冒頭の直接回答
Discord Botのホスティングは、VPSサーバーや専用のBot対応ホスティングサービスを利用することで24時間365日安定稼働が可能です。2025年現在、国内では月額500円台から使えるConoHa VPSやXServer VPSが人気で、初心者でもテンプレート機能を使えば10分程度でセットアップできます。無料プランではHeroku代替のRender.comやRailway.appが注目されていますが、スリープ時間の制限があるため本格運用には有料VPSが推奨されます。
要点
- Discord Botの24時間稼働にはVPSまたはクラウドホスティングが必須
- 国内VPSは月額500円台から利用可能で、初期セットアップも簡単
- 無料ホスティングは制限が多く、中規模以上のサーバーには不向き
- Python・Node.js・Javaなど主要言語すべてに対応
- 自動再起動機能やバックアップ体制が整ったサービスを選ぶべき

Discord Botホスティングとは?基本の仕組み
Discord Botを常時稼働させるには、プログラムを実行し続けるサーバー環境が必要です。自宅PCで稼働させることも可能ですが、電気代や停電リスク、IPアドレス公開の問題があるため、クラウドホスティングが一般的です。
なぜホスティングが必要なのか
Botプログラムは起動している間だけDiscordサーバーで動作します。PCをシャットダウンすればBotもオフラインになるため、24時間コマンドに応答させるには常時稼働環境が不可欠です。
必要なリソース
基本的なDiscord Botであれば、1GBメモリ・1コアCPUで十分です。ただし以下の場合はスペックアップが必要です:
- 複数サーバー(100以上)での稼働
- 音楽再生機能の実装
- データベース連携や画像処理
- 大量のAPI呼び出し
ホスティング方法の種類と選び方
Discord Botのホスティング方法は主に4種類あり、それぞれ特徴が異なります。
1. 無料クラウドホスティング
メリット:初期費用ゼロ、クレジットカード不要、初心者でも簡単
デメリット:月間稼働時間制限(750時間程度)、スリープモード、スペック制限
個人用・小規模サーバー向けで、テスト環境にも最適です。
2. VPS(Virtual Private Server)
メリット:完全な管理者権限、高い自由度、月額固定料金で使い放題
デメリット:サーバー管理知識が必要、セキュリティ対策は自己責任
ConoHa VPS、XServer VPS、さくらVPSなどが代表的で、月額500円~1,000円程度から利用可能です。
3. 専用ゲームサーバー
メリット:Botに特化した環境、自動バックアップ、サポート充実
デメリット:やや高額、カスタマイズ性はVPSより劣る
ConoHa for GAME、LOLIPOP! for Gamersなどが提供しています。
4. 自宅サーバー
メリット:月額料金不要(電気代のみ)、完全な物理アクセス
デメリット:初期投資、停電リスク、固定IPが必要、騒音・発熱
上級者向けで、複数Botを長期運用する場合にコスト効率が良くなります。
無料ホスティングサービス比較
2025年現在、Herokuの無料プラン終了後に台頭した主要な無料ホスティングを比較します。
| サービス名 | 月間稼働時間 | メモリ | ストレージ | 対応言語 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Render.com | 750時間/月 | 512MB | 1GB | Python, Node.js, Ruby等 | 自動デプロイ、GitHubと連携 |
| Railway.app | 500時間/月 | 512MB | 1GB | 全言語対応 | 使いやすいUI、従量課金制 |
| Fly.io | 制限なし | 256MB | 3GB | Docker対応 | 地理分散、無料枠が優秀 |
| Oracle Cloud | 制限なし | 1GB~24GB | 200GB | 全環境 | 永久無料、最強スペック |
有料VPS・クラウドサービス比較
本格運用に適した国内外の有料ホスティングサービスを比較します。
| サービス名 | 最小プラン料金 | メモリ | CPU | ストレージ | 初期費用 | サポート |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ConoHa VPS | 542円/月 | 512MB | 1コア | 30GB SSD | 無料 | 日本語・24時間 |
| XServer VPS | 830円/月 | 2GB | 3コア | 50GB NVMe | 無料 | 日本語・メール |
| さくらVPS | 643円/月 | 512MB | 1コア | 25GB SSD | 無料 | 日本語・チケット |
| シンVPS | 620円/月 | 512MB | 1コア | 30GB NVMe | 無料 | 日本語・メール |
| KAGOYA VPS | 550円/月 | 1GB | 1コア | 25GB SSD | 無料 | 日本語・電話 |
セットアップ手順(VPS編)
ここでは最も人気の高いConoHa VPSを例に、Discord Bot(Python製)のセットアップ手順を解説します。
1. VPSの契約と初期設定
- ConoHa VPS公式サイトにアクセス
- メールアドレスとパスワードで会員登録
- VPS追加から以下を選択:
- メモリ:1GB以上
- イメージタイプ:Ubuntu 22.04
- rootパスワード設定
- 支払い方法を登録して申し込み完了(最短25秒で起動)
2. SSHでサーバーに接続
Windowsの場合はPowerShell、Macの場合はターミナルを開き、以下を実行:
ssh root@[サーバーのIPアドレス]
3. 必要なソフトウェアのインストール
# システム更新
apt update && apt upgrade -y
# Pythonとpipのインストール
apt install python3 python3-pip git -y
# discord.pyライブラリのインストール
pip3 install discord.py python-dotenv
4. Botファイルのアップロード
GitHub経由でアップロードする方法が最も簡単です:
# GitHubからクローン
git clone https://github.com/yourusername/your-discord-bot.git
cd your-discord-bot
# 環境変数ファイルの作成
nano .env
.envファイルにDiscord Bot Tokenを記載:
DISCORD_TOKEN=your_bot_token_here
5. Botの起動と自動起動設定
systemdで自動起動を設定します:
nano /etc/systemd/system/discordbot.service
以下の内容を記述:
[Unit]
Description=Discord Bot
After=network.target
[Service]
Type=simple
User=root
WorkingDirectory=/root/your-discord-bot
ExecStart=/usr/bin/python3 /root/your-discord-bot/bot.py
Restart=always
[Install]
WantedBy=multi-user.target
サービスを有効化:
systemctl daemon-reload
systemctl enable discordbot
systemctl start discordbot
systemctl status discordbot
よくあるトラブルと解決法
トラブル1:Botが突然オフラインになる
原因:メモリ不足、プロセスクラッシュ、ネットワーク切断
解決策:
- systemdで自動再起動を設定(上記参照)
- ログファイルでエラーを確認:
journalctl -u discordbot -n 50 - メモリ使用量を監視:
free -h
トラブル2:「Too Many Requests」エラー
原因:Discord APIのレート制限に抵触
解決策:
- コマンド実行頻度を制限する
- discord.pyの場合は自動的にレート制限を処理
トラブル3:無料ホスティングでスリープしてしまう
原因:非アクティブ時間が長いとサービスがスリープモードに
解決策:
- UptimeRobot(無料監視サービス)で5分おきにpingを送信
- 本格運用には有料VPSへの移行を推奨
おすすめホスティングサービス詳細
Discord Botを安定して運用するために、2025年現在おすすめできる国内のホスティングサービスを詳しく紹介します。
ConoHa VPS(コノハ VPS)
ConoHa VPSはGMOインターネットグループが提供する国内トップクラスのVPSサービスで、Discord Bot運用に特に適した特徴を持っています。
Discord Bot運用におすすめの理由
- 最短25秒でサーバー起動、すぐにBotホスティング開始可能
- 512MBプランが月額296円~と初心者でも始めやすい価格設定
- Ubuntu、CentOS、Debianなど豊富なOSテンプレート
- 管理画面が日本語で直感的、初心者でも操作しやすい
- 24時間365日の日本語サポート体制
料金プラン詳細
- 512MBプラン:月額296円~(36ヶ月契約時)
- 1GBプラン:月額468円~(36ヶ月契約時)
- 2GBプラン:月額575円~(36ヶ月契約時)
XServer VPS(エックスサーバー VPS)
XServer VPSはエックスサーバー株式会社が2022年から提供する新世代VPSで、国内レンタルサーバーシェアNo.1の実績を誇るエックスサーバーの技術力が活かされています。
Discord Bot運用に最適な特徴
- AMD EPYC™プロセッサー搭載で圧倒的な処理速度
- NVMe SSD採用で従来のSSDの約14倍の速度
- 初期費用無料、最短即日でサーバー利用開始
- コントロールパネルが使いやすく、初心者でも直感操作可能
- メール・電話サポート無料
料金プラン詳細
- 2GBプラン:月額830円~
- 4GBプラン:月額1,700円~
- 8GBプラン:月額3,201円~
さくらVPS(Sakura VPS)
さくらのVPSは2010年からサービスを開始した国内VPS業界の老舗で、14年以上の運用実績があります。
Discord Bot運用におすすめの理由
- 14年以上の運用実績で安定性が高い
- データセンターが石狩・東京・大阪の3拠点から選択可能
- パケットフィルター機能標準搭載
- スタートアップスクリプト機能で初期セットアップを自動化
- 2週間の無料お試し期間あり
料金プラン詳細
- 1GBプラン:月額880円~
- 2GBプラン:月額1,738円~
- 4GBプラン:月額3,520円~
シンVPS(Shin VPS)
シンVPSは2022年にエックスサーバー株式会社が立ち上げた新ブランドで、「メモリコスパ最強」をコンセプトにしたVPSサービスです。
Discord Bot運用におすすめの理由
- 国内最安値級の料金設定(512MBプランが月額620円~)
- NVMe SSD搭載で高速なディスク性能
- 50種類以上のアプリイメージで簡単セットアップ
- XServer VPSと同等の管理パネルで操作性良好
料金プラン詳細
- 512MBプラン:月額620円~
- 1GBプラン:月額820円~
- 2GBプラン:月額1,530円~
KAGOYA CLOUD VPS(カゴヤ CLOUD VPS)
KAGOYA CLOUD VPSはカゴヤ・ジャパン株式会社が提供する高品質VPSサービスで、法人利用にも対応した充実したサポート体制が特徴です。
Discord Bot運用におすすめの理由
- 1GBプランが月額550円から利用可能
- 電話サポート対応で初心者でも安心
- SLA(品質保証制度)あり、稼働率99.9%保証
- 自動バックアップオプションあり
料金プラン詳細
- 1GBプラン:月額550円~
- 2GBプラン:月額1,045円~
- 4GBプラン:月額2,200円~
サーバー比較診断サイトのご紹介
Discord Botホスティングに最適なサーバーを選ぶ際、「どのサービスが自分に合っているか分からない」という方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが、サーバー比較診断サイトです。
このサイトでは、利用目的や予算、必要なスペックなどを入力するだけで、あなたに最適なレンタルサーバーやVPSサービスを診断・提案してくれます。Discord Bot運用に特化した条件で検索することも可能で、各サービスの料金比較や機能の違いを一目で確認できます。
初めてVPSを選ぶ方や、複数のサービスを比較検討したい方は、ぜひこの診断サイトを活用してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. Discord Botホスティングで無料と有料どちらを選ぶべきですか?
結論:テスト用途なら無料、本格運用なら有料VPSが最適です。
無料ホスティング(Render.com、Railway.appなど)は月間稼働時間制限があり、スリープモードになるため24時間稼働が必要な本格運用には不向きです。一方、有料VPS(ConoHa VPS、XServer VPSなど)は月額500円台から24時間365日安定稼働でき、メモリやCPUも自由に選択可能です。
Q2. どのくらいのメモリ容量があればDiscord Botは動きますか?
結論:基本的なBotなら512MB~1GB、複数機能や音楽再生なら2GB以上が推奨です。
Discord.py、discord.jsなどの基本的なライブラリを使った軽量Botであれば512MB~1GBのメモリで十分稼働します。ただし、音楽再生機能(Lavalink使用)は最低2GB、データベース連携する場合は2GB以上、複数サーバー(100以上)で稼働する場合は4GB以上を推奨します。
Q3. VPSの契約後、どのくらいの時間でDiscord Botを稼働できますか?
結論:VPS契約から最短10分~30分程度でBot稼働可能です。
国内VPS(ConoHa VPS、XServer VPSなど)は申し込み後すぐにサーバーが起動し、SSHでログイン可能になります。その後、必要なソフトウェアのインストールとBotファイルのアップロード、環境変数の設定、systemdでの自動起動設定を行えば稼働開始できます。
Q4. Discord Botが突然オフラインになった場合、どう対処すればいいですか?
結論:ログファイルでエラーを確認し、systemdの自動再起動設定で対策します。
Botがオフラインになる主な原因は、メモリ不足によるクラッシュ、ネットワーク切断、コードのバグ、Discord APIのレート制限です。対処方法は、SSHでサーバーにログインしjournalctl -u discordbot -n 50でログを確認、systemdのRestart=always設定で自動再起動を有効化、メモリ使用量をfree -hで確認し不足していればプランアップグレードします。
Q5. Discord Botのセキュリティ対策で最低限やるべきことは?
結論:Bot Tokenの厳重管理、SSH鍵認証設定、ファイアウォール有効化が必須です。
Bot Tokenが漏洩すると第三者に乗っ取られる危険があるため、.envファイルに記載し絶対にGitHubなどに公開しないこと。VPSのセキュリティ対策として、SSHパスワード認証を無効化して鍵認証のみに設定、ufwやfirewalldでファイアウォールを有効化し不要なポートを閉じる、定期的にapt update && apt upgradeでシステム更新を実施することが重要です。
出典:Discord Developer Best Practices
まとめ
Discord Botのホスティングは、VPSを利用することで24時間365日安定稼働が実現できます。2025年現在、国内では月額500円台から利用できるConoHa VPS、XServer VPS、シンVPSなどのサービスが初心者でも使いやすく人気です。
無料ホスティングサービス(Render.com、Railway.app、Oracle Cloud)もテスト環境には有効ですが、本格運用には稼働時間制限があるため有料VPSが推奨されます。セットアップはテンプレート機能やスタートアップスクリプトを活用すれば10分~30分程度で完了し、systemdで自動起動設定を行えば安心です。
サーバー選びで迷った場合は、サーバー比較診断サイトで条件に合ったサービスを診断できます。Discord Botの規模や機能に応じて適切なメモリ容量とプランを選び、快適なBot運用を始めましょう。
出典
- ConoHa VPS公式サイト(https://www.conoha.jp/vps/)
- XServer VPS公式サイト(https://vps.xserver.ne.jp/)
- さくらのVPS公式サイト(https://vps.sakura.ad.jp/)
- シンVPS公式サイト(https://www.shin-vps.jp/)
- KAGOYA CLOUD VPS公式サイト(https://www.kagoya.jp/cloud/vps/)
- Render.com公式ドキュメント(https://render.com/docs/free)
- Railway.app公式サイト(https://railway.app/)
- Discord Developer Portal(https://discord.com/developers/docs/)
- Discord.py公式ドキュメント(https://discordpy.readthedocs.io/)
- systemd公式ドキュメント(https://www.freedesktop.org/software/systemd/man/systemd.service.html)

