1. はじめに
7 Days to Die(7DTD)のサーバー運営において、ログ解析は安定したサーバー運用の要となります。本ガイドでは、2025年7月現在のV2.0に対応したサーバーログの解析方法から、エラーコードの読み方、自動リスタート条件の設定まで、サーバー管理者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
V2.0での主な変更点:
- ログ出力形式の改善とタイムスタンプの統一
- 新しいエラーコード体系の導入
- メモリ使用量監視機能の強化
- 自動バックアップ機能との連携改善
2. ログファイルの場所とアクセス方法
2.1 クライアント側ログファイルの場所
まず、クライアント側のログファイルの場所を確認しましょう。これは問題の初期診断に役立ちます。
- Windows + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- %appdata% と入力してEnterキーを押す
- Roaming フォルダをダブルクリック
- 7DaysToDie フォルダを開く

ログファイルは output_log_client_*年_日付* の形式で保存されています。最新のファイルが現在のセッションのログとなります。
2.2 サーバー側ログファイルの場所
サーバー側のログファイルは、サーバーの設置場所や使用しているホスティングサービスによって異なります。
専用サーバー(Windows)
- C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\7DaysToDie\Logs\
- [7DTDサーバーフォルダ]\Logs\
専用サーバー(Linux)
- /home/[ユーザー名]/.local/share/7DaysToDie/Logs/
- [7DTDサーバーフォルダ]/Logs/
レンタルサーバー
レンタルサーバーの場合、各サービスのコントロールパネルからログファイルにアクセスできます。

3. output_log.txt の読み方
3.1 ログファイルの基本構造
7DTDのログファイルは、時系列順にイベントが記録されています。各行には以下の情報が含まれています:
- タイムスタンプ: イベントが発生した日時
- ログレベル: INFO, WARNING, ERROR, FATAL
- モジュール名: ログを出力したシステムの名前
- メッセージ: 実際のログ内容
2025-07-03 12:34:56.789 INFO [NET] Player ‘PlayerName’ connected from 192.168.1.100:7777
3.2 重要なログエントリの識別
サーバー管理者として注目すべきログエントリを理解することが重要です。
正常なログエントリ
- INFO [NET] Player connected/disconnected – プレイヤーの接続/切断
- INFO [SAVE] World saved – ワールドの保存完了
- INFO [CHUNK] Chunk loading/unloading – チャンクの読み込み/開放
警告ログエントリ
- WARNING [MEMORY] High memory usage detected – メモリ使用量の警告
- WARNING [NET] Connection timeout – 接続タイムアウト
- WARNING [CHUNK] Chunk generation slow – チャンク生成の遅延

4. エラーコード集と対処法
4.1 V2.0新規エラーコード
V2.0では新しいエラーコード体系が導入されました。以下は主要なエラーコードと対処法です。
エラーコード | 説明 | 対処法 |
---|---|---|
7DTD_ERR_0001 | メモリ不足 | サーバーメモリの増強、不要なMODの削除 |
7DTD_ERR_0002 | ワールドデータ破損 | バックアップからの復旧、ワールドの再生成 |
7DTD_ERR_0003 | ネットワーク接続エラー | ポート設定の確認、ファイアウォール設定 |
7DTD_ERR_0004 | MOD読み込みエラー | MODの互換性確認、MODの再インストール |
7DTD_ERR_0005 | 設定ファイル読み込みエラー | serverconfig.xmlの文法チェック、設定の初期化 |
4.2 従来のエラーコード(継続対応)
V1.x系から継続して使用されているエラーコードも引き続き監視が必要です。
エラーメッセージ | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
NullReferenceException | プログラムのバグ、MODの不具合 | MODの無効化、サーバーの再起動 |
OutOfMemoryException | メモリ不足 | サーバーRAMの増強、不要プロセスの終了 |
IOException | ファイル読み書きエラー | ディスク容量の確認、ファイル権限の修正 |
SocketException | ネットワークエラー | ネットワーク設定の確認、ポート開放 |
4.3 エラー発生時の対処手順
- エラーの記録: エラーメッセージを完全にコピーして記録
- タイムスタンプの確認: エラー発生時刻と前後のイベントを確認
- 再現性の検証: エラーが継続的に発生するか確認
- ログの分析: エラー発生前の警告やイベントを分析
- 対処法の実行: エラーコードに応じた対処法を実行
- 効果の確認: 対処後のログでエラーが解決されたか確認

5. サーバー自動リスタート条件の設定
5.1 リスタート条件の基本設定
安定したサーバー運用のために、適切なリスタート条件を設定することが重要です。
時間ベースのリスタート
- 定期リスタート: 6時間または12時間間隔
- メンテナンス時間: プレイヤーが少ない時間帯(午前3時~5時)
- アップデート適用: 新バージョンリリース時
状態ベースのリスタート
- メモリ使用量: 使用可能メモリの80%を超えた場合
- CPU使用率: 90%以上が10分間継続した場合
- プレイヤー数: 0人の状態が30分間継続した場合
- エラー発生: 致命的エラーが発生した場合
5.2 自動リスタートスクリプトの作成
Windows用バッチファイル
@echo off
:loop
echo Starting 7DTD Server…
“C:\7DaysToDie\7DaysToDieServer.exe” -configfile=serverconfig.xml
echo Server stopped. Restarting in 10 seconds…
timeout /t 10
goto loop
Linux用シェルスクリプト
#!/bin/bash
while true; do
echo “Starting 7DTD Server…”
./7DaysToDieServer.x86_64 -configfile=serverconfig.xml
echo “Server stopped. Restarting in 10 seconds…”
sleep 10
done
5.3 監視システムの構築
サーバーの状態を継続的に監視し、異常を検出した際に自動的に対処するシステムを構築します。
監視項目
- サーバープロセスの稼働状況
- メモリ使用量の推移
- CPU使用率の監視
- ディスク使用量の確認
- ネットワーク接続状況
- プレイヤー接続数の変化
注意: 自動リスタートは便利ですが、プレイヤーがプレイ中にリスタートが発生すると進行が失われる可能性があります。リスタート前には適切な警告通知を行いましょう。
6. ログの最適化とクリーンアップ
6.1 ログファイルのローテーション
ログファイルは時間の経過とともに大きくなり、ディスク容量を圧迫します。定期的なローテーション設定が必要です。
ローテーション設定例
- サイズ制限: 100MB到達時に新しいファイルを作成
- 保存期間: 30日間のログを保持
- 圧縮: 古いログファイルを自動圧縮
- 削除: 30日を超えたログファイルの自動削除
6.2 ログレベルの調整
本番環境では、不要な詳細ログを削減してパフォーマンスを向上させます。
ログレベル | 用途 | 推奨環境 |
---|---|---|
DEBUG | 詳細なデバッグ情報 | 開発・テスト環境 |
INFO | 一般的な情報 | 本番環境(通常運用) |
WARNING | 警告メッセージ | 本番環境(最小限) |
ERROR | エラーメッセージ | 全環境 |
FATAL | 致命的エラー | 全環境 |
7. 監視ツールとの連携
7.1 外部監視ツールの活用
ログ解析を効率化するため、外部監視ツールとの連携を検討しましょう。
推奨監視ツール
- Grafana + Prometheus: リアルタイムメトリクス監視
- ELK Stack: ログ収集・分析・可視化
- Nagios: システム監視とアラート
- Zabbix: 包括的なサーバー監視
7.2 Discord/Slack通知の設定
重要なイベントやエラーが発生した際に、即座に通知を受け取れるようにします。
通知対象イベント
- サーバーの起動・停止
- 致命的エラーの発生
- メモリ使用量の警告
- プレイヤー接続数の異常
- 自動リスタートの実行
8. パフォーマンス最適化とログ分析
8.1 パフォーマンス指標の監視
ログから読み取れるパフォーマンス指標を定期的に分析し、サーバーの健全性を評価します。
重要な指標
- 平均レスポンス時間: プレイヤーアクションの応答速度
- チャンク生成時間: 新しいエリアの読み込み速度
- 保存処理時間: ワールドデータの保存にかかる時間
- メモリ使用量の推移: メモリリークの検出
8.2 ボトルネックの特定
ログ分析によってサーバーのボトルネックを特定し、適切な対策を実施します。
ボトルネック | ログの特徴 | 対策 |
---|---|---|
CPU過負荷 | 処理時間の延長、タイムアウト増加 | CPU性能向上、プロセス数制限 |
メモリ不足 | メモリ警告、GC頻発 | RAMの増強、メモリ設定の調整 |
ディスクI/O | 保存処理の遅延、読み込み時間増加 | SSD化、ディスク最適化 |
ネットワーク | 接続タイムアウト、パケットロス | 回線品質向上、設定最適化 |
9. おすすめレンタルサーバーサービス
7DTDサーバーを安定運用するためのレンタルサーバーサービスをご紹介します。各サービスの特徴を比較して、要件に適したものを選択しましょう。
高性能VPSサーバー推奨
XServer VPS for Game
- 7DTD専用テンプレート提供
- 高性能CPU(AMD EPYC)搭載
- NVMe SSD標準装備
- 24時間365日サポート
- 初期費用無料、月額830円~
ConoHa for GAME
- 時間課金制で柔軟な運用
- 7DTD自動インストール機能
- 高速SSD搭載
- 簡単操作のコントロールパネル
- 初期費用無料、月額830円~
さくらVPS
- 長年の実績と信頼性
- 豊富なプラン選択
- 詳細なリソース監視
- 充実した技術サポート
- 初期費用無料、月額643円~
10. トラブルシューティング実践例
10.1 よくある問題とその解決例
ケース1:サーバーが頻繁にクラッシュする
症状: 2-3時間おきにサーバーが落ちる
ログ分析: OutOfMemoryException が頻発
対処法:
- サーバーメモリを8GB以上に増強
- Java VMのメモリ設定を調整
- 不要なMODを削除
- メモリリークを起こすMODを特定して除去
ケース2:プレイヤーが接続できない
症状: 特定のプレイヤーが接続時にタイムアウト
ログ分析: SocketException: Connection reset
対処法:
- ファイアウォール設定の確認
- ポート26900-26902の開放確認
- プレイヤーのIPアドレスをホワイトリストに追加
- サーバーのネットワーク設定を再確認
ケース3:ワールドデータが破損
症状: 特定のエリアでクラッシュが発生
ログ分析: IOException: Chunk data corrupted
対処法:
- 自動バックアップから最新のデータを復旧
- 破損したチャンクファイルを削除(再生成される)
- 定期バックアップの頻度を見直し
- ディスクの健全性チェックを実施
10.2 予防的メンテナンス
問題が発生する前に実施すべき予防的メンテナンス項目をまとめます。
日次メンテナンス
- ログファイルの確認(エラーの有無)
- メモリ使用量の監視
- プレイヤー接続状況の確認
- ディスク使用量の確認
週次メンテナンス
- ログファイルのローテーション
- 不要なファイルの削除
- バックアップの動作確認
- パフォーマンス指標の分析
月次メンテナンス
- サーバーソフトウェアの更新
- MODの互換性確認
- 設定ファイルの最適化
- ハードウェアの健全性チェック
11. まとめ
7 Days to Die サーバーのログ解析は、安定したサーバー運用の基盤となる重要な技術です。本ガイドで説明した手法を活用することで、問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。
特にV2.0からは新しいログ形式とエラーコード体系が導入されているため、最新の情報に基づいた監視・分析が不可欠です。定期的なログ分析を習慣化し、プレイヤーに最高のゲーム体験を提供しましょう。
重要なポイント:
- ログは問題発生前の兆候を示すため、定期的な確認が重要
- エラーコードの理解により、迅速な問題解決が可能
- 自動化により、管理負荷を軽減しつつ安定性を向上
- 監視システムの構築により、24時間体制での運用が可能
※本記事は2025年7月時点の情報に基づいて執筆されています。内容の正確性には万全を期していますが、最新情報は各公式サイトをご確認ください。