本記事について
2025年7月時点の最新情報に基づき、MODやプラグインを使用したマインクラフトサーバーの構築方法を包括的に解説します。初心者から上級者まで、実用的な情報を段階的に提供いたします。
1. 概要とサーバー種類の理解
1.1 MOD・プラグインサーバーの基本知識
マインクラフトサーバーには大きく分けて以下の種類があります:
- バニラサーバー – 公式サーバー、MOD・プラグイン不対応
- Bukkitサーバー – プラグイン対応(Spigot、Paper等)
- Forgeサーバー – MOD対応
- Spongeサーバー – プラグイン・MOD両対応
- Fabricサーバー – 軽量MOD対応
本ガイドでは、特にForgeサーバーとSpongeサーバーの構築に焦点を当てて解説します。
1.2 2025年7月時点での対応バージョン
サーバー種類 | 最新対応バージョン | 推奨Java | 特徴 |
---|---|---|---|
Forge | 1.21.1 | Java 17+ | MOD多数、安定性重視 |
NeoForge | 1.21.1 | Java 17+ | Forgeの後継、高性能 |
Sponge | 1.20.6 | Java 17+ | プラグイン・MOD両対応 |
SpongeForge | 1.19.4 | Java 17 | Forge + Sponge統合 |
2. Forgeサーバー構築の完全ガイド
2.1 前提条件の確認
Forgeサーバーを構築する前に、以下の要件を満たしていることを確認してください:
- Java 17以上がインストール済み
- 最低4GB以上のRAM(推奨8GB以上)
- 十分なストレージ容量(20GB以上推奨)
- 安定したインターネット接続
2.2 Forgeサーバーのダウンロードと設定
ステップ1: Forge Installerのダウンロード
- MinecraftForge公式サイト(files.minecraftforge.net)にアクセス
- 対象のMinecraftバージョンを選択
- 「Installer」をダウンロード
ステップ2: サーバーファイルの生成
java -jar forge-1.21.1-51.0.33-installer.jar –installServer# Linux環境での実行例
java -jar forge-1.21.1-51.0.33-installer.jar –installServer
ステップ3: 起動スクリプトの作成
@echo off
java -Xmx6G -Xms4G -XX:+UseG1GC -XX:+ParallelRefProcEnabled -XX:MaxGCPauseMillis=200 -XX:+UnlockExperimentalVMOptions -XX:+DisableExplicitGC -XX:+AlwaysPreTouch -XX:G1HeapWastePercent=5 -XX:G1MixedGCCountTarget=4 -XX:G1MixedGCLiveThresholdPercent=90 -XX:G1RSetUpdatingPauseTimePercent=5 -XX:SurvivorRatio=32 -XX:+PerfDisableSharedMem -XX:MaxTenuringThreshold=1 -jar forge-1.21.1-51.0.33.jar nogui
pause# start_server.sh (Linux)
#!/bin/bash
java -Xmx6G -Xms4G -XX:+UseG1GC -XX:+ParallelRefProcEnabled -XX:MaxGCPauseMillis=200 -XX:+UnlockExperimentalVMOptions -XX:+DisableExplicitGC -XX:+AlwaysPreTouch -XX:G1HeapWastePercent=5 -XX:G1MixedGCCountTarget=4 -XX:G1MixedGCLiveThresholdPercent=90 -XX:G1RSetUpdatingPauseTimePercent=5 -XX:SurvivorRatio=32 -XX:+PerfDisableSharedMem -XX:MaxTenuringThreshold=1 -jar forge-1.21.1-51.0.33.jar nogui
2.3 Modpackの配布設定
MultiMCでのModpack作成
- MultiMCでインスタンスを作成
- 必要なMODを追加・設定
- 「Export Instance」を実行
- 生成されたzipファイルを配布用に使用
CurseForgeでのModpack配布
- CurseForge Launcherでプロファイル作成
- MODの依存関係を確認・調整
- 「Export Profile」でzipファイル生成
- 配布サイトにアップロード
注意事項
Modpack配布時は、各MODのライセンスを必ず確認してください。再配布が禁止されているMODは除外する必要があります。
3. Spongeサーバー構築ガイド
3.1 Spongeサーバーの特徴と利点
Spongeサーバーは以下の特徴を持ちます:
- プラグインとMODの両方に対応
- 高度なパーミッション管理
- 強力なAPI提供
- Mixins技術による拡張性
3.2 SpongeVanillaの導入
ダウンロードと設定
- SpongePowered公式サイトからSpongeVanillaをダウンロード
- 適切なディレクトリに配置
- 起動スクリプトを作成
java -Xmx4G -Xms4G -jar spongevanilla-1.20.6-11.0.0.jar
3.3 SpongeForge環境の構築
SpongeForgeは、ForgeサーバーにSponge機能を追加するMODです。
導入手順
- Forgeサーバーを先に構築
- 対応するSpongeForgeバージョンをダウンロード
- modsフォルダに配置
- サーバーを再起動
SpongeForge対応状況(2025年7月)
現在、SpongeForgeは1.19.4まで対応しています。最新バージョンへの対応は開発中のため、公式フォーラムで最新情報を確認してください。
3.4 Spongeプラグインの導入と管理
基本的なプラグイン導入
- プラグインファイル(.jar)をダウンロード
- pluginsフォルダに配置
- サーバーを再起動
- /sponge plugins コマンドで確認
推奨Spongeプラグイン
プラグイン名 | 機能 | 優先度 |
---|---|---|
LuckPerms | 権限管理 | 必須 |
WorldEdit | ワールド編集 | 高 |
Nucleus | 基本機能集 | 高 |
GriefPrevention | 土地保護 | 中 |
4. Azure VPS環境でのサーバー構築
4.1 Azure Virtual Machineの設定
仮想マシンの作成
- Azureポータルにログイン
- 「Virtual machines」を選択
- 「作成」→「Azure virtual machine」
- 以下の設定を推奨:
- OS: Ubuntu 22.04 LTS
- サイズ: Standard_D4s_v3 (4 vCPU, 16 GB RAM)
- ディスク: Premium SSD 128GB以上
4.2 Network Security Group(NSG)の設定
ファイアウォール規則の追加
- Azure ポータルで「ネットワークセキュリティグループ」を検索
- 該当のNSGを選択
- 「受信セキュリティ規則」で「追加」をクリック
- 以下の設定でMinecraft用ポートを開放:
項目 | 設定値 |
---|---|
宛先ポート範囲 | 25565 |
プロトコル | TCP |
アクション | 許可 |
優先度 | 1000 |
名前 | Minecraft-Server |
4.3 Azureでの自動バックアップ設定
Azure Backup サービスの利用
- Recovery Services コンテナーを作成
- バックアップポリシーを設定(日次、週次、月次)
- 仮想マシンをバックアップ対象に追加
カスタムバックアップスクリプト
# Azure Storage向け自動バックアップスクリプトBACKUP_DIR=”/opt/minecraft_backup”
SERVER_DIR=”/opt/minecraft_server”
DATE=$(date +%Y%m%d_%H%M%S)
BACKUP_FILE=”minecraft_backup_${DATE}.tar.gz”
# サーバー停止
screen -S minecraft -X stuff “stop$(echo -ne ‘\r’)”
sleep 30
# バックアップ作成
mkdir -p $BACKUP_DIR
tar -czf “${BACKUP_DIR}/${BACKUP_FILE}” -C $SERVER_DIR .
# Azure Storage にアップロード
az storage blob upload \
–file “${BACKUP_DIR}/${BACKUP_FILE}” \
–container-name minecraft-backups \
–name $BACKUP_FILE \
–account-name yourstorageaccount
# 古いバックアップファイルを削除(7日以上前)
find $BACKUP_DIR -name “minecraft_backup_*.tar.gz” -mtime +7 -delete
# サーバー再起動
cd $SERVER_DIR
screen -S minecraft -dm java -Xmx6G -Xms4G -jar server.jar nogui
5. Mixins技術の活用
5.1 Mixinsとは
Mixinsは、既存のJavaクラスに動的にコードを挿入する技術です。Minecraftにおいては、以下の用途で使用されます:
- バニラコードの修正・拡張
- パフォーマンス最適化
- 新機能の追加
- バグ修正
5.2 Mixins対応MODの導入
代表的なMixins使用MOD
- Lithium – サーバー最適化
- Sodium – クライアント描画最適化
- Phosphor – 光源処理最適化
- Sledgehammer – SpongeForge用パッチ
5.3 Mixins設定の最適化
mixin.env.obfuscationMapping=searge
mixin.env.disableRefMap=false
mixin.env.ignoreRequired=false
mixin.debug.export=false
mixin.debug.verbose=false
mixin.hotSwap=false
6. クラウド環境での運営最適化
6.1 コスト最適化戦略
Azure環境でのコスト削減
- スケジュールに基づく自動停止・起動
- 適切なVMサイズの選択
- Reserved Instancesの活用
- ストレージ階層の最適化
#!/bin/bash# 深夜2時にサーバー停止
az vm deallocate –resource-group minecraft-rg –name minecraft-vm
# 午後6時にサーバー起動
az vm start –resource-group minecraft-rg –name minecraft-vm
6.2 監視とアラート設定
Azure Monitor設定
- Azure Monitorでメトリクスアラートを設定
- CPU使用率、メモリ使用率、ディスク使用量を監視
- 異常時のメール・SMS通知を設定
6.3 高可用性構成
冗長化構成の検討
- 複数のAvailability Zoneを使用
- ロードバランサーの設置
- データベースの冗長化
- 定期的な災害復旧テスト
7. パフォーマンス最適化
7.1 JVM最適化設定
2025年推奨JVMフラグ
-Xmx7G -Xms7G
-XX:+UseG1GC
-XX:+ParallelRefProcEnabled
-XX:MaxGCPauseMillis=200
-XX:+UnlockExperimentalVMOptions
-XX:+DisableExplicitGC
-XX:+AlwaysPreTouch
-XX:G1NewSizePercent=30
-XX:G1MaxNewSizePercent=40
-XX:G1HeapRegionSize=8M
-XX:G1ReservePercent=20
-XX:G1HeapWastePercent=5
-XX:G1MixedGCCountTarget=4
-XX:InitiatingHeapOccupancyPercent=15
-XX:G1MixedGCLiveThresholdPercent=90
-XX:G1RSetUpdatingPauseTimePercent=5
-XX:SurvivorRatio=32
-XX:+PerfDisableSharedMem
-XX:MaxTenuringThreshold=1
7.2 サーバー設定の最適化
server.properties最適化
view-distance=8
simulation-distance=6
max-tick-time=60000
use-native-transport=true
network-compression-threshold=256
player-idle-timeout=0
max-players=50
7.3 MOD・プラグイン最適化
パフォーマンス向上MOD組み合わせ
MOD名 | 効果 | 適用環境 |
---|---|---|
Lithium | サーバー最適化 | Fabric/Forge |
Starlight | 光源処理最適化 | Fabric/Forge |
FerriteCore | メモリ使用量削減 | Fabric/Forge |
LazyDFU | 起動時間短縮 | Fabric/Forge |
8. セキュリティとメンテナンス
8.1 セキュリティ設定
基本的なセキュリティ対策
- 定期的なOS・Java更新
- ファイアウォール設定の確認
- 不要なサービスの停止
- ログ監視の実装
8.2 バックアップ戦略
3-2-1バックアップルール
- 3つのコピーを保持
- 2つの異なるメディアに保存
- 1つはオフサイトに保管
8.3 定期メンテナンス項目
項目 | 頻度 | 内容 |
---|---|---|
ログ確認 | 毎日 | エラーログ・クラッシュレポートの確認 |
バックアップ確認 | 毎週 | バックアップの完全性確認 |
MOD・プラグイン更新 | 毎月 | セキュリティパッチの適用 |
パフォーマンス分析 | 毎月 | TPS・メモリ使用量の分析 |
9. おすすめサーバーホスティング比較
9.1 ゲーム特化VPS
XServer VPS for Game
- マイクラ専用イメージ提供
- 高性能SSD標準搭載
- 24時間サポート対応
- 月額1,000円~
ConoHa for GAME
- 初心者向け管理画面
- 時間課金対応
- テンプレート豊富
- 月額900円~
9.2 一般VPS・クラウド
Microsoft Azure
- 企業レベルの信頼性
- 豊富な付加サービス
- グローバル展開
- 従量課金制
Amazon EC2
- 高度な設定可能
- スポットインスタンス
- 豊富なインスタンスタイプ
- 従量課金制
10. トラブルシューティング
10.1 よくある問題と解決法
サーバーが起動しない
- Javaバージョンの確認
- メモリ割り当ての確認
- ポート競合の確認
- ログファイルの確認
MODの競合
- MOD依存関係の確認
- バージョン互換性の確認
- 競合MODの特定
- 代替MODの検討
パフォーマンス問題
- TPS監視(/forge tps コマンド)
- メモリ使用量確認
- プロファイラーでの分析
- 最適化設定の見直し
10.2 ログ分析とデバッグ
./logs/latest.log # 最新のサーバーログ
./logs/debug.log # デバッグ情報
./crash-reports/ # クラッシュレポート
./mods/ # MOD関連ログ
11. 将来の展望と新技術
11.1 2025年後半の予定
- Minecraft 1.22への対応
- SpongeForge最新版開発
- 新しい最適化技術
- クラウドネイティブ対応
11.2 推奨学習リソース
- SpongePowered公式ドキュメント
- MinecraftForge開発者ガイド
- Azure Learn モジュール
- コミュニティフォーラム
免責事項
※本記事は2025年7月時点の情報に基づいて作成されています。ソフトウェアのバージョンアップや仕様変更により、記載内容が変更される場合があります。実際の導入時には、必ず最新の公式ドキュメントをご確認ください。
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