアップログの確認
設定が正しく動作しているか確認します。
tail -f /var/log/minecraft_backup.log
2TB HDD最適化テクニック
大容量ストレージを効率的に活用するには、適切な管理が必要です。なお、近年はNVMe/SSDが主流ですが、バックアップ置き場や過去ワールドの保管庫としてHDDを併用する運用は依然として有効です。
SSDとHDDの使い分け
SSD(高速ストレージ)に配置すべきもの:
- 現在プレイ中のワールドデータ
- サーバープログラム本体
- プラグイン/MODファイル
- プレイヤーデータ
HDD(大容量ストレージ)に配置すべきもの:
- バックアップファイル(世代管理して保存)
- アーカイブ用ログ(圧縮・期限削除推奨)
- 使用していない旧ワールド(必要時に移動・保管)
ワールド境界の設定
server.propertiesのmax-world-sizeは、ワールドボーダーの最大サイズを制限する項目です。値は「ブロック数」で、境界の幅は概ねこの値の2倍として扱われます(例:max-world-size=10000なら約20,000×20,000ブロック相当を上限として想定)。
max-world-size=10000
無制限に遠征してワールドが肥大化するのを抑えるため、サーバー方針に合わせて設定しましょう。
MCA Selectorでチャンク管理
MCA Selectorは、リージョン(.mca)を可視化し、不要なチャンクを整理できるツールです。特に長期運用で「行ったきりの遠方」「試掘で荒れた周辺」などを整理すると、容量と負荷の両面で効果が出ます(Java版ワールド向け)。
主な機能:
- リージョン/チャンクの可視化と選択削除
- プレイヤーが訪れていない領域の整理
- 過密チャンクの発見(エンティティ密度の目安確認など)
ダウンロード:MCA Selector GitHub
ストレージ容量管理とワールドサイズ制御
必要なストレージ容量の目安
プレイ人数と使用期間、導入要素(プラグイン・MOD・データパック等)に応じた容量の目安です。長期運用では「ワールド+バックアップ+ログ」で増えやすいため、余裕を持たせてください。
| プレイ規模 | 推奨SSD容量 | 備考 |
|---|---|---|
| 1〜5人(小規模) | 20〜30GB | バニラ/軽量構成、短〜中期向け |
| 6〜15人(中規模) | 50〜80GB | プラグイン少数〜中程度 |
| 20人以上(大規模) | 100〜200GB以上 | 長期運用・遠征多め・プラグイン/Mod多め |
ワールドサイズの確認方法
現在のワールドサイズを確認します。
du -sh /opt/minecraft/world
古いログファイルの削除
ログファイルが肥大化するのを防ぐため、定期的に整理します。運用により保持期間は調整してください。
# 30日以上前のログを削除
find /opt/minecraft/logs -name "*.log.gz" -mtime +30 -delete
メモリ割り当てと最適化
マイクラサーバーのパフォーマンスは、適切なメモリ割り当てと設定最適化で大きく改善します。目安はありますが、描画距離、シミュレーション距離、エンティティ量、導入物(プラグイン/Mod)で必要量は変動するため、実測(TPSやメモリ使用量)を見ながら調整するのが確実です。
必要メモリの目安
| 同時接続人数 | 推奨メモリ容量 | プラン例 |
|---|---|---|
| 1〜4人 | 2〜4GB | バニラ/軽量構成 |
| 5〜10人 | 4〜8GB | プラグイン少数〜中程度 |
| 11〜20人 | 8GB〜 | プラグイン多め/軽量Mod |
| 20人以上 | 16GB〜 | 大規模・重め構成(要監視) |
人数だけで決め打ちせず、TPSやプロファイラ(例:Paperならspark等)で負荷要因を特定して調整してください。
メモリ割り当ての変更方法
起動スクリプト(start.sh)でメモリを指定します。
java -Xms4G -Xmx4G -jar server.jar nogui
-Xms: 初期メモリ(最小)-Xmx: 最大メモリ
サーバー軽量化の設定
server.properties(およびサーバー種別によっては追加設定)で負荷を軽減できます。下記は「まず触りやすい」代表例です。
view-distance=8
simulation-distance=6
entity-broadcast-range-percentage=80
(参考動画・日本語) https://www.youtube.com/embed/Q3nOJKYtsXU
サーバー比較診断
マイクラサーバー選びに迷ったら、専門の比較診断サイトが便利です。
サーバー診断サイト: 条件入力で診断できる比較ページ
このサイトでは、利用人数・予算・MOD対応などの条件から、最適なVPSサービスを診断できます。複数サービスの料金・スペック・機能を一覧比較でき、初心者でも自分に合ったサーバーを見つけられます。
おすすめのマイクラ向けVPSサービス
マイクラサーバー運用に適したVPSサービスを紹介します。料金やキャンペーンは変動するため、最終的には公式の最新表示を確認してください(本記事は2026年1月時点の情報に合わせて文面を更新しています)。
XServer VPS for Game(エックスサーバー VPS for Game)
特徴:
- マイクラ専用の管理ツール「Minecraft Manager」提供
- クリック操作中心で、設定変更・バックアップ等の運用がしやすい
- 自動バックアップ(例:Minecraft Manager側で日次バックアップと世代管理が可能)
- コマンド操作に不慣れでも始めやすい
料金プラン(目安):
- 2GBプラン:表示例 1,496円〜(公式プラン表の表示。契約期間/キャンペーンで変動)
- 4GBプラン:表示例 2,200円〜
- 8GBプラン:表示例(公式プラン表で確認)
こんな人におすすめ: 初めてマイクラサーバーを立てる方、管理画面中心で運用したい方
公式サイト: XServer VPS for Game
(参考動画・日本語) https://www.youtube.com/embed/x7tdy8BNh3I
ConoHa for GAME(コノハ for GAME)
特徴:
- 時間課金と長期割引パスの両方に対応(使い方に合わせて選択)
- Minecraft向けの機能ページが用意され、管理機能がまとまっている
- 自動バックアップは提供形態が複数(VPSの自動バックアップ機能=週次/世代管理、Minecraft管理機能側で保持数を変更できる案内など)
- サポート情報が比較的充実
料金プラン(目安):
- 2GB/4GB/8GBは契約方式(時間課金 or 長期割引パス)と時期で変動(公式表示で確認)
こんな人におすすめ: 短期〜中期の検証運用もしたい方、課金方式を柔軟に選びたい方
公式サイト: ConoHa for GAME
さくらのVPS (Sakura VPS)
特徴:
- プラン仕様が明確で、長期運用で選びやすい
- ストレージ容量の選択肢が豊富(プラン/オプションを含め拡張可能)
- サーバー運用の自由度が高い(ただしマイクラ専用GUI管理ツールが標準で付くタイプではないため、運用は手作業寄り)
料金プラン(目安):
- 2Gプラン:月額 1,848円(地域で別料金の記載あり)
- 4Gプラン:月額 3,740円(地域で別料金の記載あり)
- 8Gプラン:月額 7,480円(地域で別料金の記載あり)
こんな人におすすめ: 運用を自分で作り込みたい方、容量面に余裕を持たせたい方
公式サイト: さくらのVPS
KAGOYA CLOUD VPS(カゴヤ CLOUD VPS)
特徴:
- 日額/上限月額の考え方があり、使い方によってはコスト管理しやすい
- NVMe SSD採用の案内があり、ストレージ性能面の訴求が明確
- プランが細かく、用途に合わせて選びやすい
料金プラン(目安):
- 2GB:月額上限 770円 / 4GB:月額上限 1,760円 / 8GB:月額上限 3,410円(公式表記)
こんな人におすすめ: Web/他用途と併用しつつVPSを使いたい方、細かなプランから選びたい方
公式サイト: KAGOYA CLOUD VPS
シンVPS (Shin VPS)
特徴:
- XServerグループのVPSサービスとして展開
- ゲーム用途の情報発信や比較記事も多く、選定候補に入りやすい
- 価格やキャンペーンは変動するため、最新は公式表示で確認推奨
こんな人におすすめ: コスパ重視で比較検討したい方
公式サイト: シンVPS
ロリポップ! for Gamers(ロリポップ! for Gamers)
特徴:
- Minecraft向けの「マインクラフトマネージャー」が利用できる案内がある
- Java版/統合版でプラン体系が異なる場合があるため、用途に合わせて選ぶ
料金プラン(目安):
- 統合版:2GB 800円/月、4GB 1,500円/月、8GB 3,000円/月(案内例)
- Java版:4GB 1,500円/月、8GB 3,000円/月、16GB 4,300円/月(案内例)
こんな人におすすめ: 国内サービスで分かりやすいゲーム向けプランを選びたい方
公式サイト: ロリポップ! for Gamers
よくある質問(FAQ)
Q1. rcloneのバックアップはどれくらいの頻度が良いですか?
A: 小〜中規模サーバーなら1日1回(深夜帯)が一般的です。イベント期間や更新直前は頻度を上げる選択もありますが、容量と転送量を圧迫するため、古いバックアップは7〜14日で自動削除するローテーションが現実的です。
Q2. 2TB HDDでどれくらいの期間バックアップを保存できますか?
A: ワールドサイズと圧縮率で大きく変動します。例として、圧縮後バックアップが1回あたり5GBなら、単純計算で約400回分(約400日分/1日1回)ですが、実運用では世代管理(例:ローカル7日+クラウド30日)にして、重要な節目だけ別枠保管にすると管理が楽です。
Q3. ワールドサイズが大きくなりすぎた時の対処法は?
A: まず不要領域の整理(MCA Selector等)を検討します。次にserver.propertiesでmax-world-sizeを適切に設定し、運用方針として遠征範囲をコントロールします。それでも増え続ける場合は、過去領域をアーカイブして別保管する運用に切り替えるのが安全です。
Q4. VPSのバックアップ機能とrcloneの違いは何ですか?
A: VPS側のバックアップはサーバー全体の復元がしやすい一方、保存世代や取得頻度はサービス仕様に依存します。rcloneはワールドデータをクラウドへ自由に世代管理でき、長期保管に向きます。理想は併用で、VPSバックアップで「全体復旧」、rcloneで「ワールドの長期保護」を担保すると強いです。
Q5. サーバーが重い時、メモリとストレージのどちらを優先すべきですか?
A: 体感ラグや処理落ちが続く場合は、まずTPSや負荷要因(エンティティ過密、描画距離、プラグイン/Mod負荷)を確認し、必要に応じてメモリ増強と設定調整を行います。ストレージは使用率が高い状態(目安として80%超)でトラブルが出やすくなるため、バックアップ世代数の見直しやログ整理、容量拡張を優先します。
まとめ
マイクラサーバーの安定運用には、rcloneとcronを使った自動バックアップ、ストレージの世代管理とワールド肥大化対策、適切なメモリ割り当てと設定最適化が欠かせません。ワールド境界はmax-world-sizeで方針に合わせて制御し、MCA Selector等で定期的に整理しましょう。
VPS選びでは、管理ツールやバックアップ/復元のしやすさが運用コストを大きく左右します。用途と運用体制に合うサービスを選んでください。

