【2025年11月最新】Pterodactyl Panel v1.11.11 導入完全ガイド|ゲームサーバー管理を効率化する方法

目次

冒頭の直接回答

Pterodactyl Panel v1.11.11は、PHP、React、Goで構築された無料のオープンソースゲームサーバー管理パネルで、Minecraft、ARK、Rust、Terrariaなど多様なゲームサーバーをDockerコンテナで統合管理できます。2025年6月にリリースされた本バージョンは、CVSS 10.0の重大なセキュリティ脆弱性(CVE-2025-49132)を修正しており、既存ユーザーは即座にアップデートが必須です。本記事では、Ubuntu 22.04/24.04環境でのインストール手順、Wings設定、SSL証明書導入、日本語化まで、初心者でも実践できる完全ガイドを提供します。

要点

  • v1.11.11は重大なセキュリティ脆弱性を修正した必須アップデート版
  • Ubuntu 22.04/24.04、最低2GB RAM、20GB以上のストレージが必要
  • 自動インストールスクリプトで30分以内に構築可能
  • Panel(管理UI)とWings(実行環境)の2コンポーネント構成
  • Minecraft、ARK、Terrariaなど50種類以上のゲームに対応

Pterodactyl Panel v1.11.11とは

基本概要と主な特徴

Pterodactyl Panelは、2015年から開発が続く、最も成熟したオープンソースゲームサーバー管理ソリューションです。MIT

ライセンスで提供され、個人利用から商用ホスティング事業まで幅広く対応します。

主な特徴:

  • Dockerベースの隔離環境:各ゲームサーバーが独立したDockerコンテナで動作し、セキュリティとリソース管理が最適化
  • 直感的なWeb UI:React製のモダンなインターフェースで、サーバー起動・停止・ログ確認が簡単
  • 多様なゲーム対応:公式Egg(設定テンプレート)でMinecraft、ARK、Rust、CS:GO、Terraria、Valheimなど50種以上をサポート
  • マルチノード対応:複数の物理サーバー(Wings)を1つのPanelで統合管理可能
  • API完備:RESTful APIで外部ツールとの連携や自動化が容易

公式サイト:Pterodactyl Panel

v1.11.11の重要なセキュリティアップデート

2025年6月18日にリリースされたv1.11.11は、CVE-2025-49132(CVSS 10.0)の重大な脆弱性を修正した緊急セキュリティアップデートです。この脆弱性は、認証なしでリモートコード実行(RCE)を許す可能性があり、攻撃者がサーバーの完全な制御権を奪取できる深刻なものでした。

脆弱性の詳細:

  • /locales/locale.jsonエンドポイントにパストラバーサル脆弱性が存在
  • localenamespaceパラメータの検証不足により、任意のファイル読み込みが可能
  • 攻撃者が悪意あるPHPコードを実行できる状態

対策:
v1.11.10以前のバージョンを使用している場合、直ちにv1.11.11以降へのアップデートが必須です。ワークアラウンドは存在せず、バージョンアップが唯一の対策となります。

公式リリースノート:GitHub – Pterodactyl Panel v1.11.11


Pterodactyl Panelのシステム要件

最小要件と推奨スペック

Pterodactyl Panelを快適に運用するには、以下のシステム要件を満たす必要があります。

最小要件:

項目要件
OSUbuntu 20.04/22.04/24.04 LTS、Debian 11/12、RHEL/Rocky/Alma 8/9
CPU1コア以上
メモリ2GB以上
ストレージ20GB以上(SSD推奨)
ソフトウェアDocker 20.10以上、Docker Compose 2.0以上

推奨スペック(ゲームサーバー5台以下):

項目推奨値
CPU4コア以上
メモリ8GB以上
ストレージ50GB以上(NVMe SSD推奨)
ネットワーク100Mbps以上の安定した回線

推奨スペック(ゲームサーバー15台以下):

項目推奨値
CPU6コア以上
メモリ16GB以上
ストレージ100GB以上(NVMe SSD推奨)

注意:これらはPanelとWingsの動作に必要なスペックです。実際にゲームサーバーを運用する場合は、各ゲームの推奨スペックに応じて追加のメモリとディスク容量が必要になります。例えば、Minecraftサーバー1台あたり最低2GB、ARK: Survival Evolvedなら8GB以上のメモリが別途必要です。

対応OS一覧

完全対応OS(2025年11月現在):

  • Ubuntu: 22.04 LTS(推奨)、24.04 LTS
  • Debian: 11(Bullseye)、12(Bookworm)
  • Red Hat系: RHEL 8/9、Rocky Linux 8/9、AlmaLinux 8/9
  • その他: CentOS Stream 9

非推奨・未対応OS:

  • Windows Server(WSL2経由で動作報告あるが公式非対応)
  • CentOS 7(EOLにつき非推奨)
  • Ubuntu 20.04(セキュリティアップデートのみ、新規構築非推奨)

公式ドキュメント:Pterodactyl Panel Documentation


Pterodactyl Panel v1.11.11 インストール手順

事前準備と依存関係のインストール

Pterodactyl Panelのインストールには、自動インストールスクリプトを使用する方法と、手動でインストールする方法があります。初心者には自動スクリプトを強く推奨します。

自動インストールスクリプトによる導入(推奨):

# スクリプトのダウンロードと実行
bash <(curl -s https://pterodactyl-installer.se)

このスクリプトは、以下の作業を自動化します。

  • 依存パッケージのインストール(PHP、MariaDB、Nginx/Apache、Redis、Docker)
  • Pterodactyl Panelのダウンロードと設定
  • データベースとユーザーの作成
  • SSL証明書の取得(Let’s Encrypt)
  • Wingsのインストール

実行後、対話形式で以下の選択肢が表示されます。

  1. Panelのみをインストール
  2. Wingsのみをインストール
  3. Panel + Wingsを同時インストール

初回導入では「3」を選択することで、約30分でフル環境が構築されます。

手動インストール(上級者向け):

手動インストールの詳細な手順は、公式ドキュメントを参照してください。Ubuntu 22.04での基本的な流れは以下の通りです。

# システムアップデート
sudo apt update && sudo apt upgrade -y

# 必要なパッケージのインストール
sudo apt install -y software-properties-common curl apt-transport-https ca-certificates gnupg

# PHP 8.2のインストール
sudo add-apt-repository ppa:ondrej/php -y
sudo apt update
sudo apt install -y php8.2 php8.2-{common,cli,gd,mysql,mbstring,bcmath,xml,fpm,curl,zip}

# MariaDBのインストール
sudo apt install -y mariadb-server
sudo mysql_secure_installation

# Nginx/Apacheのインストール(どちらか選択)
sudo apt install -y nginx

# Redisのインストール
sudo apt install -y redis-server

# Composerのインストール
curl -sS https://getcomposer.org/installer | sudo php -- --install-dir=/usr/local/bin --filename=composer

Panelのインストールと初期設定

手動インストールを選択した場合の、Panel本体の導入手順です。

# Panel用ディレクトリの作成
sudo mkdir -p /var/www/pterodactyl
cd /var/www/pterodactyl

# Panelのダウンロード
sudo curl -Lo panel.tar.gz https://github.com/pterodactyl/panel/releases/latest/download/panel.tar.gz
sudo tar -xzvf panel.tar.gz
sudo chmod -R 755 storage/* bootstrap/cache/

# Composerによる依存関係のインストール
sudo composer install --no-dev --optimize-autoloader

# 環境設定ファイルの作成
sudo cp .env.example .env
sudo php artisan key:generate --force

# データベース設定の入力(対話形式)
sudo php artisan p:environment:database

# メール設定(後で設定可能)
sudo php artisan p:environment:mail

# 管理者ユーザーの作成
sudo php artisan p:user:make

最後のコマンドで、Panel管理者のメールアドレス、ユーザー名、パスワードを設定します。

パーミッション設定:

# www-dataユーザーに所有権を付与
sudo chown -R www-data:www-data /var/www/pterodactyl/*

# キューワーカーの設定(バックグラウンド処理用)
sudo crontab -e

Cronに以下を追加:

* * * * * php /var/www/pterodactyl/artisan schedule:run >> /dev/null 2>&1

Wingsのインストールと連携設定

Wingsは、実際にゲームサーバーを実行するデーモンです。PanelとWingsは同じサーバーでも、別サーバーでも構いません。

Dockerのインストール(Wingsの前提条件):

# Dockerの公式GPGキーを追加
curl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg | sudo gpg --dearmor -o /usr/share/keyrings/docker-archive-keyring.gpg

# Dockerリポジトリの追加
echo "deb [arch=$(dpkg --print-architecture) signed-by=/usr/share/keyrings/docker-archive-keyring.gpg] https://download.docker.com/linux/ubuntu $(lsb_release -cs) stable" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/docker.list > /dev/null

# Dockerのインストール
sudo apt update
sudo apt install -y docker-ce docker-ce-cli containerd.io

# Dockerの起動と自動起動設定
sudo systemctl enable --now docker

Wingsのインストール:

# Wings設定ディレクトリの作成
sudo mkdir -p /etc/pterodactyl

# Wings最新版のダウンロード
sudo curl -L -o /usr/local/bin/wings "https://github.com/pterodactyl/wings/releases/latest/download/wings_linux_$([[ "$(uname -m)" == "x86_64" ]] && echo "amd64" || echo "arm64")"

# 実行権限の付与
sudo chmod u+x /usr/local/bin/wings

Wingsの設定ファイル取得:

  1. Panelの管理画面にログイン
  2. 左メニューから「Admin」→「Locations」→「Nodes」を選択
  3. 「Create New」で新しいノードを作成
  4. 作成後、「Configuration」タブを開く
  5. 表示される設定内容を/etc/pterodactyl/config.ymlにコピー
sudo nano /etc/pterodactyl/config.yml
# Panel画面の内容を貼り付けて保存

Wingsのサービス登録と起動:

# systemdサービスファイルの作成
sudo curl -o /etc/systemd/system/wings.service https://raw.githubusercontent.com/pterodactyl/wings/v1.0.0/wings.service

# サービスの有効化と起動
sudo systemctl enable --now wings
sudo systemctl status wings

正常に起動すると、Panel側で該当ノードのステータスが「オンライン」に変わります。


SSL証明書の設定とセキュリティ強化

Let’s Encryptによる無料SSL証明書導入

PterodactylをHTTPSで運用するには、SSL証明書が必須です。Let’s Encryptを使用して無料で取得できます。

Certbotのインストール:

# Certbotとnginxプラグインのインストール
sudo apt install -y certbot python3-certbot-nginx

# SSL証明書の取得(nginxの場合)
sudo certbot --nginx -d panel.example.com

# 自動更新の設定
sudo systemctl enable certbot.timer

証明書取得時に、メールアドレスと利用規約への同意が求められます。成功すると、nginx設定が自動的にHTTPS対応に書き換えられます。

手動でのnginx設定(参考):

server {
    listen 80;
    server_name panel.example.com;
    return 301 https://$server_name$request_uri;
}

server {
    listen 443 ssl http2;
    server_name panel.example.com;

    ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/panel.example.com/fullchain.pem;
    ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/panel.example.com/privkey.pem;
    ssl_session_cache shared:SSL:10m;
    ssl_protocols TLSv1.2 TLSv1.3;
    ssl_ciphers 'ECDHE-ECDSA-AES128-GCM-SHA256:ECDHE-RSA-AES128-GCM-SHA256';
    ssl_prefer_server_ciphers off;

    root /var/www/pterodactyl/public;
    index index.php;

    location / {
        try_files $uri $uri/ /index.php?$query_string;
    }

    location ~ \.php$ {
        fastcgi_pass unix:/run/php/php8.2-fpm.sock;
        fastcgi_index index.php;
        fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
        include fastcgi_params;
    }
}

ファイアウォール設定とセキュリティ対策

UFW(Uncomplicated Firewall)の設定:

# UFWのインストールと有効化
sudo apt install -y ufw
sudo ufw default deny incoming
sudo ufw default allow outgoing

# 必要なポートの開放
sudo ufw allow 22/tcp    # SSH
sudo ufw allow 80/tcp    # HTTP
sudo ufw allow 443/tcp   # HTTPS
sudo ufw allow 8080/tcp  # Wings API
sudo ufw allow 2022/tcp  # Wings SFTP

# ゲームサーバーポートの開放(例:Minecraft)
sudo ufw allow 25565/tcp

# UFWの有効化
sudo ufw enable

追加のセキュリティ対策:

  1. SSH鍵認証の設定:パスワード認証を無効化し、公開鍵認証のみを許可
  2. Fail2Banの導入:ブルートフォース攻撃を自動的にブロック
  3. 定期的なアップデートsudo apt update && sudo apt upgradeを週1回実行
  4. バックアップの自動化:データベースとPanel設定を毎日バックアップ
# Fail2Banのインストール
sudo apt install -y fail2ban

# 設定ファイルのコピー
sudo cp /etc/fail2ban/jail.conf /etc/fail2ban/jail.local

# Fail2Banの有効化
sudo systemctl enable --now fail2ban

日本語化と初期設定

日本語言語ファイルの導入

Pterodactyl Panelは標準で英語のみですが、コミュニティが提供する日本語化ファイルを導入できます。

日本語化手順:

# 日本語言語ファイルのダウンロード
cd /var/www/pterodactyl
sudo mkdir -p resources/lang/ja
sudo curl -Lo resources/lang/ja.json https://raw.githubusercontent.com/SKYLABNETWORK/Pterodactyl-Panel-Japanese/master/ja.json

# パーミッション設定
sudo chown -R www-data:www-data resources/lang/

# キャッシュクリア
sudo php artisan config:clear
sudo php artisan view:clear

日本語化ファイルプロジェクト:SKYLABNETWORK/Pterodactyl-Panel-Japanese

Panel画面での言語切り替え:

  1. Panelにログイン後、右上のユーザーアイコンをクリック
  2. 「Account Settings」を選択
  3. 「Language」で「日本語(ja)」を選択
  4. 「Update Account」をクリック

初回ログインと基本設定

管理画面へのアクセス:

ブラウザでhttps://panel.example.comにアクセスし、インストール時に作成した管理者アカウントでログインします。

初期設定の流れ:

  1. ロケーションの作成:「Admin」→「Locations」→「Create New」で、サーバーの物理的な場所(例:「Tokyo Datacenter」)を登録
  2. ノードの作成:「Admin」→「Nodes」→「Create New」で、Wingsが稼働するサーバーを登録
    • FQDN(完全修飾ドメイン名)を正確に入力
    • Locationを選択
    • メモリとディスクの割り当て量を設定
  3. Eggの確認:「Admin」→「Nests」で、利用可能なゲームサーバーテンプレートを確認
  4. サーバーの作成:「Admin」→「Servers」→「Create New」で、最初のゲームサーバーを作成

ゲームサーバーの作成と管理

Minecraftサーバーの作成例

Pterodactyl Panelを使用してMinecraftサーバーを作成する手順です。

手順:

  1. 管理画面で「Admin」→「Servers」→「Create New」をクリック
  2. Basic Detailsタブ:
    • Server Name:「Minecraft Survival Server」
    • Server Owner:サーバー所有者のメールアドレス
    • Nest:「Minecraft」を選択
    • Egg:「Paper」または「Vanilla」を選択
  3. Allocation Managementタブ:
    • Node:作成済みのノードを選択
    • Allocation:利用可能なIPアドレスとポート(デフォルト25565)を選択
  4. Resource Managementタブ:
    • Memory:最低2048MB(推奨4096MB以上)
    • Disk Space:最低5000MB(推奨10000MB以上)
    • CPU Limit:100%(1コア分)
  5. 「Create Server」をクリック

サーバーが作成されると、自動的にDockerコンテナが起動し、Minecraftサーバーがインストールされます。

複数ゲームサーバーの統合管理

Pterodactyl Panelの真価は、複数の異なるゲームサーバーを1つの画面で管理できる点にあります。

対応ゲーム一覧(一部):

  • Minecraft: Vanilla、Paper、Spigot、Forge、Fabric、BungeeCord
  • Rust
  • ARK: Survival Evolved / Ascended
  • Terraria
  • CS:GO / CS2
  • Valheim
  • 7 Days to Die
  • Team Fortress 2
  • Garry’s Mod
  • Project Zomboid

各ゲームに最適化されたEgg(設定テンプレート)が公式で提供されており、追加のEggもコミュニティから入手できます。

マルチゲーム管理のメリット:

  • 統一されたUIで全サーバーの起動・停止・再起動を管理
  • リソース使用状況(CPU、メモリ、ネットワーク)をリアルタイム監視
  • ログファイルをブラウザで直接確認
  • ファイルマネージャーでサーバー設定ファイルを編集
  • スケジュール機能で自動再起動やバックアップを設定

トラブルシューティングとよくある問題

インストール時のエラー対処法

エラー1:「Could not connect to database」

データベース接続エラーです。以下を確認してください。

# MariaDBの起動確認
sudo systemctl status mariadb

# データベースユーザーの確認
sudo mysql -u root -p

MySQL/MariaDBで以下を実行:

CREATE USER 'pterodactyl'@'127.0.0.1' IDENTIFIED BY 'your_password';
GRANT ALL PRIVILEGES ON panel.* TO 'pterodactyl'@'127.0.0.1' WITH GRANT OPTION;
FLUSH PRIVILEGES;

.envファイルのデータベース設定を再確認してください。

エラー2:「Wings is offline」

Wingsがオンラインにならない場合:

# Wingsのログ確認
sudo journalctl -u wings -n 100

# 設定ファイルの確認
sudo cat /etc/pterodactyl/config.yml

# Dockerの起動確認
sudo systemctl status docker

# Wingsの再起動
sudo systemctl restart wings

Panel側でノードのFQDNとWingsの設定ファイルのドメインが一致しているか確認してください。

パフォーマンス最適化のヒント

1. Dockerストレージドライバの最適化

# /etc/docker/daemon.jsonの作成または編集
sudo nano /etc/docker/daemon.json

以下を追加:

{
  "storage-driver": "overlay2",
  "log-driver": "json-file",
  "log-opts": {
    "max-size": "10m",
    "max-file": "3"
  }
}
# Dockerの再起動
sudo systemctl restart docker

2. MariaDBのチューニング

sudo nano /etc/mysql/my.cnf

以下を追加(メモリ8GB以上の場合):

[mysqld]
innodb_buffer_pool_size = 2G
innodb_log_file_size = 256M
max_connections = 200

3. PHP-FPMの最適化

sudo nano /etc/php/8.2/fpm/pool.d/www.conf

以下を調整:

pm = dynamic
pm.max_children = 50
pm.start_servers = 5
pm.min_spare_servers = 5
pm.max_spare_servers = 35

Pterodactyl Panelに最適なVPS環境

Pterodactyl Panelを快適に運用するには、高性能で安定したVPS環境が不可欠です。ここでは、Panel + Wingsの構築に適したVPSサービスを紹介します。

自分のサーバー規模や運用目的に最適なVPSを選ぶには、サーバー比較診断サイトの活用がおすすめです。管理するゲームサーバー数やプレイヤー数を入力することで、最適なプランを提案してもらえます。

ゲーム特化型VPS

ConoHa for GAMEは、ゲームサーバー運用に最適化されたVPSで、Pterodactyl Panelのテンプレートも用意されています。管理画面から数クリックで環境構築が可能で、初心者でも安心して導入できます。時間課金制(1時間単位)のため、テスト環境の構築や短期イベントにも最適です。プランは2GB~64GBまで幅広く、4GBプランで時間課金2.7円/時、月額課金1,065円からとリーズナブルです。自動バックアップ機能も標準搭載され、データ損失のリスクを最小限に抑えられます。

公式サイト:ConoHa for GAME

XServer VPS for Gameは、AMD EPYC™プロセッサーと高速NVMe SSDを採用し、Dockerコンテナの高速起動と安定動作を実現します。Pterodactyl Panelを含む各種ゲームサーバーのテンプレートが用意されており、申し込みから数分で利用開始できます。4GBプランで月額2,200円から、8GBプランで月額4,400円からと、コストパフォーマンスに優れています。国内データセンター運用で低レイテンシを実現し、日本語サポートも充実しています。

公式サイト:XServer VPS for Game

LOLIPOP! for Gamersは、ロリポップが提供するゲーム専用レンタルサーバーで、Pterodactyl Panel向けの設定ガイドも公開されています。管理画面が直感的で、初めてサーバーを立てる方にも優しい設計です。月額料金制で安定したコスト管理が可能で、長期運用に適しています。自動バックアップやセキュリティ対策も標準装備されており、安心して運用できます。

公式サイト:LOLIPOP! for Gamers

汎用性の高いVPSサービス

ConoHa VPSは、時間課金と月額課金を選べる柔軟な料金体系が特徴です。SSD標準搭載で、初期費用無料、すぐに使い始められます。Pterodactyl Panelも問題なく動作し、2GBプランで時間課金2.5円/時、月額課金751円からとリーズナブルです。APIによる自動化にも対応しており、複数ノードの管理にも便利です。スナップショット機能で、構築した環境を丸ごとバックアップできます。

公式サイト:ConoHa VPS

XServer VPSは、ゲーム専用ではないものの、高性能なハードウェアと柔軟なカスタマイズ性が魅力です。root権限が提供されるため、上級者がPterodactyl Panelを細かくチューニングする場合に最適です。2GBプランで月額830円から、4GBプランで月額1,700円からと、低価格帯から始められます。Panel単体での運用や、開発環境との併用にも適しています。

公式サイト:XServer VPS

シンVPSは、エックスサーバー株式会社が提供する新しいVPSサービスで、コストパフォーマンスに優れています。最新のハードウェア構成で、Pterodactyl Panelを快適に動作させることができます。2GBプランで月額820円から、4GBプランで月額1,530円からと、国内VPSの中でも特に低価格です。小規模なPanelやテスト環境の構築に最適な選択肢です。

公式サイト:シンVPS

さくら VPSは、長年の実績を持つ国内大手VPSプロバイダーです。2GBプランで月額1,738円から、4GBプランで月額3,520円からとなっています。サポート体制も充実しており、Pterodactyl Panelのインストールでトラブルが発生した際も安心です。法人利用実績も豊富で、信頼性の高いサービスです。

公式サイト:さくら VPS

大規模運用向けの選択肢

KAGOYA CLOUD VPSは、法人向けにも強いカゴヤが提供するVPSサービスで、高い稼働率と安定性が魅力です。複数のゲームサーバーをPterodactylで長期運用する場合、信頼性重視で選ぶならおすすめです。4GBプランで月額1,540円からと、価格帯も幅広く設定されています。24時間365日の電話サポートがあり、初心者でも安心です。

公式サイト:KAGOYA CLOUD VPS

VPS選びのポイント

Pterodactyl Panelを運用するVPSを選ぶ際は、以下の要素を総合的に判断しましょう。

  1. CPU性能:Dockerコンテナの起動速度と同時実行数に影響(4コア以上推奨)
  2. メモリ容量:Panel + Wings + ゲームサーバーの合計で判断(最低8GB、推奨16GB以上)
  3. ストレージ種類:NVMe SSD > SATA SSD > HDD の順で推奨(ゲームサーバーの起動速度に直結)
  4. ネットワーク帯域:複数プレイヤーの同時接続に影響(100Mbps以上推奨)
  5. サポート体制:初心者は日本語サポートが充実したサービスを選ぶ
  6. 料金体系:短期テストなら時間課金、長期運用なら月額課金が経済的

最適なVPSを選ぶための診断ツールとして、サーバー比較診断サイトを活用すると、運用規模や目的に応じた最適なサーバーを簡単に見つけることができます。


よくある質問(FAQ)

Q1. Pterodactyl Panelは完全無料ですか?

はい、Pterodactyl Panel本体は完全無料のオープンソースソフトウェアです。MIT ライセンスで提供されており、個人利用、商用利用、改変、再配布のすべてが自由に行えます。ただし、Panelを稼働させるためのVPSやドメインの費用は別途必要です。また、コミュニティサポートは無料ですが、公式の有償サポートは提供されていません。

Q2. PterodactylとMulticraftの違いは何ですか?

Pterodactylは完全無料のオープンソースで、Dockerベースの隔離環境を提供し、50種類以上のゲームに対応しています。一方、Multicraftは有償ソフトウェア(年間$15〜)で、主にMinecraftに特化しており、シンプルな管理画面が特徴です。Pterodactylはより高度な機能とカスタマイズ性を提供しますが、初期設定の難易度はやや高めです。大規模運用や複数種類のゲームサーバーを管理する場合は、Pterodactylが優れています。

Q3. Panelと Wingsは別のサーバーに配置できますか?

はい、可能です。むしろ、大規模運用では推奨される構成です。Panel(管理UI)を1台のVPSに設置し、複数のWings(実行環境)を別々の物理サーバーに配置することで、負荷分散とスケーラビリティが実現できます。例えば、Panel用に2GBのVPS、各Wingsノード用に8GB以上のVPSを用意するといった構成が一般的です。Panelからは複数のWingsノードを統一的に管理できます。

Q4. v1.11.10以前のバージョンを使用していますが、アップデートは必須ですか?

はい、即座のアップデートが強く推奨されます。v1.11.10以前には、CVE-2025-49132(CVSS 10.0)の重大なセキュリティ脆弱性が存在し、認証なしでサーバーが乗っ取られるリスクがあります。既に攻撃ツールが公開されており、実際の攻撃事例も報告されています。バックアップを取得した上で、公式のアップデート手順に従ってv1.11.11以降にアップグレードしてください。ワークアラウンドは存在せず、バージョンアップが唯一の対策です。

Q5. Pterodactyl Panelで管理できるゲームサーバー数の上限はありますか?

技術的な上限はありませんが、実用上はVPSのスペックによって制限されます。Panel自体は軽量で、4GB RAMのVPSでも50台以上のサーバーを管理できます。ただし、実際にゲームサーバーを稼働させるWingsノードは、各ゲームのメモリ要求に応じて十分なリソースが必要です。例えば、Minecraftサーバーを10台稼働させるには、Wingsノードに最低20GB(1台あたり2GB)のRAMが必要です。大規模運用では、複数のWingsノードを用意して負荷を分散させることが推奨されます。


まとめ

Pterodactyl Panel v1.11.11は、重大なセキュリティ脆弱性を修正した必須アップデート版であり、新規導入・既存環境のアップデートともに最優先で実施すべきです。自動インストールスクリプトを使用すれば、Linux初心者でも30分程度でフル環境を構築でき、Minecraft、ARK、Rust、Terrariaなど多様なゲームサーバーを統一的に管理できます。Panel + Wingsのアーキテクチャにより、小規模な個人サーバーから大規模ホスティング事業まで柔軟にスケールします。

高性能なVPS環境の選択も重要です。ConoHa for GAMEやXServer VPS for Gameなど、ゲームサーバーに最適化されたサービスを活用することで、より安定した運用が可能になります。サーバー比較診断サイトで自分の運用規模に合ったVPSを見つけ、Pterodactyl Panelと組み合わせることで、最高のゲームサーバー管理環境を構築しましょう。


出典

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