【2025年10月最新】Azure VPSでマイクラサーバー構築完全ガイド|B1sプラン・NSG・IOPS最適化

Azure VPSを使ったマイクラサーバー構築は、仮想マシン(VM)の作成、ネットワークセキュリティグループ(NSG)の設定、Javaまたはサーバーソフトのインストール、ポート開放という4つのステップで完了します。Standard B2sプランなら2コア4GBメモリで月額約6,000円、10人未満のプレイに最適です。

要点

  • Azure仮想マシンはB1s(1コア1GB)からB2s(2コア4GB)まで幅広く選択可能で、プレイ人数に応じた柔軟なスペック調整が可能
  • ネットワークセキュリティグループでポート25565(Java版)または19132(統合版)を開放すれば外部接続が実現
  • 永続ディスクの接続によりサーバーデータの保護が可能で、VM停止後もワールドデータが保持される
  • 初回利用者は一部プランで月750時間の無料枠があり、コストを抑えた試用が可能
  • 日本国内の専用VPSサービス(XServer VPS、ConoHa for GAME等)と比較して技術的カスタマイズの自由度が高い

目次

Azure VPSとは?マイクラサーバー構築のメリット

Azure VPSは、Microsoft Azureが提供するクラウド型の仮想プライベートサーバー(Virtual Private Server)サービスです。マイクラサーバーのホスティングに利用する場合、以下のような特徴があります。

Azure VPSの主な特徴

  • グローバル規模のデータセンターネットワークにより、低遅延な接続環境を実現
  • 従量課金制により、使った分だけの支払いで無駄なコストを削減
  • スケールアップ・スケールダウンが容易で、プレイヤー数の増減に柔軟に対応可能
  • 自動バックアップや冗長化などのエンタープライズ機能を標準装備

Microsoftの公式ドキュメントによれば、10人未満のプレイヤーであればStandard B2s(2コア4GBメモリ)で快適に動作します。大規模なMODサーバーや20人以上の同時接続を想定する場合は、より上位のプラン(B4ms以上)が推奨されます。


プレイ人数別:推奨スペックと料金

マイクラサーバーに必要なスペックは、同時接続プレイヤー数、導入するMOD/プラグインの種類、ワールドサイズによって大きく変動します。以下は2025年10月時点の推奨構成です。

プレイ人数推奨プランCPUメモリ月額料金(目安)適用シーン
2~5人B1s1コア1GB約1,200円バニラサーバー、軽量MOD
5~10人B2s2コア4GB約6,000円標準的なプラグインサーバー
10~20人B4ms4コア16GB約24,000円大型MODパック、複数ワールド
20人以上B8ms以上8コア32GB約48,000円~本格的なコミュニティサーバー

料金の最適化ポイント

  • 利用していない時間帯にVMを停止することで課金を抑制(ストレージ料金のみ継続)
  • 予約インスタンス(1年または3年契約)により最大72%のコスト削減が可能
  • 初回利用者は特定プラン(B1s等)で月750時間の無料枠を利用可能

Azure VPSでマイクラサーバーを構築する手順

1. リソースグループの作成

リソースグループは、Azure上のリソース(仮想マシン、ストレージ、ネットワーク等)を論理的にまとめる単位です。

手順

  1. Azure Portalにサインイン
  2. 左メニューから「リソースグループ」を選択
  3. 「追加」をクリックし、以下を入力
  • リソースグループ名:例「minecraft-server-rg」
  • リージョン:日本東部(East Japan)または日本西部(West Japan)を推奨
  1. 「確認および作成」→「作成」をクリック

2. 仮想マシンの作成

手順

  1. Azure Portalで「仮想マシン」を検索し「作成」を選択
  2. 基本設定タブで以下を入力
  • サブスクリプション:使用するAzureサブスクリプション
  • リソースグループ:先ほど作成したリソースグループを選択
  • 仮想マシン名:例「minecraft-server-vm」
  • リージョン:東日本または西日本
  • イメージ:Ubuntu Server 24.04 LTS(推奨)またはWindows Server 2022
  • サイズ:Standard B2s(2コア、4GBメモリ)
  • 認証の種類:パスワードまたはSSHキー
  • ユーザー名とパスワード:管理用アカウント情報を設定
  1. ディスクタブ
  • OS ディスクの種類:Premium SSD(推奨)またはStandard SSD
  • データディスクの追加:「新しいディスクの作成とアタッチ」を選択
    • サイズ:50GB以上(ワールドデータ保存用)
    • ディスクの種類:Premium SSD
  1. ネットワークタブ
  • 仮想ネットワーク:新規作成(デフォルトで問題なし)
  • パブリックIPアドレス:新規作成(静的割り当てを選択)
  • NIC ネットワークセキュリティグループ:詳細
  • ネットワークセキュリティグループの構成:次のセクションで詳細解説

3. 永続ディスクの初期化(Linux)

SSH経由でVMに接続後、以下のコマンドを実行します。

# ディスクの確認
lsblk

# パーティション作成(/dev/sdcがデータディスクの場合)
sudo fdisk /dev/sdc
# n → p → 1 → Enter → Enter → w

# ファイルシステムの作成
sudo mkfs.ext4 /dev/sdc1

# マウントポイントの作成
sudo mkdir /mnt/minecraft-data

# ディスクのマウント
sudo mount /dev/sdc1 /mnt/minecraft-data

# 自動マウントの設定(/etc/fstabに追記)
echo '/dev/sdc1 /mnt/minecraft-data ext4 defaults 0 0' | sudo tee -a /etc/fstab

ネットワークセキュリティグループ(NSG)の設定方法

NSGはAzure仮想マシンへの通信を制御するファイアウォールです。マイクラサーバーではポート開放が必須です。

Java版の場合(ポート25565/TCP)

受信規則の追加手順

  1. 仮想マシンの作成画面で「ネットワーク」タブを選択
  2. 「ネットワークセキュリティグループの構成」で「詳細」を選択
  3. 「新規作成」をクリック
  4. 「受信規則の追加」で以下を設定
  • ソース:Any
  • ソースポート範囲:*
  • 宛先:Any
  • 宛先ポート範囲:25565
  • プロトコル:TCP
  • アクション:許可
  • 優先度:100
  • 名前:Minecraft-Java-Port

統合版(Bedrock Edition)の場合(ポート19132/UDP)

同様の手順で以下の設定を追加:

  • 宛先ポート範囲:19132
  • プロトコル:UDP
  • 名前:Minecraft-Bedrock-Port

OSレベルのファイアウォール設定(Ubuntu)

# ファイアウォールの有効化
sudo ufw enable

# Java版の場合
sudo ufw allow 25565/tcp

# 統合版の場合
sudo ufw allow 19132/udp

# SSH接続維持のため
sudo ufw allow 22/tcp

# 設定確認
sudo ufw status

Minecraftサーバーソフトのインストールと起動

Java版サーバーのインストール(Ubuntu)

# Java 21のインストール(2025年最新の推奨バージョン)
sudo apt update
sudo apt install openjdk-21-jre-headless -y

# サーバーディレクトリの作成
cd /mnt/minecraft-data
sudo mkdir minecraft-server
cd minecraft-server

# 最新のサーバーJARファイルをダウンロード
sudo wget https://piston-data.mojang.com/v1/objects/[最新バージョンのハッシュ]/server.jar

# EULAへの同意
echo "eula=true" | sudo tee eula.txt

# サーバーの起動スクリプト作成
cat << 'EOF' | sudo tee start.sh
#!/bin/bash
java -Xmx3G -Xms3G -XX:+UseG1GC -XX:+ParallelRefProcEnabled -XX:MaxGCPauseMillis=200 -XX:+UnlockExperimentalVMOptions -XX:+DisableExplicitGC -XX:G1HeapRegionSize=32M -jar server.jar nogui
EOF

sudo chmod +x start.sh

# サーバー起動
sudo ./start.sh

最新のサーバーJARファイルはMinecraft公式サイトから取得してください。

統合版サーバーのインストール(Ubuntu)

# 必要なパッケージのインストール
sudo apt update
sudo apt install unzip -y

# サーバーファイルのダウンロード
cd /mnt/minecraft-data
sudo wget https://minecraft.azureedge.net/bin-linux/bedrock-server-[バージョン].zip
sudo unzip bedrock-server-[バージョン].zip -d bedrock-server
cd bedrock-server

# 実行権限の付与
sudo chmod +x bedrock_server

# サーバー起動
sudo LD_LIBRARY_PATH=. ./bedrock_server

最新版のダウンロードリンクはMinecraft Bedrock公式で確認してください。


メモリ割り当ての最適化

マイクラサーバーのパフォーマンスはメモリ割り当て設定に大きく依存します。

推奨メモリ割り当て

サーバー規模推奨メモリJVMオプション例
バニラ(5人以下)2~3GB-Xmx3G -Xms2G
プラグイン導入(10人)4~6GB-Xmx6G -Xms4G
大型MODパック8~12GB-Xmx12G -Xms8G

最適化されたJVM起動オプション

java -Xmx6G -Xms6G \
  -XX:+UseG1GC \
  -XX:+ParallelRefProcEnabled \
  -XX:MaxGCPauseMillis=200 \
  -XX:+UnlockExperimentalVMOptions \
  -XX:+DisableExplicitGC \
  -XX:+AlwaysPreTouch \
  -XX:G1HeapRegionSize=32M \
  -XX:G1NewSizePercent=30 \
  -XX:G1MaxNewSizePercent=40 \
  -XX:G1HeapWastePercent=5 \
  -XX:G1MixedGCCountTarget=4 \
  -XX:InitiatingHeapOccupancyPercent=15 \
  -XX:G1MixedGCLiveThresholdPercent=90 \
  -XX:G1RSetUpdatingPauseTimePercent=5 \
  -XX:SurvivorRatio=32 \
  -XX:+PerfDisableSharedMem \
  -XX:MaxTenuringThreshold=1 \
  -jar server.jar nogui

これらのオプションは、Aikars Flagsとして知られる業界標準の最適化設定です。


トラブルシューティング:よくある問題と解決策

問題1:サーバーに接続できない

原因と対処法

  1. NSGの設定確認
  • Azure Portalで該当VMの「ネットワーク」→「受信ポートの規則」を確認
  • 25565(Java版)または19132(統合版)が許可されているか確認
  1. OSレベルのファイアウォール
   sudo ufw status
   # 該当ポートが許可されていない場合
   sudo ufw allow 25565/tcp
  1. サーバーが起動しているか確認
   sudo netstat -ntlp | grep LISTEN
   # 25565または19132がLISTEN状態か確認

問題2:メモリ不足エラー

対処法

  • JVMオプションの-Xmx値を調整(VMの物理メモリの70%程度が目安)
  • 不要なプラグイン/MODを削除
  • ワールドの描画距離をserver.propertiesで調整(view-distance=8など)

問題3:ラグが発生する

原因と対処法

  1. エンティティの過剰生成
  • /kill @e[type=!player]コマンドで不要なエンティティを削除
  • スポーンチャンクの範囲を最小化
  1. TPS(Ticks Per Second)の低下
  • /tpsコマンドで確認(20.0が理想値)
  • Paperなどの最適化されたサーバーソフトへの切り替えを検討

おすすめの国内VPSサービス比較

Azureは技術的な自由度が高い一方、設定の複雑さがあります。国内専用VPSサービスは、マイクラサーバーに特化した簡単セットアップが魅力です。ここでは、特におすすめのサービスをご紹介します。

XServer VPS for Game

XServer VPS for Gameは、エックスサーバー株式会社が提供するゲーム特化型VPSサービスです。マイクラサーバーの自動構築機能により、初心者でも5分でサーバーを立ち上げられます。

主な特徴

  • ワンクリックでマイクラサーバー構築:Java版・統合版の両方に対応し、申込時に選択するだけで自動セットアップ
  • 高性能CPU搭載:AMD EPYC™プロセッサーにより、他社比較で約1.5倍の処理速度
  • 24時間365日サポート:日本語での電話・メールサポートで安心
  • スケール自由度:2GBから64GBまで、プレイ人数に応じた柔軟なプラン変更
プランCPUメモリSSD月額料金推奨人数
2GBプラン3コア2GB50GB830円4人以下
4GBプラン4コア4GB100GB1,700円5~10人
8GBプラン6コア8GB100GB3,201円10~20人

公式サイトXServer VPS for Game


ConoHa for GAME

ConoHa for GAMEは、GMOインターネットグループが提供するゲーム専用VPSで、時間課金制が特徴です。短期間の利用や試用に最適です。

主な特徴

  • 時間単位の課金:最低1時間から利用可能で、使わない時間は停止してコスト削減
  • テンプレート機能:Minecraft Manager搭載で、ブラウザから簡単にサーバー管理
  • MOD/プラグイン対応:Forgeや Bukkitなど主要サーバーソフトに対応
  • 自動バックアップ:無料で最大14日分の自動バックアップ
プランCPUメモリSSD時間料金月額上限推奨人数
2GBプラン3コア2GB100GB3.7円/時1,065円4人以下
4GBプラン4コア4GB100GB7.3円/時2,118円5~10人
8GBプラン6コア8GB100GB14.5円/時4,219円10~20人

公式サイトConoHa for GAME


さくらのVPS

さくらのVPSは、20年以上の運営実績を持つ老舗VPSサービスです。安定性と低価格が魅力で、長期運用に適しています。

主な特徴

  • 業界最安値級の料金:512MBプランが月額590円から利用可能
  • 豊富なOS選択肢:Ubuntu、CentOS、Debian、Windows Server等に対応
  • 石狩データセンター:北海道の大規模データセンターで安定稼働
  • スタートアップスクリプト:マイクラサーバーの自動インストールスクリプトを公式提供
プランCPUメモリSSD月額料金推奨人数
1GBプラン2コア1GB50GB643円2~4人
2GBプラン3コア2GB100GB1,738円5~10人
4GBプラン4コア4GB200GB3,520円10~15人

公式サイトさくらのVPS


シンVPS

シンVPSは、エックスサーバー株式会社が新たに提供する高速VPSサービスです。2025年に大幅なスペック強化が行われ、コストパフォーマンスが向上しています。

主な特徴

  • NVMe SSD搭載:従来のSSDより3~5倍高速な読み書き速度
  • KVMハイパーバイザー採用:他ユーザーの影響を受けにくい完全仮想化
  • 無料お試し期間:2週間の無料トライアル実施中
  • 低遅延ネットワーク:国内主要ISPとの直接接続により低レイテンシを実現
プランCPUメモリNVMe SSD月額料金推奨人数
2GBプラン3コア2GB150GB820円4人以下
4GBプラン4コア4GB200GB1,530円5~10人
8GBプラン6コア8GB400GB3,040円10~20人

公式サイトシンVPS


KAGOYA CLOUD VPS

KAGOYA CLOUD VPSは、カゴヤ・ジャパン株式会社が提供する老舗ホスティング企業のVPSサービスです。大容量プランが充実しており、大規模サーバー向けに最適です。

主な特徴

  • 大容量メモリプラン:最大64GBまでのメモリを選択可能
  • 東京・大阪リージョン:国内2拠点でデータセンターを運営
  • 電話サポート対応:平日10:00~17:00の電話サポートあり
  • 日額課金制:月の途中からの契約でも日割り計算で無駄がない
プランCPUメモリSSD月額料金推奨人数
2コア2GBプラン2コア2GB25GB979円4人以下
4コア4GBプラン4コア4GB30GB2,200円5~10人
6コア8GBプラン6コア8GB50GB4,180円10~20人

公式サイトKAGOYA CLOUD VPS


サーバー比較診断ツール

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