冒頭の直接回答
マインクラフトのマルチワールドとは、1つのサーバー内で複数の独立したワールドを同時運用できるシステムです。プラグイン「Multiverse-Core」を導入することで、サバイバルワールド、クリエイティブワールド、PvPワールドなど、異なる設定の複数ワールドを切り替えながら遊べます。Java版では標準的に使える機能ですが、統合版では制限があるため注意が必要です。
要点
- 1つのサーバーで複数の独立したワールドを同時に稼働できる
- Multiverse-Coreプラグインを使えば、ワールド作成から移動まで簡単に管理可能
- メモリは1ワールドあたり2GB以上、人数に応じて4GB~8GB以上が推奨
- コマンドやポータルで自由にワールド間を移動できる
- 各ワールドごとに難易度・ゲームモード・PvP設定を個別にカスタマイズ可能

マルチワールドとは?基本概念を理解しよう
マルチワールドシステムの仕組み
マルチワールドとは、単一のマインクラフトサーバー内で複数の独立したワールドを同時運用する仕組みです。通常、1つのサーバーには1つのワールドしか存在しませんが、専用プラグインを導入することで、各ワールドが完全に独立したマップデータ、難易度設定、ゲームモードを持つことができます。
例えば、1つのサーバーで以下のような運用が可能になります。
- メインのサバイバルワールド(難易度ハード)
- 建築用クリエイティブワールド(ピースフル)
- PvP専用バトルアリーナ(PvP有効)
- 資源採掘用ワールド(定期リセット可能)
- イベント用特殊ワールド
各プレイヤーはコマンドやポータルを通じて、これらのワールド間を自由に移動できます。
Java版と統合版の違い
Java版では、SpigotやPaper Spigotなどのサーバーソフトウェアに「Multiverse-Core」プラグインを導入することで、本格的なマルチワールドシステムを構築できます。2025年現在、最新の1.21.x系に完全対応しており、安定した運用が可能です。
**統合版(Bedrock Edition)**では、プラグインシステムが限定的なため、Java版のような高度なマルチワールド管理は困難です。統合版でマルチワールドを実現したい場合は、複数のサーバーを立ててプロキシサーバーで接続する方法が一般的です。
Multiverse-Coreプラグインの導入方法
必要な環境の準備
マルチワールドを構築するには、以下の環境が必要です。
サーバー要件
- Java版マインクラフトサーバー(SpigotまたはPaper推奨)
- メモリ:最低4GB以上(ワールド数や人数に応じて増加)
- CPU:4コア以上推奨
- ストレージ:各ワールドで1~10GB程度(ワールドサイズによる)
推奨サーバースペック(人数別)
- 5人以下:メモリ4GB、4コアCPU
- 10人程度:メモリ8GB、6コアCPU
- 20人以上:メモリ12GB以上、8コア以上CPU
Multiverse-Coreのダウンロードとインストール
手順1:プラグインのダウンロード
- SpigotMC公式サイトにアクセス
- 2025年11月現在、最新版「Multiverse-Core MV5」をダウンロード
- 自分のサーバーバージョン(1.21.x等)に対応したファイルを選択
手順2:プラグインのインストール
- サーバーフォルダ内の「plugins」フォルダを開く
- ダウンロードした「Multiverse-Core-x.x.x.jar」ファイルを配置
- サーバーを再起動
手順3:関連プラグインの導入(推奨)
マルチワールドをより便利に使うために、以下の関連プラグインも導入すると良いでしょう。
- Multiverse-Portals:ワールド間移動用のポータルを作成
- Multiverse-NetherPortals:ネザーポータルのワールド間接続を管理
- Multiverse-Inventories:ワールドごとにインベントリを分離
ワールド増加プラグイン『Multiverse-Core』の使い方
初期設定と確認
サーバー起動後、以下のコマンドで正常に導入されたか確認します。
/mv
このコマンドでMultiverse-Coreのヘルプが表示されれば、導入成功です。
マルチワールドの作成と基本操作
新しいワールドの作成方法
基本的なワールド作成コマンド
/mv create [ワールド名] [環境タイプ]
環境タイプの種類
NORMAL:通常のオーバーワールドNETHER:ネザー環境END:エンド環境FLAT:フラットワールド
実例:サバイバルワールドの作成
/mv create survival NORMAL
これで「survival」という名前の通常ワールドが作成されます。
実例:クリエイティブワールドの作成
/mv create creative NORMAL
/mv modify set gamemode CREATIVE creative
2つ目のコマンドで、creativeワールドのデフォルトゲームモードをクリエイティブに設定します。
ワールド間の移動方法
コマンドでの移動
/mv tp [ワールド名]
例:/mv tp creative でクリエイティブワールドに移動
ポータルを使った移動(Multiverse-Portals導入時)
- ポータルを作成したい場所で選択ツール(木の斧等)を使用
- ポータルの範囲を指定
- コマンドでポータルを設定
/mvp create [ポータル名] [移動先ワールド]
Minecraft server で 複数のワールドをポータルを作って行き来する
ワールドの設定変更
難易度の変更
/mv modify set difficulty [難易度] [ワールド名]
難易度:PEACEFUL、EASY、NORMAL、HARD
PvP設定の変更
/mv modify set pvp [true/false] [ワールド名]
動物・モンスターのスポーン設定
/mv modify set animals [true/false] [ワールド名]
/mv modify set monsters [true/false] [ワールド名]
天候の制御
/mv modify set weather [true/false] [ワールド名]
false に設定すると、常に晴天になります。
よくある設定パターンと実例
パターン1:サバイバルとクリエイティブの併用
多くのマルチサーバーで採用される基本パターンです。
サバイバルワールド設定
/mv create survival NORMAL
/mv modify set difficulty HARD survival
/mv modify set gamemode SURVIVAL survival
/mv modify set pvp false survival
クリエイティブワールド設定
/mv create creative NORMAL
/mv modify set difficulty PEACEFUL creative
/mv modify set gamemode CREATIVE creative
/mv modify set monsters false creative
パターン2:資源採掘用ワールドの設置
定期的にリセットして資源を確保するワールドを作成します。
/mv create mining NORMAL
/mv modify set difficulty NORMAL mining
/mv modify set gamemode SURVIVAL mining
リセット時は以下のコマンドを実行:
/mv delete mining
/mv create mining NORMAL
パターン3:PvPアリーナの作成
対戦用の専用ワールドを設定します。
/mv create pvp_arena NORMAL
/mv modify set pvp true pvp_arena
/mv modify set difficulty HARD pvp_arena
/mv modify set gamemode SURVIVAL pvp_arena
【2025年8月最新】マインクラフトマルチワールド完全ガイド
マルチワールドに関する解説動画
マルチワールドの設定方法を動画で学びたい方は、以下の動画が参考になります。
パフォーマンス最適化とトラブルシューティング
サーバー負荷を軽減する方法
ワールドの自動保存間隔を調整
server.propertiesファイルで設定:
autosave-period=6000
デフォルトは6000tick(5分)ですが、負荷が高い場合は12000(10分)に延長することで軽減できます。
不要なチャンクをアンロード
/mv modify set keepSpawnInMemory false [ワールド名]
スポーンチャンクを常時読み込まないようにして、メモリを節約します。
同時接続人数とメモリの目安
- 4人以下:2GB
- 5~10人:4GB
- 11~20人:8GB
- 21人以上:12GB以上
各ワールドごとに追加で1~2GBのメモリを確保することが推奨されます。
よくあるトラブルと対処法
トラブル1:ワールド間移動でアイテムが消える
原因:Multiverse-Inventoriesが未導入、または設定ミス
対処法:
- Multiverse-Inventoriesプラグインを導入
- 各ワールドのインベントリ共有設定を確認
トラブル2:特定のワールドが読み込まれない
原因:ワールドデータの破損、またはメモリ不足
対処法:
- サーバーログでエラーを確認
- メモリ容量を増やす
- バックアップからワールドを復元
トラブル3:ネザーポータルが意図しないワールドに繋がる
原因:Multiverse-NetherPortalsの設定不足
対処法:
/mv modify set linkportal [移動先ワールド] [現在のワールド]
マルチワールド管理のベストプラクティス
定期バックアップの実施
各ワールドは独立しているため、個別にバックアップを取ることが重要です。
推奨バックアップ方法
- サーバー停止
- worldsフォルダ内の各ワールドフォルダをコピー
- 日付付きで保存
自動バックアッププラグインの活用も効果的です。
ワールドの整理とネーミングルール
分かりやすい命名規則を設定しましょう。
推奨ネーミング例
survival_main:メインサバイバルcreative_build:建築用クリエイティブresource_world:資源採掘用event_pvp:イベント用PvP
プレイヤー権限の設定
ワールドごとに権限を分けることで、誤操作を防げます。
権限プラグイン(LuckPerms等)と組み合わせて使用すると、より細かな制御が可能です。
マインクラフトサーバー向けレンタルサーバーの紹介
マルチワールドを快適に運用するには、高性能なサーバーが必要です。ここでは、マインクラフトに特化したおすすめのレンタルサーバーを紹介します。
ConoHa for GAME(コノハ for GAME)
GMOインターネットグループが提供するゲーム専用VPSサービスです。マインクラフトのテンプレートが用意されており、申し込みから最短25秒でサーバーが立ち上がります。
特徴
- メモリ2GB~64GBまで幅広く選択可能
- 高速SSD標準搭載で快適なワールド読み込み
- 自動バックアップ機能搭載
- 時間課金対応で使った分だけ支払い
おすすめプラン
- 2GBプラン:月額1,077円~(4人以下の小規模サーバー向け)
- 4GBプラン:月額2,090円~(10人前後のマルチワールド運用に最適)
- 8GBプラン:月額4,180円~(20人以上の大規模サーバー向け)
公式サイト:ConoHa for GAME
XServer VPS for Game(エックスサーバー VPS for Game)
国内最大級のレンタルサーバー会社「エックスサーバー」が提供するゲーム特化型VPSです。マイクラテンプレートを使えば、初心者でも簡単にサーバー構築できます。
特徴
- 国内最速クラスのネットワーク環境
- Minecraftマネージャー機能で簡単管理
- MOD・プラグインの自動インストール対応
- 14日間の無料お試し期間
おすすめプラン
- 2GBプラン:月額1,150円~
- 4GBプラン:月額2,200円~
- 8GBプラン:月額4,400円~
公式サイト:XServer VPS for Game
ConoHa VPS(コノハ VPS)
汎用VPSサービスですが、マイクラサーバーとしても高い人気を誇ります。自由度が高く、上級者向けのカスタマイズが可能です。
特徴
- root権限で自由にカスタマイズ可能
- 複数のOSテンプレートから選択
- APIによる自動化対応
- 初期費用無料
おすすめプラン
- 2GBプラン:月額968円~
- 4GBプラン:月額1,848円~
- 8GBプラン:月額3,608円~
公式サイト:ConoHa VPS
ロリポップ! for Gamers(LOLIPOP! for Gamers)
GMOペパボが提供するゲーマー向けレンタルサーバーです。コストパフォーマンスに優れ、初心者でも使いやすいコントロールパネルが特徴です。
特徴
- 月額500円台から利用可能な低価格プラン
- 簡単セットアップ機能
- マルチワールド対応の推奨スペック
- 24時間サポート対応
おすすめプラン
- 2GBプラン:月額550円~(コスパ最強)
- 4GBプラン:月額1,100円~
- 8GBプラン:月額2,200円~
公式サイト:ロリポップ! for Gamers
さくらのVPS(Sakura VPS)
老舗のVPSサービスで、信頼性と安定性に定評があります。マインクラフトのスタートアップスクリプトが用意されており、初心者でも安心です。
特徴
- 20年以上の運営実績による高い信頼性
- 2週間の無料お試し期間
- 石狩データセンターによる低遅延
- スケールアップ・ダウンに対応
おすすめプラン
- 2GBプラン:月額1,738円~
- 4GBプラン:月額3,520円~
- 8GBプラン:月額7,040円~
公式サイト:さくらのVPS
サーバー選びの比較診断
どのサーバーが自分に合っているか迷った場合は、サーバー比較診断サイト「Comparison Quicca Plus」を活用してみましょう。利用人数、予算、必要機能などを入力するだけで、最適なサーバーを提案してくれます。
よくある質問(FAQ)
Q1. マルチワールドを使うとサーバーが重くなりますか?
はい、複数のワールドを同時に読み込むため、通常より多くのメモリとCPUリソースを消費します。ただし、以下の対策で軽減できます。
- 不要なワールドはアンロードする
keepSpawnInMemoryを無効化する- 各ワールドの描画距離を適切に設定する
- 十分なメモリ(最低4GB以上、推奨8GB以上)を確保する
ワールド数とプレイヤー数に応じて、適切なサーバースペックを選びましょう。メモリ容量は「2GB(基本)+ 1GB×ワールド数 + 0.5GB×平均同時接続人数」を目安にしてください。
Q2. 統合版(Bedrock Edition)でもマルチワールドは使えますか?
統合版では、Java版のような高度なマルチワールドプラグインは使用できません。ただし、以下の代替方法があります。
方法1:複数のサーバーを立てる
- 各ワールドごとに別のサーバーを起動
- プレイヤーは手動でサーバーを切り替え
方法2:BungeeCordタイプのプロキシを使用
- 複数のサーバーを1つのネットワークとして統合
- Java版ほどの柔軟性はないが、ワールド間移動は可能
統合版でマルチワールドを本格的に運用したい場合は、Java版への移行を検討することをおすすめします。
Q3. Multiverse-Coreが正常に動作しない場合の対処法は?
動作しない主な原因と対処法を紹介します。
原因1:サーバーソフトウェアが非対応
- バニラサーバーではMultiverse-Coreは使えません
- SpigotまたはPaper Spigotに変更してください
原因2:プラグインのバージョン不一致
- サーバーバージョンとプラグインバージョンを確認
- 2025年11月現在、1.21.x系には最新版MV5が対応
原因3:メモリ不足
- サーバー起動時のメモリ割り当てを確認
- 最低でも4GB以上を割り当ててください
原因4:権限設定の問題
- op権限があるか確認
- 権限プラグインとの競合を確認
ログファイル(logs/latest.log)を確認して、具体的なエラーメッセージを特定することが重要です。
Q4. ワールドごとにインベントリを分けることはできますか?
はい、可能です。「Multiverse-Inventories」プラグインを追加で導入することで、ワールドごとにインベントリを分離できます。
設定手順
- Multiverse-Inventoriesをダウンロード
- pluginsフォルダに配置して再起動
- コマンドで設定
/mvinv create [グループ名]
/mvinv world add [ワールド名] [グループ名]
例えば、サバイバルワールドとクリエイティブワールドでインベントリを分けたい場合:
/mvinv create survival_group
/mvinv world add survival survival_group
/mvinv create creative_group
/mvinv world add creative creative_group
これにより、各ワールド間でアイテムの持ち込みを制限できます。
Q5. 既存のシングルプレイワールドをマルチワールドとして追加できますか?
はい、可能です。以下の手順でローカルワールドをサーバーに移行できます。
手順1:ワールドデータのコピー
.minecraft/savesフォルダから該当ワールドをコピー- サーバーのルートディレクトリに配置
手順2:Multiverse-Coreでインポート
/mv import [ワールドフォルダ名] [環境タイプ]
例:
/mv import myworld NORMAL
注意点
- level.datファイルが正常か確認
- ワールドのバージョンがサーバーと一致しているか確認
- 大規模ワールドの場合、初回読み込みに時間がかかる
まとめ
マインクラフトのマルチワールド機能を使えば、1つのサーバーで多様な遊び方を提供できます。Multiverse-Coreプラグインを活用すれば、サバイバル、クリエイティブ、PvPなど、異なる設定のワールドを簡単に管理できます。
マルチワールド構築のポイントは以下の通りです。
- Java版でSpigot/Paperサーバーを使用する
- 十分なメモリ(4GB以上推奨)を確保する
- Multiverse-Coreと関連プラグインを正しく導入する
- 定期的なバックアップを実施する
- サーバースペックを利用人数とワールド数に合わせる
これから本格的なマルチサーバーを立ち上げたい方は、上記で紹介したレンタルサーバーサービスの利用を検討してみてください。どのサーバーが最適か迷った場合は、サーバー比較診断サイトで自分に合ったサービスを見つけましょう。
マルチワールドで、より充実したマインクラフト体験をお楽しみください。

