冒頭の直接回答
GeyserMCは、マインクラフトのJava版サーバーに統合版(Bedrock Edition)プレイヤーが参加できるようにするプラグインです。2025年11月現在、最新バージョンのGeyserMCとFloodgateを組み合わせることで、PC、Switch、スマホ、PS4/PS5、Xboxなど異なるプラットフォーム間での完全なクロスプレイが実現できます。導入には約30分程度かかり、VPSサーバーまたは自宅サーバーでSpigot/PaperなどのプラグインサーバーとJava 17以上が必要です。
要点
- GeyserMCはJava版と統合版の通信プロトコルを相互変換するプロキシサーバー
- Floodgateを併用すると統合版プレイヤーがJavaアカウント不要で接続可能
- ポート開放は25565(Java版)と19132(統合版)の2つが必要
- 最小スペックはメモリ2GB以上、推奨4GB以上
- VPSサーバーを利用すれば初心者でも簡単に構築可能

GeyserMCとは何か?基本の仕組み
GeyserMCは、Minecraft Java版サーバーと統合版(Bedrock Edition)クライアント間の通信を仲介する翻訳プログラムです。Java版と統合版では通信プロトコルが全く異なるため、本来は一緒にプレイすることができません。GeyserMCはこの2つの異なる通信形式をリアルタイムで相互変換することで、真のクロスプレイを実現します。
GeyserMCの仕組み
GeyserMCはJava版サーバーとBedrock版クライアントの間に位置し、双方向の通信を翻訳します。統合版プレイヤーからのパケットをJava版形式に変換してサーバーに送信し、サーバーからの応答を統合版形式に変換してクライアントに返します。この処理により、統合版プレイヤーはJava版サーバー側からはJava版プレイヤーとして認識されます。
プラグイン版とスタンドアロン版の2つの動作モードがあり、SpigotやPaperなどのプラグインサーバーに直接導入するか、独立したプロキシサーバーとして動作させることができます。一般的な個人サーバーではプラグイン版の導入が推奨されます。
対応プラットフォーム
- Java版:Windows、Mac、Linux
- 統合版:Windows 10/11、iOS、Android、Nintendo Switch、PlayStation 4/5、Xbox One/Series X|S
Floodgateの必要性と違い
GeyserMC単体とFloodgateの違い
GeyserMC単体の場合
- 統合版プレイヤーもJava版アカウントが必要
- オンラインモードのサーバーでは認証が必須
- 既にJava版を持っているプレイヤー向け
Floodgateを併用した場合
- 統合版プレイヤーはXbox Liveアカウントのみで接続可能
- Java版アカウント不要で参加できる
- 統合版のみを持つフレンドと遊びたい場合に必須
Floodgateは、統合版プレイヤーのXbox Live認証をJava版サーバーが認識できるように変換するプラグインです。GeyserMCとセットで導入することで、Java版を持っていない統合版ユーザーもサーバーに参加できるようになります。agepote.jp
導入推奨度
クロスプレイを本格的に楽しみたい場合、Floodgateの導入を強く推奨します。Java版を持っていない友人やコンソール版プレイヤーとのプレイにはFloodgateが必須です。
導入前の必要要件
システム要件
最小スペック
- Java 17以上(GeyserMC 2.4.0以降で必須)
- メモリ:2GB以上
- ストレージ:10GB以上の空き容量
- ネットワーク:安定したインターネット接続
推奨スペック
- Java 21
- メモリ:4GB以上(同時接続10人以上の場合は8GB)
- ストレージ:20GB以上
- CPU:2コア以上
必要なソフトウェア
- プラグインサーバー:Spigot、Paper、Purpurのいずれか(Paper推奨)
- GeyserMC本体:公式ダウンロードページ
- Floodgate:GeyserMCと同じページからダウンロード
ポート開放要件
- 25565/TCP:Java版プレイヤー用(デフォルト)
- 19132/UDP:統合版プレイヤー用(デフォルト)
GeyserMC導入手順【完全版】
ステップ1:Java版サーバーのセットアップ
まず、プラグインサーバーを構築します。Paperが最も推奨されるサーバーソフトウェアです。
- PaperMC公式サイトから最新版をダウンロード
- サーバーフォルダを作成し、paper.jarを配置
- 起動スクリプトを作成して初回起動
eula.txtのeula=trueに変更- 再起動してサーバーが正常に動作することを確認
ステップ2:GeyserとFloodgateのダウンロードと配置
- https://geysermc.org/download/ にアクセス
- 使用するサーバーソフト(Spigot/Paper)を選択
- GeyserMCとFloodgateの最新安定版をダウンロード
- ダウンロードした.jarファイルを
pluginsフォルダに配置 - サーバーを再起動
ステップ3:設定ファイルの編集
サーバーを一度起動すると、plugins/Geyser-Spigot/config.ymlが生成されます。
重要な設定項目
bedrock:
# 統合版プレイヤーが接続するポート(デフォルト19132)
port: 19132
# サーバーのIPアドレス(自動設定の場合は0.0.0.0)
address: 0.0.0.0
remote:
# Java版サーバーのアドレス(ローカルの場合は127.0.0.1)
address: 127.0.0.1
# Java版サーバーのポート
port: 25565
# 統合版とJava版で同じポートを使う場合(推奨)
clone-remote-port: true
clone-remote-portをtrueに設定すると、統合版プレイヤーもJava版と同じポート番号(25565)で接続できるため、ポート開放が1つで済みます。docs.agames.jp
ステップ4:動作確認
- サーバーを起動
- Java版クライアントから接続テスト
- 統合版クライアントから接続テスト(サーバーアドレス:ポート番号で接続)
- 両方から同時接続してクロスプレイを確認
ポート設定とファイアウォール設定
自宅サーバーの場合
ルーター側のポート開放
- ルーターの管理画面にアクセス
- ポートフォワーディング設定を開く
- 以下のポートを開放:
- 25565/TCP(Java版)
- 19132/UDP(統合版)
- 転送先をサーバーのローカルIPアドレスに設定
ファイアウォール設定(Windows)
- Windowsセキュリティを開く
- ファイアウォールとネットワーク保護
- 詳細設定から受信規則を新規作成
- 上記ポートを許可
VPSサーバーの場合
Linux(Ubuntu/CentOS)のファイアウォール
# ufwの場合
sudo ufw allow 25565/tcp
sudo ufw allow 19132/udp
# firewalldの場合
sudo firewall-cmd --add-port=25565/tcp --permanent
sudo firewall-cmd --add-port=19132/udp --permanent
sudo firewall-cmd --reload
ConoHa VPSやXServer VPSなどのVPSサービスでは、管理パネルからポート開放設定が可能です。
よくあるエラーと解決方法
エラー1:「Unable to connect to world」
原因
- ポート開放が正しく行われていない
- サーバーアドレスが間違っている
- ファイアウォールがブロックしている
解決方法
- ポート開放設定を再確認
- サーバーログでGeyserが正常起動しているか確認
netstat -anコマンドで19132ポートがLISTEN状態か確認- セキュリティソフトの例外設定に追加
エラー2:Java版では接続できるが統合版で接続できない
原因
- UDPポート19132が開放されていない
- config.ymlのポート設定が間違っている
解決方法
- UDPプロトコルで19132ポートを開放
config.ymlのbedrock.portを確認- ルーターとファイアウォール両方で設定
エラー3:「outdated server」「outdated client」
原因
- GeyserMCとマインクラフトのバージョン不一致
解決方法
- GeyserMCを最新版に更新
- Java版サーバーを対応バージョンに更新
- 統合版クライアントを最新版に更新
おすすめのVPSサーバー比較
自宅サーバーのポート開放や電気代、メンテナンスが面倒な場合、VPSサーバーの利用をおすすめします。ここでは、マインクラフトのクロスプレイサーバー構築に最適なVPSサービスを紹介します。
サーバー選びで迷った場合は、サーバー比較診断サイトで自分の用途に合ったサーバーを診断することができます。各サービスの詳細な比較や、プレイ人数・予算に応じた最適なプランを提案してくれます。
ConoHa for GAME
ConoHa for GAMEは、ゲーム特化型のVPSサービスで、マインクラフトのテンプレートが用意されています。初心者でも簡単にサーバー構築ができる点が最大の魅力です。
特徴
- マインクラフト専用テンプレートで自動セットアップ
- 時間課金対応で短期利用も可能(1時間2.9円~)
- 管理画面から簡単にGeyserMCを導入可能
- 初回利用で無料クーポンあり
- 東京・大阪リージョン選択可能
推奨プラン
- 2GBプラン:月額1,259円(同時接続5人程度)
- 4GBプラン:月額2,408円(同時接続10人程度)
- 8GBプラン:月額4,828円(同時接続20人以上)
メリット
- 最短25秒でサーバー起動
- 自動バックアップ機能標準搭載
- コントロールパネルが直感的で使いやすい
- SSD標準搭載で高速動作
こんな人におすすめ
初めてVPSを利用する方、すぐにマイクラサーバーを立てたい方、友達数人とカジュアルに遊びたい方
XServer VPS for Game
XServer VPS for Gameは、国内最大手のレンタルサーバー会社が提供するゲーム特化型VPSです。サーバー稼働率99.99%以上の安定性と、充実したサポート体制が特徴です。
特徴
- マインクラフト専用管理ツール「Minecraft Manager」搭載
- GeyserMC自動インストール機能あり
- 高性能CPUとNVMe SSD採用で快適動作
- 初期費用無料・月額割引キャンペーン頻繁
- 専門スタッフによる24時間365日サポート
推奨プラン
- 2GBプラン:月額1,150円(12ヶ月契約時)
- 4GBプラン:月額2,200円(12ヶ月契約時)
- 8GBプラン:月額4,400円(12ヶ月契約時)
メリット
- 管理画面からワンクリックでMOD/プラグイン導入
- 自動バックアップ機能(14日分保存)
- ストレージ容量が大きい(100GB~)
- 長期契約でコスパ最高
こんな人におすすめ
長期的にサーバーを運用したい方、安定性を重視する方、大規模ワールドを作りたい方
ConoHa VPS
ConoHa VPSは、マインクラフト以外の用途でも使える汎用VPSです。カスタマイズ性が高く、複数のゲームサーバーを同時運用したい場合に最適です。
特徴
- Linuxの知識があれば自由にカスタマイズ可能
- VPSとしての基本性能が高い
- 複数アプリケーションの同時動作が可能
- 豊富なOSテンプレート
- スナップショット機能で設定を保存・復元
推奨プラン
- 2GBプラン:月額1,144円
- 4GBプラン:月額2,408円
- 8GBプラン:月額4,828円
メリット
- 柔軟なカスタマイズが可能
- 他のゲームサーバーとの併用が容易
- コマンドラインでの詳細設定が可能
- root権限で自由に構築
こんな人におすすめ
Linuxの操作に慣れている方、マイクラ以外のサーバーも立てたい方、完全カスタマイズしたい方
さくらのVPS
さくらのVPSは、老舗のVPSサービスで信頼性と安定性に定評があります。コストパフォーマンスも優れており、長期運用に適しています。
特徴
- 20年以上の運営実績がある老舗サービス
- 低価格ながら高性能
- 大容量ストレージプランあり(最大4TB)
- 初期費用無料キャンペーン実施中
- 石狩データセンターで電力効率が良い
推奨プラン
- 2GBプラン:月額1,738円
- 4GBプラン:月額3,520円
- 8GBプラン:月額7,040円
メリット
- 大容量ストレージで巨大ワールドに対応
- コストパフォーマンスが良い
- 長期運用での信頼性が高い
- パケットフィルタ機能でセキュリティ強化
こんな人におすすめ
大規模ワールドを作成したい方、長期的に安定運用したい方、コスパ重視の方
KAGOYA CLOUD VPS
KAGOYA CLOUD VPSは、法人向けサービスで培った高い信頼性と安定性が特徴です。24時間365日の電話サポートが無料で受けられます。
特徴
- 法人向けの高品質インフラ
- 24時間365日無料電話サポート
- 稼働率99.95%のSLA保証
- 初期費用無料
- スケールアップ・ダウンが容易
推奨プラン
- 2コア/2GBプラン:月額1,100円
- 3コア/4GBプラン:月額2,200円
- 4コア/8GBプラン:月額4,400円
メリット
- サポート体制が充実
- 高い稼働率保証
- 初心者でも安心して利用可能
- スペック変更が柔軟
こんな人におすすめ
サポート重視の方、初めてのVPS利用で不安な方、安定性を最優先する方
VPSサーバー比較表
| サービス名 | 月額料金(4GBプラン) | 初期費用 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| ConoHa for GAME | 2,408円 | 無料 | マイクラ特化・時間課金可 | ★★★★★ |
| XServer VPS for Game | 2,200円 | 無料 | 管理ツール充実・高安定性 | ★★★★★ |
| ConoHa VPS | 2,408円 | 無料 | 汎用性高い・カスタマイズ自由 | ★★★★☆ |
| さくらのVPS | 3,520円 | 無料 | 大容量・コスパ良好 | ★★★★☆ |
| KAGOYA CLOUD VPS | 2,200円 | 無料 | サポート充実・高信頼性 | ★★★★☆ |
どのVPSを選ぶか迷っている方は、こちらの診断サイトで自分に最適なサービスを見つけることができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. GeyserMCは無料で使えますか?
はい、GeyserMCは完全に無料のオープンソースプロジェクトです。ダウンロード、使用、商用利用すべて無料です。ただし、サーバーを運用するためのVPSや電気代などの運用コストは別途必要です。
GeyserMC公式サイトでは、開発チームへの寄付も受け付けていますが、利用に寄付は必須ではありません。
Q2. 統合版プレイヤーとJava版プレイヤーで遊べる内容に違いはありますか?
基本的なゲームプレイは同じですが、いくつか違いがあります。統合版プレイヤーは、Java版専用のMODコンテンツは表示されません。また、一部のブロックやアイテムの挙動が異なる場合があります。しかし、通常のバニラサーバーであれば、ほぼ同じ体験が可能です。
プラグインによっては統合版との互換性が低い場合があるため、導入前に確認することをおすすめします。
Q3. 既存のJava版サーバーにGeyserMCを追加できますか?
はい、既存のSpigot/Paperサーバーに後からGeyserMCとFloodgateを追加できます。プラグインフォルダに.jarファイルを配置してサーバーを再起動するだけで、既存のワールドデータやプラグイン設定に影響を与えずに導入可能です。
ただし、19132/UDPポートの追加開放が必要です。
Q4. 何人まで同時接続できますか?
同時接続人数はサーバーのスペックに依存します。目安は以下の通りです:
- 2GBメモリ:5~10人
- 4GBメモリ:10~20人
- 8GBメモリ:20~50人
GeyserMC自体は少しメモリを消費しますが、通常のJava版サーバーと大きく変わりません。プラグインやワールドサイズの影響の方が大きいです。
Q5. スマホやSwitchから接続できますか?
はい、統合版が動作するすべてのプラットフォームから接続できます。iOS、Android、Nintendo Switch、PlayStation、Xboxすべて対応しています。
接続方法は、マインクラフトの「サーバー」タブから「サーバーを追加」を選び、サーバーアドレスとポート番号(19132または25565)を入力するだけです。ローカルネットワーク内であれば自動検出される場合もあります。
まとめ
GeyserMCとFloodgateを使えば、2025年11月現在でもマインクラフトのJava版と統合版でのクロスプレイが実現できます。導入は初心者でも約30分程度で完了し、VPSサーバーを利用すればポート開放の手間も省けます。
異なるプラットフォームの友人と一緒に遊びたい場合、GeyserMCは最も確実で安定した方法です。公式サポートではないものの、世界中で広く使われており、コミュニティサポートも充実しています。
今すぐクロスプレイサーバーを始めたい方は、ConoHa for GAMEやXServer VPS for Gameなどのマインクラフト特化型VPSを利用すれば、最短30分でクロスプレイ環境が整います。
サーバー選びに迷った場合は、サーバー比較診断サイトで最適なサービスを見つけてください。

