※本記事は2025年6月時点の情報に基づいて執筆されています。内容の正確性には万全を期していますが、最新情報は各公式サイトをご確認ください。
どうも！ゲーマーなら一度は経験したことがあるはず…「配信開始したら数分で切れる」「ストリームキーエラーで配信が始まらない」といったOBSの悩み。
特に大事な場面での配信切断は、視聴者にも申し訳ないし、自分のモチベーションも下がりますよね。この記事では、OBS配信のトラブルを根本から解決し、安定した高品質配信を実現する方法を徹底解説します！
OBS配信エラーの主要原因
ストリームキーエラーの種類
1. 接続エラー系
| エラーメッセージ | 原因 | 解決法 |
|---|---|---|
| “Failed to connect to server” | サーバー接続失敗 | RTMPサーバー確認・変更 |
| “Stream key invalid” | ストリームキー不正 | 新しいキーを取得・設定 |
| “Connection timed out” | タイムアウト | ネットワーク設定確認 |
| “Authentication failed” | 認証失敗 | アカウント・権限確認 |
2. 回線・パフォーマンス系
| 症状 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 頻繁な配信切断 | アップロード速度不足 | ビットレート下げる |
| フレーム落ち | CPU・GPU負荷過多 | エンコード設定調整 |
| 音声遅延 | バッファ設定不適切 | オーディオ設定最適化 |
| 画質劣化 | 圧縮設定不適切 | エンコード品質向上 |
なぜ配信が切れるのか？
ネットワーク要因（70%）
- アップロード速度の不安定性
- ISPの帯域制限
- ルーター・モデムの過熱
- 同一ネットワークでの他デバイス使用
OBS設定要因（20%）
- ビットレート設定過多
- エンコード設定不適切
- 出力解像度・FPS過高
- プラグイン・フィルター過多
プラットフォーム要因（10%）
- 配信サーバーの不調
- プラットフォーム側の制限
- メンテナンス・障害
配信プラットフォーム別設定
YouTube Live設定
1. ストリームキー取得
1. YouTube Studio (studio.youtube.com) にアクセス
2. 左メニュー「ライブ配信」→「ストリーム」
3. 「ストリームキーを作成」または既存キー選択
4. ストリームキーとサーバーURLをコピー
YouTube推奨設定（2025年版）
サーバー: rtmp://a.rtmp.youtube.com/live2/
ビットレート: 2,500-4,000 kbps
解像度: 1920×1080
フレームレート: 30fps または 60fps
エンコーダー: H.264
オーディオ: 128 kbps, 48kHz
2. OBS設定手順
1. OBS → 設定 → 配信
2. サービス: YouTube / YouTube - RTMPS
3. サーバー: Primary YouTube ingest server
4. ストリームキー: 取得したキーを貼り付け
5. 帯域幅テストを有効化 (推奨)
Twitch設定
1. ストリームキー取得
1. Twitch Creator Dashboard にアクセス
2. 設定 → ストリーム
3. 「プライマリストリームキー」をコピー
4. 「ストリームキーの表示」をクリックして確認
Twitch推奨設定
サーバー: 最寄りのTwitchサーバー
ビットレート: 1,000-6,000 kbps (パートナー以外は6,000kbps上限)
解像度: 1920×1080
フレームレート: 30fps または 60fps
エンコーダー: H.264
オーディオ: 160 kbps, 48kHz
#### 2. 最適サーバー選択
- OBS → 設定 → 配信
- サービス: Twitch
- サーバー: Auto (Recommended) または手動選択
- 手動選択時は最寄りの地域サーバーを選択
- Asia: Tokyo, Japan
- Asia: Seoul, South Korea
- Asia: Singapore
### その他プラットフォーム
#### Discord Go Live
ビットレート: 最大2,500 kbps 解像度: 1080p最大 フレームレート: 30fps推奨 制限: Nitroユーザーのみ高品質配信可能
#### ニコニコ生放送
ビットレート: 最大2,000 kbps (プレミアム) 解像度: 1280×720推奨 フレームレート: 30fps エンコード: H.264必須
## OBS最適化設定完全ガイド
### 基本設定の最適化
#### 1. 出力設定
**配信タブ**
出力モード: 詳細 エンコーダー: ハードウェア (NVENC/AMD) または x264 レート制御: CBR (一定ビットレート) ビットレート: 回線速度の80%以下に設定 キーフレーム間隔: 2秒 プリセット: Quality (NVENC) / veryfast (x264) プロファイル: high 調整: なし
**録画タブ（同時録画する場合）**
種類: 標準 録画フォーマット: mp4 エンコーダー: 配信と別のエンコーダー使用推奨 レート制御: CQP または CRF CQ レベル: 20-23 (低いほど高画質)
#### 2. 音声設定
サンプリングレート: 48kHz チャンネル: ステレオ 配信音声ビットレート: 128 kbps 録画音声ビットレート: 192 kbps (録画時)
音声詳細プロパティ:
- デスクトップ音声: モノラルダウンミックス無効
- マイク音声: ノイズ抑制、ノイズゲート有効
- 音声監視: モニターオフ（フィードバック防止）
#### 3. 映像設定
基本キャンバス解像度: モニター解像度 出力スケール解像度: 1920×1080 (フルHD) FPS共通値: 30 または 60 縮小フィルター: Lanczos（高品質）
### ハードウェア別エンコード設定
#### NVIDIA GPU (NVENC)
**RTX 4000シリーズ以降推奨設定**
エンコーダー: NVIDIA NVENC H.264 (new) レート制御: CBR ビットレート: 4,000-6,000 kbps 最大ビットレート: ビットレート×1.1 キーフレーム間隔: 2 プリセット: P5: Slow (Better Quality) 調整: High Quality プロファイル: high 先読みフレーム: 有効 心理視覚的調整: 有効 GPU: 0 最大Bフレーム: 2
**RTX 3000シリーズ設定**
エンコーダー: NVIDIA NVENC H.264 (new) プリセット: P4: Medium その他は上記と同じ
#### AMD GPU (VCE/VCN)
**RX 6000/7000シリーズ推奨設定**
エンコーダー: AMD HW H.264 (AVC) レート制御: CBR ビットレート: 3,000-5,000 kbps プリセット: Quality プロファイル: High キーフレーム間隔: 2秒
#### CPU エンコード (x264)
**高性能CPU (Core i7/i9, Ryzen 7/9) 設定**
エンコーダー: x264 レート制御: CBR ビットレート: 2,500-4,000 kbps CPU使用のプリセット: veryfast プロファイル: high 調整: なし
**ミドルレンジCPU設定**
CPU使用のプリセット: superfast または ultrafast ビットレート: 2,000-3,000 kbps に下げる
## 回線品質診断と最適化
### 回線速度テスト
#### 1. 推奨テストツール
**一般的な速度テスト**
- Speedtest.net
- Fast.com (Netflix)
- Google Speed Test
**配信特化テスト**
- OBS Bandwidth Test Plugin
- Twitch Inspector
- YouTube Live Streaming Test
#### 2. 配信に必要な回線速度
| 配信品質 | 推奨アップロード速度 | ビットレート設定 | 用途 |
|---------|-------------------|-----------------|------|
| **低画質 (720p30)** | 3-5 Mbps | 1,500-2,500 kbps | 回線不安定時 |
| **標準 (1080p30)** | 5-8 Mbps | 3,000-4,000 kbps | 一般的な配信 |
| **高画質 (1080p60)** | 8-12 Mbps | 4,500-6,000 kbps | ゲーム配信 |
| **最高画質 (1440p60)** | 12-20 Mbps | 8,000-12,000 kbps | プロ配信者 |
#### 3. 安定性重視の設定
```bash
# 回線安定性チェックコマンド（Windows）
ping -t 8.8.8.8
# パケットロステスト
ping -n 100 youtube.com
# 継続的な速度監視
# PowerShellスクリプト例
while ($true) {
Test-NetConnection -ComputerName speedtest.net -Port 80
Start-Sleep 30
}
ネットワーク最適化
1. ルーター設定
QoS (Quality of Service) 設定
1. ルーター管理画面にアクセス
2. QoS設定メニューを開く
3. 配信用PCのMACアドレスを最優先に設定
4. アップロード帯域を配信に80%割り当て
5. ゲーミングモード有効化（対応機種）
推奨ルーター設定
WiFi 6 (802.11ax) 対応ルーター使用
5GHz帯域でPC接続
チャンネル幅: 80MHz または 160MHz
暗号化: WPA3 (WPA2最低限)
ビームフォーミング: 有効
MU-MIMO: 有効
2. PC側ネットワーク設定
Windows ネットワーク最適化
Copy# ネットワークアダプターの最適化
netsh int tcp set global autotuninglevel=normal
netsh int tcp set global chimney=enabled
netsh int tcp set global rss=enabled
netsh int tcp set global netdma=enabled
# TCP ウィンドウスケーリング
netsh int tcp set global autotuninglevel=experimental
有線接続推奨設定
Ethernet アダプター プロパティ:
- フロー制御: 無効
- 割り込み節制: 最小
- 受信バッファー: 最大
- 送信バッファー: 最大
- TCP/UDP チェックサムオフロード: 有効
トラブルシューティング
よくあるエラーと解決法
エラー1: “配信開始後すぐに切断”
原因分析
1. ビットレート過多
2. 不安定な回線
3. サーバー選択ミス
4. ISP制限
解決手順
STEP1: ビットレート下げ（50%に設定）
STEP2: 出力解像度下げ（720pに変更）
STEP3: フレームレート下げ（30fpsに変更）
STEP4: 別サーバー試行
STEP5: 有線接続確認
エラー2: “ストリームキー無効”
解決手順
1. 配信プラットフォームで新しいキー生成
2. OBS設定で古いキーを完全削除
3. 新しいキーをコピー&ペースト
4. 余分なスペース・改行文字除去確認
5. OBS再起動
6. 配信テスト実行
エラー3: “フレーム落ち多発”
CPU使用率チェック
タスクマネージャーで確認項目:
- OBS CPU使用率: 80%以下が理想
- 全体CPU使用率: 90%以下
- GPU使用率: 95%以下
- メモリ使用率: 80%以下
最適化手順
1. ゲーム設定下げ（fps制限、画質下げ）
2. OBSプリセット軽量化（ultrafast使用）
3. 不要なソース・フィルター削除
4. ハードウェアエンコード使用
5. 録画同時実行停止
エラー4: “音声遅延・音飛び”
音声設定確認
OBS → 設定 → 音声:
- サンプリングレート統一（48kHz）
- バッファサイズ最適化（1024サンプル）
- 音声デバイス排他モード無効
- Windows音声エンハンスメント無効
システム音声最適化
Windowsサウンド設定:
1. 再生デバイス右クリック → プロパティ
2. 詳細タブ → 排他モード無効化
3. 拡張タブ → すべて無効化
4. レベルタブ → マイクブースト無効
配信品質モニタリング
OBS統計情報の見方
配信統計（表示 → ドック → 統計）
重要指標:
- フレーム落ち: 0.1%以下が理想
- 描画フレーム落ち: 0%が理想
- 平均配信時間: 安定性の指標
- CPU使用率: 80%以下維持
- メモリ使用量: 増加傾向に注意
ネットワーク統計
モニター項目:
- 送信ビットレート: 設定値の95%以上
- 送信FPS: 設定値と一致
- 送信時間: 遅延時間（100ms以下）
- 再接続: 0回が理想
外部監視ツール
Streamlabs Prime – 配信品質分析
機能:
- リアルタイム品質監視
- 視聴者フィードバック収集
- 配信統計レポート
- アラート機能
OBS WebSocket Plugin – カスタム監視
Copy// 配信状態監視スクリプト例
const OBSWebSocket = require('obs-websocket-js');
const obs = new OBSWebSocket();
obs.connect({
address: 'localhost:4444',
password: 'your-password'
}).then(() => {
// 配信統計取得
return obs.send('GetStats');
}).then(data => {
console.log('CPU使用率:', data.stats['cpu-usage']);
console.log('フレーム落ち:', data.stats['render-missed-frames']);
console.log('配信ビットレート:', data.stats['output-total-frames']);
});
2025年配信トレンド対応
次世代コーデック対応
AV1エンコード
メリット
- H.264比 30-50%の圧縮効率向上
- 同ビットレートでより高画質
- ロイヤリティフリー
対応状況（2025年6月現在）
ハードウェア対応:
- NVIDIA RTX 40シリーズ (Ada Lovelace)
- Intel Arc GPU
- AMD RDNA3 (一部)
プラットフォーム対応:
- YouTube: 対応済み
- Twitch: 試験的対応
- Facebook: 準備中
OBS AV1設定
エンコーダー: NVIDIA AV1 (new) / Intel QSV AV1
レート制御: CBR
ビットレート: H.264の70%程度に設定可能
プリセット: P4: Medium (品質重視)
調整: High Quality
HDR配信
HDR配信設定
色空間: Rec. 2020
転送関数: PQ (ST 2084)
色深度: 10-bit
最大輝度: 1000 nits
配信ビットレート: 通常の1.5-2倍必要
低遅延配信技術
WebRTC配信
メリット
- 1秒以下の超低遅延
- インタラクティブ配信に最適
- P2P通信でサーバー負荷軽減
対応プラットフォーム
- YouTube Live (低遅延モード)
- Amazon IVS
- Agora.io
- カスタム実装
SRT (Secure Reliable Transport)
設定例
OBS → 設定 → 配信:
サービス: カスタム...
サーバー: srt://your-server:port
ストリームキー: パスワード設定
SRTオプション:
- 遅延: 500ms-2000ms
- 帯域幅オーバーヘッド: 25%
- 再送信: 有効
おすすめサーバー・配信環境
高品質な配信を安定して行うには、適切なサーバーサービスと配信環境が重要です。用途別のおすすめをご紹介します。
🥇 ゲーマー専用：LOLIPOP! for Gamers
特徴
- ゲーマー向けに最適化された専用サービス
- 低遅延ネットワーク設計
- ゲーム配信に特化したサーバー
- 月額550円～
配信向け機能 ✅ 高速アップロード対応
✅ ゲーム用帯域優先制御
✅ 配信ツール最適化済み
✅ 24時間安定稼働
推奨用途
- ゲーム配信メイン
- 低遅延重視
- コスパ重視のゲーマー
>>> LOLIPOP! for Gamersでゲーム配信最適化
🥈 配信サーバー構築：ConoHa VPS
特徴
- 自分専用の配信サーバー構築
- NGINX-RTMP使用可能
- カスタム配信システム
- 時間単位課金
配信向けスペック
- CPU: 2-4vCPU
- メモリ: 4-8GB
- SSD: 100GB
- 料金: 1,012円/月～
推奨用途
- 複数プラットフォーム同時配信
- カスタム配信システム
- 大規模配信運用
🥉 安定性重視：エックスサーバー VPS
特徴
- 老舗サーバー会社の信頼性
- 高い稼働率保証
- 24時間サポート
- 配信用途に最適化可能
配信向けスペック
- CPU: 3vCPU
- メモリ: 2GB
- SSD: 50GB
- 料金: 1,150円/月～
推奨用途
- 安定性最優先
- 企業・法人配信
- 長時間配信
🎮 ハイスペック配信：ConoHa for GAME
特徴
- ゲーム特化の高性能サーバー
- GPU搭載プランあり
- ゲーム配信最適化
- マインクラフト等対応
配信向けスペック
- CPU: 高性能CPU
- メモリ: 大容量対応
- GPU: オプション対応
- 料金: 1,065円/月～
推奨用途
- 高品質配信
- ゲームサーバー+配信
- プロ配信者
配信品質向上Tips
視覚的品質改善
1. 色彩調整
OBS色彩補正フィルター
色補正:
- ガンマ: 0.90-1.10
- コントラスト: 1.05-1.15
- 明度: -0.05-0.05
- 彩度: 1.10-1.20
- 色合い: ゲームに応じて調整
シャープネス設定
シャープネスフィルター:
- シャープネス: 0.10-0.20
- 閾値: 10-20
- 適用範囲: 全体
2. ノイズ除去
映像ノイズ除去
ノイズ除去 (NVIDIA):
- 強度: 0.50-0.75
- 処理範囲: 全フレーム
- GPU使用率: 10-15%
NVIDIA RTX Voice:
- ノイズ除去強度: 85-95%
- 適用対象: マイク音声
音声品質向上
1. マイク設定最適化
推奨マイク設定
音声フィルター追加順序:
1. ノイズゲート (-35dB閾値)
2. ノイズ抑制 (RNNoise推奨)
3. コンプレッサー (比率 4:1)
4. リミッター (-3dB上限)
5. ゲイン調整 (+5dB程度)
マイクレベル調整
目標音声レベル:
- 平均: -18dB to -12dB
- ピーク: -6dB以下
- 背景ノイズ: -50dB以下
2. ゲーム音声バランス
音声ミキサー設定
音声バランス:
- ゲーム音声: 70-80%
- マイク音声: 100%
- Discord等: 30-40%
- BGM: 20-30%
- 効果音: 50-60%
まとめ
OBS配信のストリームキーエラーと安定化について、包括的に解説しました。
重要ポイント
- 回線速度は配信品質の基盤
- ハードウェアエンコード活用で負荷軽減
- 適切なビットレート設定で安定配信
- 専用サーバーで品質向上
ゲーマーの皆さんなら、レイドの準備を完璧にするように、配信環境も丁寧にセットアップすれば必ず安定した高品質配信ができるはず。視聴者に最高の体験を提供しましょう！
免責事項
※本記事は2025年7月時点の情報に基づいています。各配信プラットフォームの仕様変更や通信環境により結果が異なる場合があります。