【2025年11月最新】MinecraftサーバーのTPS最適化完全ガイド – 重さ・ラグを解消する実践的な設定方法

目次

冒頭の直接回答

MinecraftサーバーのTPS(Ticks Per Second)最適化は、サーバー設定ファイルの調整、不要なチャンク読み込みの制限、エンティティ数の管理、プラグイン・MODの見直しを行うことで実現できます。理想的なTPS値は20.0で、この数値を維持することでラグのない快適なマルチプレイ環境を構築できます。

要点

  • TPSは1秒間にサーバーが処理できるゲーム内時間の単位で、20.0が最適値
  • server.propertiesやspigot.ymlなどの設定ファイルを調整することで大幅な改善が可能
  • エンティティ数の制限、チャンク読み込み範囲の最適化が最も効果的
  • Timingsレポートを活用して処理負荷の原因を特定することが重要
  • 適切なサーバースペック(メモリ4GB以上推奨)の選定も不可欠

MinecraftサーバーのTPSとは

**TPS(Ticks Per Second)は、Minecraftサーバーが1秒間に処理できるゲーム内時間の単位です。**理想値は20.0で、この数値を下回るとプレイヤーはラグやブロック設置の遅延を体感します。

TPSとFPSの違い

多くのプレイヤーが混同しがちですが、TPSはサーバー側の処理速度、FPS(Frames Per Second)はクライアント側の描画速度を示します。TPSが低下すると、たとえクライアントのFPSが高くても、サーバー全体の動作が遅くなります。

TPS値の確認方法

サーバーコンソールまたはゲーム内で以下のコマンドを実行します。

/tps

Spigot、Paper、Purpurなどのサーバーソフトウェアでは、このコマンドで現在のTPS値、メモリ使用量、処理時間を確認できます。

正常な状態

  • TPS: 20.0
  • Tick時間: 50ms以下

最適化が必要な状態

  • TPS: 18.0以下
  • Tick時間: 60ms以上

TPS低下の主な原因

MinecraftサーバーのTPS低下は、複数の要因が複合的に影響します。

1. エンティティ過多

モンスター、村人、アイテムドロップ、経験値オーブなどのエンティティが大量に存在すると、サーバーの処理負荷が急激に増加します。特に自動化された農場や経験値トラップは要注意です。

2. チャンク読み込みの負荷

プレイヤーの移動や探索により、新しいチャンクが生成・読み込まれる際に大きな負荷がかかります。描画距離(view-distance)の設定が高すぎると、常時処理するチャンク数が増えます。

3. レッドストーン回路の複雑化

大規模なレッドストーン回路、特にクロック回路やホッパータイマーは毎tick計算が実行されるため、TPS低下の主要因となります。

4. プラグイン・MODの競合や非効率なコード

古いバージョンのプラグインや、最適化されていないカスタムプラグインは、毎tickで不要な処理を実行している可能性があります。

5. サーバースペック不足

Minecraftサーバーはシングルスレッド処理が中心のため、CPUのクロック周波数が重要です。メモリ不足もガベージコレクション(GC)の頻発を招き、TPS低下につながります。


server.propertiesによる基本最適化

**server.propertiesファイルは、Minecraftサーバーの基本設定を管理する最も重要なファイルです。**サーバールートディレクトリにあるこのファイルを編集することで、即座に効果が現れる最適化が可能です。

推奨設定項目

# 描画距離の最適化(デフォルト10 → 6~8に削減)
view-distance=7

# シミュレーション距離の制限(1.18以降)
simulation-distance=6

# エンティティの放送範囲を制限
entity-broadcast-range-percentage=80

# ネットワーク圧縮の閾値調整
network-compression-threshold=512

# 最大プレイヤー数の適切な設定
max-players=20

# タイムアウト時間の調整
max-tick-time=60000

view-distanceの最適化効果

描画距離を10から7に変更すると、サーバーが処理するチャンク数は約44%減少します。プレイヤーの体感にはほとんど影響せず、TPS向上に大きく貢献します。

設定値処理チャンク数推奨環境
10441チャンク高スペックサーバー、少人数
8289チャンク標準的な環境
6169チャンク低スペック、大人数サーバー

設定後は必ずサーバーを再起動してください。


spigot.yml/paper.ymlによる高度な設定

SpigotやPaperサーバーを使用している場合、専用の設定ファイルでさらに詳細な最適化が可能です。

spigot.ymlの推奨設定

world-settings:
  default:
    # モンスターのスポーン範囲を制限
    mob-spawn-range: 4
    
    # エンティティの活性化範囲を調整
    entity-activation-range:
      animals: 16
      monsters: 24
      raiders: 48
      misc: 8
      water: 8
      villagers: 16
    
    # ホッパーの処理間隔を延長(1 → 8)
    ticks-per:
      hopper-transfer: 8
      hopper-check: 1
    
    # アイテムマージの有効化
    merge-radius:
      item: 3.5
      exp: 4.0

paper.ymlのさらなる最適化

world-settings:
  default:
    # チャンク読み込みの最適化
    max-auto-save-chunks-per-tick: 8
    prevent-moving-into-unloaded-chunks: true
    
    # エンティティの最適化
    per-player-mob-spawns: true
    
    # レッドストーンの最適化
    optimize-explosions: true
    use-faster-eigencraft-redstone: true

ホッパー最適化の影響

ホッパーのticks-per-hopper-transferを1から8に変更すると、処理頻度が8分の1になります。アイテムの移動速度は遅くなりますが、自動化施設が多いサーバーでは劇的なTPS改善が期待できます。


エンティティとチャンク管理の最適化

エンティティ数の管理とチャンク読み込みの最適化は、TPS向上において最も効果的な施策です。

推奨プラグイン: ClearLag

ClearLagは、定期的に不要なエンティティを削除するプラグインです。

主な機能

  • アイテムドロップの自動削除(カスタマイズ可能)
  • モンスターの数制限
  • チャンクの強制アンロード
  • パフォーマンスモニタリング

チャンク事前生成の実施

新規プレイヤーの探索により発生するチャンク生成は、大きなTPS低下を引き起こします。事前にワールド境界を設定し、チャンクを生成しておくことで、この問題を回避できます。

推奨プラグイン: Chunky

/chunky world <world_name>
/chunky radius 5000
/chunky start

このコマンドで、指定したワールドの半径5000ブロック範囲のチャンクを事前生成します。

ワールドボーダーの設定

/worldborder set 10000
/worldborder warning distance 100

これにより、中心から半径5000ブロック(直径10000ブロック)の範囲に制限されます。


Timingsレポートによる診断方法

Timingsレポートは、サーバーのパフォーマンスボトルネックを特定するための最も重要なツールです。

Timingsレポートの取得手順

  1. サーバーが通常運用状態であることを確認
  2. コンソールまたはゲーム内で以下を実行
/timings on
  1. 5〜10分間、通常通りプレイ
  2. レポートを生成
/timings paste
  1. 表示されたURLにアクセスし、詳細を確認

レポートの読み方

Full Server Tick

  • サーバー全体の1tick処理時間
  • 50ms以下が理想(TPS 20.0相当)
  • 60ms以上は最適化が必要

Entity Tick

  • エンティティの処理時間
  • 高い場合はエンティティ数の削減が必要

Tile Entity Tick

  • チェスト、ホッパー、かまどなどのブロックエンティティの処理時間
  • ホッパーの最適化が効果的

Plugin Tasks

  • 各プラグインの処理時間
  • 上位のプラグインを見直す

サーバースペックの選び方

適切なサーバースペックの選定は、設定最適化と同様に重要です。

Minecraftサーバーに求められるスペック

CPU(最重要)

  • Minecraftはシングルスレッド処理が中心
  • コア数よりもクロック周波数(GHz)が重要
  • 推奨: 3.0GHz以上、できれば3.5GHz以上

メモリ(RAM)

  • プレイヤー数とワールドサイズに依存
  • 推奨: 基本4GB、プレイヤー10人ごとに+1GB
  • MODサーバーは1.5〜2倍必要

ストレージ

  • SSDが必須(HDDは非推奨)
  • NVMe SSDが理想的
  • 容量: 最低20GB、余裕を持って50GB以上

プレイヤー数別推奨スペック

プレイヤー数CPUメモリストレージ月額目安
1〜5人2コア 3.0GHz4GB30GB SSD1,000〜2,000円
6〜10人4コア 3.5GHz6GB50GB SSD2,000〜3,500円
11〜20人4コア 4.0GHz8GB100GB SSD3,500〜5,000円
21〜50人8コア 4.0GHz16GB200GB SSD7,000〜12,000円

MinecraftサーバーTPS最適化の参考動画

サーバー最適化の具体的な手順を視覚的に理解したい方には、以下の動画が参考になります。

MinecraftサーバーTPS最適化

**【負荷検証】マイクラ 重い(負荷が大きい)ブロック選手権 2021!**では、各ブロックやエンティティがサーバーに与える負荷を実際に検証しています。FPSとサーバーTPSの比較を通じて、どの要素が最も重いかを理解できます。


サーバー選びの比較診断ツール

Minecraftサーバーに最適なホスティングサービスを選ぶ際、複数のサービスを比較検討することが重要です。サーバー比較診断サイト「comparison.quicca-plus.com」では、主要なVPSプロバイダーやゲーム特化型サーバーの料金プラン、スペック、特徴を一覧で比較でき、自分のプレイ人数や予算に合わせた最適なサービスを効率的に見つけることができます。


おすすめMinecraft対応サーバーサービス

Minecraftサーバーを運用する際、適切なホスティングサービスの選択は快適なプレイ環境を実現する上で極めて重要です。ここでは、2025年11月現在の最新情報に基づき、Minecraft運用に適した主要なサーバーサービスを詳しく比較します。

ConoHa for GAME

ConoHa for GAMEは、GMOインターネットグループが提供するゲーム特化型VPSサービスです。Minecraftサーバーのテンプレートが豊富に用意され、初心者でも簡単にサーバーを立ち上げられます。

主な特徴

  • Minecraft(Java版/統合版)の自動インストール機能
  • Paper、Spigot、Forge、Fabric対応テンプレート
  • 管理画面から簡単にバージョン変更やMOD管理が可能
  • 東京・大阪のデータセンターで低遅延
  • 時間単位の課金制で柔軟な運用が可能

料金プラン(2025年11月時点)

  • 2GBプラン: 1,065円/月
  • 4GBプラン: 2,033円/月
  • 8GBプラン: 4,081円/月

推奨利用シーン: 初めてMinecraftサーバーを立てる初心者、友達数人で遊ぶ小規模サーバー

ConoHa for GAMEの詳細を見る


Xserver VPS for Game

Xserver VPS for Gameは、エックスサーバー株式会社が提供するゲーム専用VPSサービスです。高性能なCPUと高速SSDにより、安定したパフォーマンスを実現します。

主な特徴

  • AMD EPYC(第3世代)採用で高クロック周波数
  • NVMe SSD標準搭載で高速なI/O性能
  • Minecraft統合管理ツール「Minecraft manager」搭載
  • 自動バックアップ機能(14日間)
  • 複数バージョンの同時運用が可能

料金プラン(2025年11月時点)

  • 2GBプラン: 1,150円/月
  • 4GBプラン: 2,200円/月
  • 8GBプラン: 4,400円/月

推奨利用シーン: 中規模サーバー(10〜20人)、長期運用を前提としたコミュニティサーバー

Xserver VPS for Gameの詳細を見る


さくらのVPS

さくらのVPSは、さくらインターネット株式会社が提供する老舗VPSサービスです。カスタマイズ性が高く、上級者向けの柔軟な設定が可能です。

主な特徴

  • root権限でのフル管理が可能
  • OS選択の自由度が高い
  • ストレージの追加が柔軟
  • 24時間365日のサポート体制

料金プラン(2025年11月時点)

  • 2GBプラン: 1,738円/月
  • 4GBプラン: 3,520円/月
  • 8GBプラン: 7,040円/月

推奨利用シーン: サーバー管理の経験がある上級者、カスタム設定を多用する場合

さくらのVPSの詳細を見る


KAGOYA CLOUD VPS

KAGOYA CLOUD VPSは、カゴヤ・ジャパン株式会社が提供する高品質なVPSサービスです。24年以上の運用実績を持つ老舗プロバイダーで、安定性に定評があります。

主な特徴

  • 専用ネットワーク接続で安定した通信品質
  • 10Gbps共有回線で高速通信
  • 柔軟なスペック変更が可能
  • 法人利用にも対応した高セキュリティ

料金プラン(2025年11月時点)

  • 2コア/2GBプラン: 979円/月
  • 3コア/4GBプラン: 1,540円/月
  • 4コア/8GBプラン: 3,960円/月

推奨利用シーン: 安定性を最優先する中規模サーバー、法人やコミュニティでの長期運用

KAGOYA CLOUD VPSの詳細を見る


シンVPS

シンVPSは、エックスサーバー株式会社が提供する新しいVPSサービスです。最新技術を採用し、高速性に特化しています。

主な特徴

  • 最新のAMD EPYC(第4世代)プロセッサー搭載
  • オールNVMe環境で超高速I/O
  • シンプルな料金体系
  • モダンな管理画面

料金プラン(2025年11月時点)

  • 2GBプラン: 900円/月
  • 4GBプラン: 1,800円/月
  • 8GBプラン: 3,600円/月

推奨利用シーン: コストパフォーマンスを重視、小〜中規模の高速サーバー

シンVPSの詳細を見る


ConoHa VPS

ConoHa VPSは、ConoHa for GAMEのベースとなる汎用VPSサービスです。ゲーム特化機能は少ないものの、柔軟なカスタマイズが可能です。

主な特徴

  • 豊富なOSテンプレート
  • APIによる自動化対応
  • 追加ディスクやIPアドレスの柔軟な追加
  • スナップショット機能

料金プラン(2025年11月時点)

  • 2GBプラン: 1,065円/月
  • 4GBプラン: 2,408円/月
  • 8GBプラン: 4,818円/月

推奨利用シーン: 上級者向けの柔軟な環境構築、複数のサービスを1台で運用

ConoHa VPSの詳細を見る


その他の選択肢

ロリポップ!for Gamersは、GMOペパボ株式会社が提供するゲーム特化レンタルサーバーです。低価格で始められる点が魅力です。

ロリポップ!for Gamersの詳細を見る

カラフルボックスは、高速LiteSpeedサーバーを採用した共有レンタルサーバーで、小規模なMinecraftサーバーにも対応しています。

カラフルボックスの詳細を見る


主要サーバーサービス比較表

サービス名最小プラン料金CPU性能初心者向けMinecraft特化バックアップ
ConoHa for GAME1,065円/月
Xserver VPS for Game1,150円/月最高
さくらのVPS1,738円/月
KAGOYA CLOUD VPS979円/月
シンVPS900円/月最高
ConoHa VPS1,065円/月×

よくある質問(FAQ)

Q1. TPSが15以下に低下した場合、どこから手をつけるべきですか?

まずTimingsレポートを取得し、ボトルネックを特定することが最優先です。/timings pasteコマンドで詳細分析を行い、処理時間が長い項目を特定してください。一般的にはエンティティ数の削減(ClearLagプラグイン導入)、view-distanceの縮小(10→7)、ホッパー処理間隔の延長が最も即効性があります。

PaperMC – Timings Guide

Q2. BukkitとSpigotとPaperの違いは何ですか?

**2025年現在、PaperまたはPurpurの使用を強く推奨します。**Bukkitは開発が停止しており、Spigotは基本的な最適化のみです。Paperはspigot.ymlに加えてpaper.ymlによるさらなる最適化が可能で、バグ修正も積極的です。互換性の面でも、PaperはSpigot/Bukkitプラグインをほぼすべて動作させることができます。

PaperMC公式サイト

Q3. プレイヤーが10人の場合、最低限必要なメモリは何GBですか?

**10人規模のサーバーでは最低4GB、推奨6GBのメモリが必要です。**ただし、これはバニラまたは軽量プラグインのみの場合です。大規模MODパックを使用する場合は8〜12GB、複雑なプラグインや多数のワールドを持つ場合は8GB以上を推奨します。

Minecraft Server Requirements

Q4. レッドストーン回路がTPSに与える影響を軽減する方法はありますか?

**Paper系サーバーの最適化設定と回路設計の見直しが有効です。**paper.ymlでuse-faster-eigencraft-redstone: trueを設定すると、レッドストーン計算が高速化されます。クロック回路を多用する自動化施設は、Observer(観察者)や比較器を使った効率的な設計に変更してください。

Redstone Optimization Guide

Q5. MODサーバーでもSpigot/Paperのような最適化は可能ですか?

**ForgeやFabricサーバーでも、専用の最適化MODを導入することで大幅な改善が可能です。**Fabric環境では、Lithium(ゲームロジック最適化)、Starlight(ライティング高速化)、FerriteCore(メモリ削減)の組み合わせが推奨されます。2025年現在、FabricはForgeよりも軽量で最新バージョンへの対応が早いです。

Modrinth – Performance Mods


まとめ

MinecraftサーバーのTPS最適化は、適切な設定調整、エンティティ管理、プラグインの見直し、そして十分なサーバースペックの組み合わせで実現できます。まずはTimingsレポートで現状を把握し、view-distanceの削減やClearLagの導入など、即効性のある施策から始めましょう。

定期的なメンテナンスとプレイヤーコミュニティとの対話を通じて、快適なマルチプレイ環境を維持してください。最適化は一度で完結するものではなく、サーバーの成長とともに継続的に調整が必要です。

今すぐ実行すべきアクション

  1. 現在のTPSを確認(/tpsコマンド)
  2. Timingsレポートを取得して分析
  3. この記事の推奨設定を適用
  4. 適切なサーバースペックの検討

適切なホスティングサービスを選び、最適化された設定で、ラグのない最高のMinecraft体験を実現しましょう。


出典

最終確認日: 2025年11月14日

この記事の情報は2025年11月時点の最新情報に基づいています。Minecraftのバージョンアップデートやサーバーソフトウェアの仕様変更により、設定項目や推奨値が変更される可能性があります。

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