冒頭の直接回答
マインクラフトのデータパック(Datapack)は、Java版限定でゲーム内容を拡張できる公式機能です。バニラの範囲内でコマンド、関数、レシピ、進捗などを追加でき、MODとは異なりクライアント側の改造は不要です。pack.mcmetaファイルとフォルダ構造を正しく作成すれば、初心者でも簡単に導入・作成が可能です。
要点
- Java版限定の公式ゲーム拡張機能(統合版では利用不可)
- MODと違いクライアントの改造不要で安全に使用可能
- pack format 48(1.21対応)が2025年現在の最新仕様
- Vanilla Tweaksなど人気配布サイトで豊富なパックが入手可能
- ワールドごとに個別導入でき、いつでも有効/無効の切り替えが可能
データパックとは何か?
基本概念
データパック(Data Pack)は、Minecraft Java Edition 1.13で導入された公式のゲーム拡張機能です。ゲームのコアファイルを変更することなく、以下の要素を追加・変更できます:
- 関数(Functions):コマンドの集合体
- 進捗(Advancements):カスタム実績
- レシピ(Recipes):クラフトレシピの変更・追加
- ルートテーブル(Loot Tables):ドロップアイテムの変更
- 構造物(Structures):建造物の追加
- ワールド生成設定:地形生成のカスタマイズ
MODとの違い
項目 | データパック | MOD |
---|---|---|
対象版 | Java版のみ | Java版のみ |
導入方法 | ワールドフォルダに配置 | Forge/Fabricが必要 |
安全性 | 公式機能のため安全 | 第三者製のため注意が必要 |
互換性 | バニラクライアントで動作 | 専用クライアントが必要 |
制限 | バニラの範囲内 | ゲームエンジンレベルで改造可能 |
データパックの導入方法
STEP 1: データパックの入手
- 配布サイトからダウンロード
- ファイル形式の確認
- ZIPファイル:そのまま使用
- フォルダ:解凍済みの状態
STEP 2: シングルプレイでの導入
- マインクラフトを起動
- シングルプレイ → 対象ワールドを選択
- 「編集」ボタンをクリック
- 「ワールドフォルダーを開く」を選択
- datapacksフォルダを開く
- ダウンロードしたデータパックを配置
- ワールドに入り
/reload
コマンドを実行
STEP 3: マルチプレイでの導入
- サーバーフォルダを開く
- world(またはワールド名)フォルダ → datapacksフォルダを開く
- データパックを配置
- サーバーコンソールで
reload
コマンドを実行
データパック作成の基礎
基本フォルダ構造
my_datapack/
├── pack.mcmeta
├── pack.png(任意)
└── data/
└── namespace/
├── functions/
│ └── example.mcfunction
├── advancements/
├── recipes/
└── loot_tables/
pack.mcmetaファイルの作成
1.21対応版(pack format 48)
Copy{
"pack": {
"pack_format": 48,
"description": "私の最初のデータパック"
}
}
マルチバージョン対応版
Copy{
"pack": {
"pack_format": 48,
"description": "マルチバージョン対応パック",
"supported_formats": {
"min_inclusive": 41,
"max_inclusive": 48
}
}
}
Pack Format一覧表
バージョン | Pack Format | リリース日 |
---|---|---|
1.21.0 | 48 | 2024年6月 |
1.20.5-1.20.6 | 41 | 2024年4月 |
1.20.2-1.20.4 | 26 | 2023年9月 |
1.19.4 | 12 | 2023年3月 |
1.19.0-1.19.3 | 10 | 2022年6月 |
関数(Functions)の基本
基本的な関数ファイル
ファイル名: data/example/functions/hello.mcfunction
# プレイヤーにメッセージを表示
tellraw @a {"text":"データパックが正常に動作しています!","color":"green"}
# サウンドを再生
playsound minecraft:entity.experience_orb.pickup master @a ~ ~ ~ 1 1
# パーティクルエフェクトを表示
particle minecraft:heart ~ ~2 ~ 0.5 0.5 0.5 0 10
関数の実行方法
- チャットコマンド:
/function example:hello
- コマンドブロック:
function example:hello
- 他の関数から:
function example:hello
常時実行の設定
load.json(初回読み込み時実行)
Copy{
"values": [
"example:setup"
]
}
tick.json(毎tick実行)
Copy{
"values": [
"example:main_loop"
]
}
おすすめデータパック紹介
1. Vanilla Tweaks
概要: バニラの雰囲気を保ちながら便利機能を追加する人気パック群
主な機能:
- Player Head Drops:プレイヤーキルで頭をドロップ
- More Mob Heads:全MOBの頭が入手可能
- Wandering Trades:行商人の取引内容拡充
- Anti Enderman Grief:エンダーマンのブロック破壊防止
導入方法:
- Vanilla Tweaks公式サイトにアクセス
- 欲しい機能をチェック
- 「Download Zip」でパックをダウンロード
- 通常の手順で導入
2. 人気の単体データパック
パック名 | 機能 | 対応バージョン |
---|---|---|
Timber | 木を一括破壊 | 1.15+ |
Vein Mining | 鉱石を一括破壊 | 1.15+ |
Graves | 死亡時に墓を生成 | 1.16+ |
Multiplayer Sleep | 一部プレイヤーが寝るだけで夜をスキップ | 1.13+ |
Armor Statues | 防具立てのポーズ変更 | 1.14+ |
3. 大型拡張パック
Incendium
- ネザーの大幅リニューアル
- 新構造物・新MOB・新アイテム追加
- 冒険要素の大幅強化
Terralith
- 100種類以上の新バイオーム
- バニラの雰囲気を保持
- 既存ワールドにも適用可能
トラブルシューティング
よくあるエラーと対処法
1. データパックが認識されない
- pack.mcmetaファイルの文法エラー確認
- pack formatがバージョンに対応しているか確認
- フォルダ名に使えない文字が含まれていないか確認
2. 関数が実行されない
- ファイル拡張子が
.mcfunction
になっているか確認 - 名前空間(namespace)が正しく設定されているか確認
/reload
コマンドが実行されているか確認
3. 複数のデータパックが競合する
- 同じ要素を変更するパック同士は競合する可能性
- 導入順序を変更して問題を特定
- 必要に応じて競合するパックの一時無効化
マルチプレイサーバーでのデータパック活用
データパックを本格的に活用するなら、専用サーバーでの運用が最適です。友人との協力プレイや大規模なカスタムゲームモードの実現が可能になります。
ConoHa for GAME
ConoHa for GAMEは、マインクラフトサーバーに最適化されたVPSサービスです。
- 特徴: データパック対応・自動バックアップ・簡単導入
- 料金: 月額1,065円〜
- メリット: 初期費用0円・24時間稼働・管理画面が分かりやすい
XServer VPS for Game
エックスサーバーが提供するゲーム専用VPSサービスです。
- 特徴: 高性能CPU・SSD標準・充実サポート
- 料金: 月額1,150円〜
- 対応: Java版完全対応・データパック・プラグイン両対応
LOLIPOP! for Gamers
ロリポップのゲーマー向けVPSサービスで、マイクラサーバー構築に特化しています。
- 特徴: ワンクリック構築・日本語サポート・データパック対応
- 料金: 月額1,500円〜
- 利点: 初心者にも優しい管理画面・充実したドキュメント
よくある質問(FAQ)
Q1. データパックは統合版(BE)でも使えますか?
いいえ、データパックはJava版(JE)専用の機能です。 統合版では「ビヘイビアーパック」という類似機能がありますが、仕様が異なります。統合版でカスタマイズを行いたい場合は、マーケットプレイスのアドオンやMODを利用してください。
Q2. 既存のワールドにデータパックを後から追加できますか?
はい、既存のワールドにもいつでもデータパックを追加できます。 ワールドのdatapacksフォルダにファイルを配置し、ゲーム内で/reload
コマンドを実行するだけです。また、不要になったデータパックはファイルを削除して/reload
することで無効化できます。
Q3. データパックを自作する際の注意点は?
pack.mcmetaファイルの文法とpack formatの指定が最重要です。 JSON形式で記述し、使用するマインクラフトのバージョンに対応したpack formatを指定してください。1.21では48、1.20.5-1.20.6では41です。また、関数ファイルは拡張子を.mcfunction
にし、名前空間を適切に設定することが必要です。
Q4. 複数のデータパックを同時に使用できますか?
基本的には可能ですが、競合に注意が必要です。 同じ要素(レシピ、ルートテーブルなど)を変更する複数のデータパックは競合する可能性があります。競合が発生した場合は、データパックの読み込み順序を変更するか、競合する機能の一部を無効化して対処してください。
Q5. サーバーにデータパックを導入する方法は?
サーバーのワールドフォルダ内のdatapacksフォルダに配置します。 具体的には、サーバーフォルダ内の「world」(またはワールド名)フォルダ → 「datapacks」フォルダにデータパックを置き、サーバーコンソールでreload
コマンドを実行してください。プレイヤー側での特別な設定は不要です。
まとめ
マインクラフトのデータパックは、バニラの範囲内でゲームを大幅に拡張できる優秀な公式機能です。MODとは異なり安全性が高く、導入も簡単で、Java版であれば誰でも手軽に利用できます。
基本的な導入方法をマスターし、Vanilla Tweaksなどの人気パックから始めて、最終的には自分だけのオリジナルデータパックを作成してみましょう。pack.mcmetaファイルの作成から関数の記述まで、一歩ずつ学習を進めることで、マインクラフトの可能性を大幅に広げることができます。
今すぐVanilla Tweaks公式サイトでお気に入りのデータパックを見つけて、新しいマインクラフト体験を始めてみてください。